シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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企業金融論 | 2025 | 秋学期複数 | 金5,金6 | 商学部 | 田中 賢治 | タナカ ケンジ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-FN3-13XL
履修条件・関連科目等
2019年度以前入学生対象のWeb登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
経済のグローバル化の進展やコーポレート・ガバナンス強化の潮流の中、今日の企業経営では、株主価値の最大化とともにグローバルな経営戦略やサステナビリティ経営などが求められており、財務面での役割が極めて重要になっている。この講義では、こうした企業経営における現実的な関心事に応えるために必要なコーポレートファイナンス(企業金融)の知識とスキルの修得を目標とする。
科目目的
【金融学科の受講生】
金融学科のカリキュラムでは、1年次配当のマネー&ファイナンス入門、2年次配当のファイナンス論、金融市場論、金融システム論の必修4科目があり、それら修得後の3年次以降の選択必修科目群の1としてコーポレートファイナンスは位置づけられる。コーポレートファイナンスは、特に、マネー&ファイナンス入門の企業金融に関する内容、ファイナンス論の証券の価格付けやモディリアーニ・ミラー命題に関する理論、金融市場論と金融システム論における証券市場と金融仲介機関の役割に関する内容の延長線上にある。
【金融学科以外の受講生】
コーポレートファイナンスの授業内容には、例えば、エイジェンシー問題やコーポレート・ガバナンスなど、経営学や会計学などの重要論点の基礎を提供するものが多く含まれている。加えて、この講義では、コーポレートファイナンスの理解に必要な最低限必要な知識を紹介しながら授業を進めていくので、金融学科以外の受講生も履修可能なように工夫されている。
到達目標
この科目では以下を到達目標とする。
(1)投資プロジェクトの価値や企業価値について正しく判断することができる。
(2)資本構成と企業価値との関係、ペイアウトと企業価値との関係について正しく理解し、説明することができる。
(3)現実に起こっているコーポレートファイナンスに関する出来事を理解し、説明することができる。
授業計画と内容
【イントロダクション】
第1回 講義の概要、事前準備(1):決算書の理解
第2回 事前準備(2):異時点のお金の価値と裁定取引
【基礎編】
第3回 リスク・リターンと資本コスト
第4回 ポートフォリオ理論とCAPM
第5回 企業の投資プロジェクト
第6回 企業の投資戦略
第7回 企業価値評価(バリュエーション)の基礎
第8回 デットとエクイティ
第9回 資本構成と企業価値
第10回 情報の非対称性とエージェンシー問題
第11回 企業価値評価の実践と検証
第12回 企業価値評価の演習
第13回 ペイアウトと現金保有
第14回 配当政策と自社株買い
第15回 基礎編の総括・まとめ・到達度確認
【応用編】
第16回 リアルオプションによる投資評価
第17回 M&A
第18回 クロスボーダー・バリュエーション
第19回 ベンチャービジネスと投資家
第20回 企業再生
第21回 契約の不完備性とプロジェクトファイナンス
第22回 設備投資と無形資産投資
第23回 日本企業の資金調達
第24回 サステナビリティ経営とコーポレートファイナンス
第25回 ESGへの取り組み(1):コーポレート・ガバナンスの新展開
第26回 ESGへの取り組み(2):地球環境問題への対応
第27回 ESGへの取り組み(3):ビジネスと社会
第28回 講義全体の総括・まとめ・到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 50 | 講義で学んだ内容を正しく理解し、実践的に活用できるかという観点で評価する。 |
期末試験(到達度確認) | 50 | 講義で学んだ内容を正しく理解し、実践的に活用できるかという観点で評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
日本政策投資銀行に約30年在籍し、ファイナンスの実務経験を有する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
実務経験を踏まえ、可能な限り現実の出来事を紹介することで、手触り感のあるコーポレートファイナンスを解説する。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
講師が作成した資料をPDFファイルで提供する。
【参考文献】
・リチャード・ブリ―リー,スチュワート・マイヤーズ,フランクリン・アレン「コーポレートファイナンス(第10版)上,下」日経BP社,2014年
・新井富雄,高橋文郎,芹田敏夫「コーポレート・ファイナンス-基礎と応用-」中央経済社,2016年
・砂川伸幸「コーポレート・ファイナンス入門(第2版)」日経文庫,2017年
その他特記事項
講師への連絡方法は1回目の授業で説明する。
授業の進捗と理解度などに対応して、授業内容と順番を変更する場合がある。
ソフトウエア:エクセル(授業の復習の際に用いる)