シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 英語読解 | 2026 | 通年 | 木2 | 文学部 | 太田 稔 | オオタ ミノル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EN1-SE11
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では、Stephen Mumfordの"Metaphysics"(『形而上学』)という本の一部を読みます。この本は、オックスフォードから出ているVery Short Introductionシリーズの一つで、第一級の哲学研究者が、哲学の初学者に向けて導入・紹介を行うというものです。予習として特定範囲の訳読が課されませんが、初回授業で説明するように、ある程度の予習をもって授業に臨む方がおそらくスムーズに参加できると思います。
哲学という言葉がなんとなく漠然とした難解さと結びついた言葉だとすれば、「形而上学」という言葉はその難解さそのものの代表といえるかもしれません。そもそも言葉そのものの意味が分からないというところから始まるかもしれない。
『形而上学』の翻訳についている訳者解説(秋葉剛史・北村直彰訳、スティーブン・マンフォード『哲学がわかる 形而上学』、岩波書店)を参考にして少しだけ説明をすると、「形而上」という言葉は、「形而下」という言葉と対になっていて、「形而下」というのは、一定の形があり見たり触ったりすることができる、つまり私たちの経験的な世界に属するものを指しています。他方「形而上」のものとは、それを超えたものだったり、本質的でそれに収まらないものを指します。
ここまではある程度理解しやすいと思いますが、訳者はさらに一歩踏み込みます。「形而上」という言葉には二つの意味があり、一つは「神的なもの」「霊的なもの」などの「超自然的なもの」。こういったテーマに取り組むことに興味をもっている人はたくさんいると思いますし、歴史的に「神」という存在は形而上学の第一の対象だったということも事実もありますが、残念ながらこうしたテーマは今回のテキストの対象外です。
そしてもう一つの「形而上」とは、「この世界に備わっていながら、われわれの経験的内容を超えた」ようなものです。たとえば、「物体」「性質」「変化」「原因」「時間」などです。これらは経験的世界の中に存在していますが、その本質そのものは経験可能なものではないように思われます。こうした対象について検討するのが、今回の授業の内容となります。
本書は全十章からなっております。前期授業では、第一章と第二章の途中までを扱い、後期授業では第二章の続きと第六章を扱う予定です。以下、各章の簡単な紹介をします。
第一章 机とは何か
机という個別的存在者について、それが何を含んでいるのかという問いを立てます。個別的存在者は、様々な性質を持っていますが、果たしてそれらの性質に組みつくされるのか、それらの性質には組みつくされない独自の存在であるのか。いくつかの立場を検討しながら理解を深めていきます。
第二章 円とは何か
第一章で扱った「性質」とは果たしてどのような存在であるのかを検討します。それは単なる名称に過ぎない(唯名論)のか、あるいはこの世界に内在する普遍的なものであるのか。
第六章 時間とは何か
時間とは、「現在」「過去」「未来」というそれぞれの性質を順にもっていくことが時間の経過であるのか、それとも時間とは「より先」「より後」という前後関係(先後関係)によって規定されるべきなのかという問題を扱います。
科目目的
哲学の中心問題である形而上学の入門書の読解を通じて、哲学的な問題に触れる訓練をします。その際、英語の文章そのものから理解を立ち上げていく力を養います。
到達目標
英語でかかれたテキストの訳読がこの教科の中心になって来るので、各学生が訳読を行い、解説をみて再検討することを通じて、テキストが正しく読み取れるようになることが一つの到達目標です。
他方で、筆者の文章を正しく理解し、各章の要点を押さえた説明ができるようになること、例えば、第一章では、性質と個別的な物体の関係について説明ができることなどです。
授業計画と内容
<前期>
第一回 前期イントロダクション
第二回 第一章 「机とは何か」イントロ
第三回 第一章 変われど変われど同じまま 基体説 内容
第四回 第一章 基体説 問題
第五回 第一章 性質の束説 内容
第六回 第一章 性質の束説 問題
第七回 第一章 うりふたつの双子 ふたご説
第八回 第一章 第一章まとめ
第九回 第一章 第一章発表
第十回 第二章 「円とは何か」イントロ
第十一回 第二章 ぐるぐると円を描く 円の持つ普遍的な特徴
第十二回 第二章 関係するいくつかの問題 円さの存在する場所
第十三回 第二章 プラトンの天上界
第十四回 第二章 イデア論
<後期>
第十五回 後期のイントロと前回の続き 無限後退
第十六回 第二章 言葉では何とでもいえる 唯名論
第十七回 第二章 トロープ説
第十八回 第二章 この世に戻る アリストテレス説
第十九回 第二章 第二章まとめ
第二十回 第六章 時間はどのように過ぎ去るのか イントロ
第二十一回 第六章 あとどれくらいで今になるのか
第二十二回 第六章 現在に勝るものはない 現在主義
第二十三回 第六章 過去化するということ
第二十四回 第六章 定刻より前か後か、それとも定刻ぴったりか 時間と前後
第二十五回 第六章 永久主義
第二十六回 第六章 第六章まとめ
第二十七章 後期授業まとめと発表
第二十八回 第六章 まとめと発表
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり1時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| レポート | 40 | 前期後期の最終授業の際に課題を提示します。評価基準は、課題に適切に答えられているかです。 |
| 平常点 | 60 | 授業の出席と、毎週出す課題の提出で一回分の成績を付けます。 |
成績評価の方法・基準(備考)
やむを得ない理由を除いて、9回以上休んだ場合は、単位を認定できません。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
中央大学通信教育インストラクターとして、古代哲学のレポート添削を行っている。
中央大学で「英語読解」の授業を行っている。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
もっぱらアリストテレスを中心とした古代哲学にかかわっているので、古代哲学にかかわる内容が多くなる傾向にあります。
テキスト・参考文献等
[テキスト]
Stephen Mumford, "Metaphysics A very short Introduction", Oxford, 2012.
テキストは、 初回授業時にコピーを配布します。初回授業に予習の必要はありません。
[参考文献]
秋葉剛史・北村直彰訳、スティーブン・マンフォード『哲学がわかる 形而上学』、岩波書店、2017。
この参考文献は、テキストの翻訳です。授業内で翻訳をそのまま読み上げることは厳禁とします。