シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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多国籍企業と人事管理 | 2025 | 後期 | 金3 | 総合政策研究科博士課程前期課程 | 菅谷 英之 | スガヤ ヒデユキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PG-MH5-201L
履修条件・関連科目等
1.事前の知識は特に必要ありません.
2.他研究科・学部からの履修もOKです.課題提出等の扱いは正規履修生と同様になります.
3.就活を間近に控えた人,就活中の院生・学部生等の聴講登録もOKです.課題提出等,授業中の扱いは正規履修生と同様になります.
4.職務経験を有する人の多様なニーズに対応します.
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
1.組織等で将来幹部クラスとして活躍するための経営観・事業観や嗅覚を醸成します.
2.1つの事象から,何が本質的な課題なのかをつかむ、コンセプチュアル(概念化)スキルを醸成します.
科目目的
個人のキャリア開発戦略と経営戦略とは構造的に似ています。
企業は、いわば戦略的に構築した、良質で強い企業文化をベースに、ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスなどを定め、それらにフィットした戦略を構築することで、戦略の実現、具現化を目指します。戦略を実現する上で最重要の経営資源である人財の獲得も、それに基づいてシステマチックに進めていく必要があります。優良企業ほど、自社の有する文化やミッション、ビジョン、バリュー、パーパスに合わない人財は採りません。人数合わせ、安易な穴埋めのための人財採用はせず、換言すれば、自社の文化に合わない人間は決して採らないことを徹底しています。
就職する我々の側も、自らが属したい組織の文化に合うかどうかをよく見極めて、実際にそこに入って自在に活躍できるかどうかをシミュレーションして、慎重に企業組織を選別する必要があります。
これまでの日本企業は、長期雇用を前提とした新卒一括定期採用を軸に、人財獲得戦略を真正面から据えてきており、組織メンバーの一員となる成員を加えるための、メンバーシップ型採用(何の仕事をアサインするかではなく、組織にぴったり合う仲間を組織に加えて、ゼネラリストとして幅広い仕事の経験をさせる)であったので、キャリアに関しては、企業側が主導権を持って個人のキャリアが決まっていくことが多く、社員が主体的にキャリアをデザインしていける余地は小さかったといえます。
対する欧米企業も、企業人事部が主導してキャリアを構築していくというよりは、日本とは違って大学・大学院での専攻や専門に密接に関係する資格の取得や職業訓練等により、自らのジョブが半ば自動的に決まるので、自ら希望しても、キャリアを実際に開始してから、ジョブの方向性を大きく変えるようなキャリアチェンジは非常に難しく、自律的なキャリア開発とは程遠い面がありました。
日本企業は近年、社会構造の変化や若年者気質の変化(大卒3年内退職約35%)もあり、入社後のミスマッチのリスクが相対的に低いように観えるジョブ型の採用を志向し始め、当初から就職者の希望の職務に近いジョブを選べるような人事政策が強まり、企業主導によるキャリア形成ではなく、自律的かつ個人の自己責任によるキャリア開発が可能となる土壌が整えられつつあります。たとえメンバーシップ型採用で、職務無限定の総合職としての採用であっても、かつてのように、完全な企業都合による全国転勤命令等ではなく、自らが希望するエリアのみの地域限定型人事異動の仕組みも多くなってきました。
日本企業は従来から「遅い選抜による総エリート体制」が建前の人事政策でしたが、これまでのように、さまざまな業務を経験する中で、職務適性をゆっくりと見出すという時間的余裕は短縮されつつあります。
米国のシリコンバレーに在るDX(デジタルトランスフォーメーション)企業等に属する社員は、日本の従来的な総エリート候補の仕組みに近い形でのさまざまなローテーションを経験する総エリート体制の下、高い報酬と引き換えに、Up or Out(昇格か退職か)の厳しい雇用慣行下での緊張感のある労働を強いられています。彼らは各々の職務の報酬の市場レートが決まっているので、少しでも高い報酬を求めての転職が普通であり、企業の側も市場価値連動型の報酬を常に用意せざるを得ません。反面で、米国では解雇が比較的自由で、特段の解雇事由も必要なく社員を解雇出来るので、日本的なメンバーシップ型採用のように長期的に身分が安定しているわけではない面があります。
強い人事権の下での長期雇用を前提とし、社内で長期的に教育・育成されていくことを前提に、企業主導での人事ローテーションの下でキャリア開発を長期的に進めていく日本型の雇用を選ぶのか、一般の新卒者には険しい環境である、欧米エリートのように常にUp or Out(昇格か退職か)の緊張感の中で米国のシリコンバレーを渡り歩いていくような雇用タイプが良いのかは、模倣困難性の高い個人能力(模倣困難性の高いスキルのレベル、資格やTOEICスコア、クラブ経験、バイト、他者と差別化された唯一無二のガクチカ経験等)をベースに、自分をどこにポジショニングするのが他の優秀学生と比して、比較競争優位となるのか、自分の個人能力のどこに強みがあり、どこを効果的にアピールすることが、ベストのポジションを取れるのかなどを、相手方組織の文化的特性、ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスに根差した経営戦略・人事政策と自らがどうフィットするのかなどを総合的かつ俯瞰的に見極めて、自律的にキャリアを選択していくような唯一無二のキャリアを見据えていく必要があります。
最終回に提出してもらうレポートでは,「自分の強みを今後のキャリアにどう活かしていくか」というキャリア開発の指針も含めて、総括的に個々人にフィードバックします.
到達目標
1.組織文化とミッション・ビジョン・バリュー・パーパス、組織戦略・人事政策の関連性について理解します.
2.組織で幹部クラスとして活躍するための経営観・事業観、嗅覚を醸成します.
3.1つの事象から,何が本質的な課題なのかをつかむ、コンセプチュアル(概念化)スキルを醸成します.
4.将来のキャリアプランをどう計画し実現させるかを考える契機とします.
5.課程での研究を早期に軌道に乗せるようにします.
授業計画と内容
1.「戦略・政策」・「組織文化・風土」・「パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー」・「人事政策(採用・教育・評価・報酬・格付・配置・異動等)」・「リーダーシップ」・「キャリア開発」等の切り口から,日本企業・欧米企業の雇用慣行の違いを理解したうえで、組織戦略や人事政策を考察していきます.
2.適時以下のような組織を題材に採り上げます(例・順不同).
GAFA(グーグル・アップル・FB[Meta]・Amazon),ソフトバンク,楽天,サムスン,日立,パナソニック,ソニー,富士フイルム,花王,アサヒビール,サントリー,トヨタ,日産,ホンダ,J&J,マクドナルド,金融大手,官僚組織,コンサルティングファーム,ベンチャー企業等.
3.受講者の状況・要望等を勘案して進めます.
第1回 オリエンテーション
第2回 グローバル企業の株式時価総額(企業価値)-エクセレントカンパニ-とは-
第3回 組織文化とミッション・ビジョン・バリュ-,パーパス、経営戦略
第4回 東証プライム企業社員の意識調査からみた組織文化(戦略活性度・組織活性度)研究
第5回 日本・欧米の雇用慣行研究
第6回 日本・欧米の雇用慣行研究
第7回 日本・欧米の雇用慣行研究
第8回 日本・欧米の雇用慣行研究
第9回 経営戦略・人事政策研究
第10回 経営戦略・人事政策研究
第11回 経営戦略・人事政策研究
第12回 経営戦略・人事政策研究
第13回 経営戦略・人事政策研究
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
1.キャリア開発支援(個人面談等)は,本コース(授業)修了後も適時行います.
課程修了後も可能です.
2.連絡方法
hsugaya001t@g.chuo-u.ac.jp
グループLINE
manaba
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 最終的な成果物を提出していただきます. |
平常点 | 70 | コース(授業)への取り組み姿勢、貢献等を特に重視します. |
成績評価の方法・基準(備考)
レポート(最終回に提出)返却時に,日常の取り組み姿勢を観て,「強みを今後のキャリアにどう活かしていくか」というキャリア開発の指針も併せて,個別にフィードバックします.
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
1.疑問点等を後に持ち越さないよう,理解度を常に確認しながら進めて行きます.
2.レポート(最終回に提出)は,「自分の強みを今後どう活かしていくか」という今後のキャリア開発の指針も含めて総括的に各人に後日フィードバックします.
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
全回対面形式を採ります.
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
適宜,必要に応じて活用します.
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
金融大手(1988-2000)課長(1997-)
早稲田大学 国際経営学研究(2000-2002)
ヘルスケア大手(2002-2010)部門グループ長(2005-)
中央大学 政策科学・経営学研究(2003-)・総合政策 開発企画代表(2007-)
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
経営学と政策科学のフレームワークで、現実の場で、どのように政策として実現・実行するかを考察していきます.
テキスト・参考文献等
1.特定のテキストは定めません.毎回レジュメを配布します.
欠席の場合は、翌週に手渡します。
2.各人の研究志向に合わせて,必要な文献等を適宜紹介します.
その他特記事項
1.各人の研究分野・興味にも留意して進めます.
2.必要に応じて,補講等を行なうことがあります.
3.集中力維持のため,適時リフレッシュタイム(休憩)を取ります.