シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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入門演習 | 2025 | 前期 | 金4 | 経済学部 | 柴田 英樹 | シバタ ヒデキ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
EC-AD1-01XS
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
論説的文章の書き方の基本,資料の探索の方法,PCによる文章の作成法の基本,ゼミでの発表やレジュメの作成法などについて,実践的に学ぶ.
科目目的
少人数で行われる2年生からの専門ゼミでの学習の準備として、ゼミ学習に必要なスキルを身に着けることが目的です。専門文献の輪読、プレゼンテーションの練習、簡単なゼミ論作成などを通じて、専門ゼミの雰囲気を知っていただきます。
到達目標
与えられた課題に対して調べ,発表し,レポートを書く基本を習得し,また合理性を備えた批判的視点を身につけることをめざす.
授業計画と内容
1.オリエンテーション
2.図書館講習会
3.パソコン講習会(1)Word講習
4.パソコン講習会(2)PowerPoint講習
5.ガロア理論入門(1)3次方程式をラグランジュ・リゾルベントを使って解いてみる
6.ガロア理論入門(2)4次方程式をラグランジュ・リゾルベントを使って解いてみる
7.ガロア理論入門(2)2次方程式の解の対称性(文献1の読解)
8.ガロア理論入門(3)3次方程式の解の対称性(文献1の読解)
9.ガロア理論入門(4)4次方程式の解の対称性(文献1の読解)
10. ガロア理論入門(5)正規部分群と解の対称性(文献1の読解)
11. ガロア理論入門(6)5次方程式における解の対称性の崩壊と交換子(文献1の読解)
12. ヘーゲルの弁証法とアンチノミー
13. 解析学における無限の取り扱いの歴史
14. 此岸の観念論:悪無限から真無限へ
ドイツの哲学者ヘーゲルよれば、すべての存在は、直接的に存在していると同時に、他の存在によって媒介されており、すべての存在のこのような二重性を証明し、最も卑近な存在から絶対精神までを、媒介されたものの総体として、一つの精神へとまとめ上げるところにヘーゲルの哲学体系は成立します。この入門演習では、数学からの例を使って、このヘーゲル体系の意義を理解してみようと思います。
代数学の基本定理によって「複素係数のn次方程式は複素根を重複を含めて丁度n個持つ」ということが保証されていますが、実際にその解を求めることは容易ではなく、5次方程式以上については四則計算と累乗根を使う方法では必ずしも解が求められるとは限らないことが証明されています(ガロア理論)。
ニュートンやライプニッツの無限小解析は大きな成果を挙げながらも18世紀に入ってその曖昧性が追及され,実数や収束の概念が厳密化され,「無限」の取り扱いが論理的に整備されていくことになります。ヘーゲルはこの厳密化過程の真っ最中に活躍した哲学者で,彼の『論理学』でも無限小解析に関する論争への言及があります。
ガロア理論の提起した問題はヘーゲルのアンチノミー論と『精神現象学』,「無限」の取り扱いの問題はヘーゲルの悪無限と真無限の対比および『論理学』に通じるところがあり,数学上の議論に触れることが,難解なヘーゲル哲学を理解する手助けになるのではないかと思います。
なお、図書館講習会とパソコン講習会の日程によっては、上記のスケジュールが変更されることがあります。
パソコン講習会で学んだ知識は、宿題(レジュメや期末レポートの作成など)や発表に役立てていただきます。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
manabaに授業で使用した資料はすべて掲載するので活用すること.
レジュメの作成やレポートの作成などの宿題があります。
授業で使用するテキストに関するオンラインの小テストを実施します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | ゼミの最終レポートを作成していただきます。 |
平常点 | 60 | テキストに関するオンライン小テストを実施します(全体の30%)。 輪読の担当箇所の報告をやっていただきます(全体の30%)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席調査をします。4回以上無断欠席された方の成績はFにします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
1.小林吹代(2016)『ガロア理論「超」入門:方程式と図形の関係から考える』技術評論社ISBN978-4-7741-8574-3
参考文献
1.小島寛之(2019)『完全版 天才ガロアの発想力:対称性と群が明かす方程式の秘密』技術評論社ISBN978-4-297-10627-0
2.原岡喜重(2018)『はじめての解析学』講談社(ブルーバックス)ISBN978-4-06-513853-3
3.金重明(2014)『13歳の娘に語る アルキメデスの無限小』岩波書店ISBN978-4-00-005013-5
4.G.W.F.ヘーゲル(2018)『精神現象学』上・下、熊野純彦訳、筑摩書房(ちくま学芸文庫)ISBN978-4480097019、978-4480097026
5.G.W.F.ヘーゲル(2016)『大論理学』上巻a,上巻b,中巻,下巻,武市健人訳,岩波書店
その他特記事項
授業の2回分程度がパソコン講習に当てられます。
参考URL
特になし