シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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文学Ⅰ | 2025 | 前期 | 金2 | 経済学部 | 南 映子 | ミナミ エイコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-IF1-171X
履修条件・関連科目等
特になし。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
この授業では、演出家の高山明氏とPort Bが「フェスティバル/トーキョー」という演劇の祭典に出品した「東京ヘテロトピア」を扱います。その作品を、まずは音声で聞き、次に文字で読んで、それぞれの段階で感想や批評を寄せ合い、より深く理解しようとし、より深く考えようとしながら、ことばを投げ返すことを試みます。
「東京ヘテロトピア」は、少し変わった「演劇作品」です。ガイドブックとポータブルラジオを携えて様々な場所を訪れ、その場で「留学生や移民や難民として東京を訪れたアジアの人々に因んだ、その場所でありえたかも知れない物語」の朗読音声を聴く、というのが本来の形です。現在では2013年の「フェスティバル/トーキョー」終了から10年以上経っていますが、スマートフォンやタブレット端末でアプリケーションを使って、本来の形で作品にアクセスすることもできます。
◆授業の進め方
1.朗読を音声を聴く
教室で作品(物語)の朗読音声を聴きます。この段階では、作品の内容や雰囲気を感じ取ることが重要です。
2.コメント①の作成(導入)
聴いた作品に対する最初のコメント①を書き、responで提出します。このコメントでは、自分の率直な感想や印象を自由に表現してください。
3.コメント①の共有
次の授業では、受講生同士でコメントを共有します。受講生は、共感したり感銘を受けたりしたコメントに☆をつけることで、他の意見に対するフィードバックを行います。
4.再考
同じ作品を、今度はテキストで読みます。また、その作品に関連する資料も読み、理解を深めます。この過程を通じて、考察を一歩進めます。
5.コメント②の作成(再考)
考察を踏まえて新たなコメントを書き、responに提出します。この段階では、作品のテーマや登場人物についてのより深い考察を展開できるよう挑戦してみましょう。
6.コメントの共有とまとめ
最後に、コメント②を共有し、必要な解説を加えながらまとめのセッションを行います。このセッションでは、受講生同士での意見交換を行い、作品の理解をさらに進めます。
科目目的
・文学作品を通じて、普段は見えていない現実を知覚するための想像力を鍛える
・東京にある「アジア」の「異郷」について知り、関心を持つ
・他者のことば(作品/コメント)を丁寧に受け取り、丁寧に投げ返す練習をする
到達目標
・東京にある「アジア」の「異郷」について知り、関心を持つ(前期はベトナム、ネパール、中国、韓国に関連する場所)
・ある作品に対する自分の感情的反応と、そのような反応をした理由について詳述できる
・ある作品の特定の部分や側面に自分がなぜ興味を持ったかについて詳述できる
・ある作品のテーマや登場人物の心情などについて、論拠を示して述べることができる
・複数の作品を比べ、共通点や差異に注目しながら自分の意見を述べることができる
・自分の意見を、他者の意見と比べたり新しい知識を踏まえたりすることによって相対化でき、改めて自分の考えを構築することができる
・自分の日常や知っている範囲にはない世界の描かれた作品を拒絶したり、無視したり、表面的な理解に基づいて反応したりするのではなく、より深く理解しようと取り組むことができる
授業計画と内容
第1回:ガイダンスと作品Aの導入
・授業の進行、内容、評価などの説明
・作品A「川のように流れる祈りの声」(東京ジャーミイ、トルコ)の朗読音声を聴き、率直な反応をコメント①として提出する
第2回:作品Aの再考
・コメント①を共有し、☆をつけあう
・作品のテキストと関連資料を読む
・より深い考察をもとにコメント②を提出する
第3回:作品Aのまとめと作品Bの導入
・コメント②を共有して☆をつけあい、考察をさらに深める
・作品B「壁の向こうへ」(国際救援センター跡、ベトナム)の音源を聴き、率直な反応をコメント①として提出する
第4回:作品Bの再考
・コメント①を共有し、☆をつけあう
・作品のテキストと関連資料を読む
・より深い考察をもとにコメント②を提出する
第5回:作品Bのまとめと作品Cの導入
・コメント②を共有して☆をつけあい、考察をさらに深める
・作品C「かのじょの国、ぼくらの国」(モモ/バラヒ前、ネパール)の音源を聴き、率直な反応をコメント①として提出する
第6回:作品Cの再考
・コメント①を共有し、☆をつけあう
・作品のテキストと関連資料を読む
・より深い考察をもとにコメント②を提出する
第7回:作品Cのまとめと授業内レポート
・コメント②を共有して☆をつけあい、考察をさらに深める
・作品A,B,Cの内容を踏まえてレポートを作成し、提出する
第8回:授業内レポートの講評と作品Dの導入
・授業内レポートへのフィードバック
・作品D「神田神保町の清燉獅子頭」(漢陽楼、中国)の音源を聴き、率直な反応をコメント①として提出する
第9回:作品Dの再考
・コメント①を共有し、☆をつけあう
・作品のテキストと関連資料を読む
・より深い考察をもとにコメント②を提出する
第10回:作品Dのまとめと作品Eの導入
・コメント②を共有して☆をつけあい、考察をさらに深める
・作品E「『P』『満車』『連結散水送水口』」(築地小劇場跡、韓国)の音源を聴き、率直な反応をコメント①として提出する
第11回:作品Eの再考
・コメント①を共有し、☆をつけあう
・作品のテキストと関連資料を読む
・より深い考察をもとにコメント②を提出する
第12回:作品Eのまとめと作品Fの導入
・コメント②を共有して☆をつけあい、考察をさらに深める
・作品F「私たちの革命の震源たりえた場所で」(東京小劇場、日本)の音源を聴き、率直な反応をコメント①として提出する
第13回:作品Fの再考
・コメント①を共有し、☆をつけあう
・作品のテキストと関連資料を読む
・より深い考察をもとにコメント②を提出する
第14回:作品Fのまとめと授業内レポート
・コメント②を共有し、考察をさらに深める
・作品D,E,Fの内容を踏まえて、授業内レポートを作成し、提出する
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業を通じて考えたことや気になったことをメモしておき、調べられることは調べて、学期半ばと学期末の授業内レポートの素材を準備する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 45 | 学期半ばと学期末の授業内レポートを、〈到達目標〉に示した観点から評価する。 |
平常点 | 45 | 作品に対するコメント①と②を、〈到達目標〉に示した観点から評価する。 |
その他 | 10 | 〈到達目標〉に示した観点から、学期末の時点での達成度を自己評価する(※教員による評価とも照合したうえで、最終的な表現に加算します)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
毎回の授業で何らかのアウトプットを行います(詳細は「授業の進め方」を参照してください)。アウトプットの成果(コメント①②および授業内レポート)は教室で共有します。
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
responを使用します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、授業時に指示します。
参考文献
高山明『テアトロン 社会と演劇をつなぐもの』、河出書房新社、2021年.
その他特記事項
参考URL
Port Bの公式サイト内にある「東京ヘテロトピア」のページ
http://portb.net/ja/東京ヘテロトピア-2/