シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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行政組織法 | 2025 | 秋学期 | 金4 | 法学部 | 出口 裕明 | デグチ ヒロアキ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JU-PU3-010L
履修条件・関連科目等
行政法を履修済み又は履修中であることが望ましい。また、行政組織法、行政学等、関係科目も履修済み又は履修予定であると多角的に行政組織について知ることができるが、いずれも必ずしも履修を条件とはしない。なお、公務員を志望するかどうか迷っている学生にとっては、(結論がどちらになるにせよ)履修することにより行政の実情が分かり、判断に寄与するものと思われる。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業は講義形式で行う。この科目では、行政の物的手段の一部である行政組織(狭義)と人的手段である公務員法について、その全体像を把握するとともに、主要な論点を摘示し、考察していく。なお、公物法については、「公の施設」との関連をみるため「地方自治法」講義において扱うものとし、この科目では扱わない。
後掲の使用テキストは非常によくできているが、中身が学生にとっては多すぎることもあり、適宜、項目をピックアップし、解説を加えて読みこなせるようにしていく。
科目目的
わが国の行政組織(公務員制度を含む)の全体像を把握し、現行の行政組織に係る根本原理、その運営実体及び課題等々について一通り身につけた上で、今後の行政組織のあるべき姿について提言できる学生を養成する。
実際の公務員試験において、「行政法」分野の択一式では行政組織法はほとんど出題されないが、「行政学」で一部出題される他、記述式の問題(「専門論文」「一般論文」等を含む)に的確な答案を作成するためには、行政組織に関する体系的な知識と自分なりの考えが必要かつ有効であるので、択一的な知識涵養よりもそういった思考パターンのようなものの養成を主目的としたい。
到達目標
受講生が日本の行政組織の全体像を把握し、基本事項を理解するとともに、憲法や行政法の基本的知識を再確認し、行政法について多角的に理解を深めることができるようにする。
授業計画と内容
1.イントロダクション 講義の進め方
2.行政組織法の基礎概念①行政法の3分野と相互関係ほか
3.行政組織法の基礎概念②機関概念、機関相互間の関係ほか
4.内閣制度、内閣総理大臣の権能ほか
5.内閣府設置法、各省設置法等の概要
6.独立行政法人ほか行政ネットワークの概要
7.公務員法の歴史と概要
8.公務員の勤務関係
9.人事院、人事委員会・公平委員会
10.公務員の義務①法令遵守義務、信用失墜行為等
11.公務員の義務②守秘義務、政治的行為の禁止
12.公務員の義務③その他の義務
13.公務員の権利
14.まとめ、質疑応答ほか
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
この授業はパワーポイント等を使用して行う。予習及び講義時に使用するため、毎回manabaでレジュメを配信するので、それに目を通し、予習として、指定したテキストの講義該当箇所をよく読んでおくこと、関連条文を六法などで確認すること、憲法・行政法等、関連科目の関係箇所を確認しておくことが肝要である。また、復習としては、講義で触れた内容について、関連科目の関係箇所を再確認し、相互に理解を深めておくことが望ましい。特に、公務員法については、労働法との比較をしてみると、双方にとって効果的である。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 授業の基本事項が理解できているかを試す |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当者は、大学卒業後20年間にわたり神奈川県職員として各種の実務に直接携わった後、教員に転じてからも20年にわたり各地の自治体の職員研修等において地方公務員法や地方自治法の講師を務めた経験を持つ
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記のような経験を活かして、実際の行政事例を豊富に紹介し、できるだけ実態に即して説明するとともに、行政内部の視点と研究者や住民など外部からの視点の双方に立ちながら考察していく
テキスト・参考文献等
【テキスト】
宇賀克也 『行政法概説Ⅲ 第6版』有斐閣、2024
【参考書】
藤田宙晴『行政組織法 第2版』有斐閣、2022
塩野宏 『行政法Ⅲ 第5版』有斐閣、2021
真渕勝『行政学 新版』有斐閣、2020
その他特記事項
履修するかどうか迷う場合には、第1回目の授業に出席して様子を把握してから決めること。
講義中、電子機器の使用は自由とするが、板書その他の撮影は禁ずる。
蛇足ながら、担当者の講義を一言一句逃さずノートしようとするのは無理でもありムダでもある。予習+受講により自分なりの考え方や見解を得ることが講義の何よりの成果であるが、それらは、すぐにメモしないと忘れてしまい、再び思い起こすことは難しいのが普通であろう。授業中は講義を聴いて「自分の」頭に浮かんだ考えや疑問を大切にし、素早くメモしておくことが最も効果的であると心得て臨んで欲しい。
なお、質問等は講義後にも受け付けるが、その際、講義内容以外でも、行政実務に関する質問や公務員試験に関する相談なども可とする。