シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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課題演習Ⅰ | 2024 | 春学期 | 月5 | 商学部 | 榎本 俊一 | エノモト シュンイチ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-BS2-11XS
履修条件・関連科目等
貿易論の履修は役立ちますが、一つの産業・企業が経済環境の変化に対応して自己革新していくのかに関心がある方であれば十分理解できるよう配慮しますので、総合商社ビジネスを理解したいという熱意のある方であれば歓迎です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
サプライ・チェーン・マネジメント・カンパニーと自己規定する総合商社のビジネス・モデルを理解し、メーカー、IT企業等もサプライ・チェーン・マネジメントのアイデアを活用することで、新たなイノベーションやビジネスの創造を実現できるかをグループ研究等を通して学ぶ。
科目目的
この科目は、ベーシック演習Ⅰ・Ⅱで養成された基礎的な能力を、具体的なテーマに沿って応用・発展させることで、適応力・判断力・実践力を身につけ、他者と協働する能力を養うことを目的としています。
本科目は、ビジネスの目的を川下ユーザへの付加価値提供と捉え、川上と川下を結ぶサプライ・チェーン・マネジメントの観点からビジネスを如何に構築し革新するかを考える発想・姿勢を学生が習得することを目的としています。
到達目標
総合商社はサプライ・チェーン・マネジメント・カンパニーと自己規定し、川上の付加価値創造者と川下ユーを結ぶサプライ・チェーンのマネジメント(企画・形成・運営管理・成長発展)に純粋に特化した企業ですが、本科目では、履修生はまず総合商社のサプライ・チェーン・マネジメントを理解し、総合商社がサプライ・チェーンを俯瞰した上で、サプライ・チェーンの最適化を図っているかを理解します。その上で、履修生は、総合商社ビジネスのサプライ・チェーン・マネジメントのアイデアはメーカー、IT企業等でも有効であり、メーカー等は商品・サービスの開発生産に専心しているだけでなく、総合商社と同じくサプライ・チェーンを俯瞰して、川下の顧客が求める付加価値とは何か、サプライ・チェーンの在り方を最適化して、川下の顧客に付加価値をいかに効率的・効果的に届けるかを考えると、新たなイノベーションやビジネス創造を実現できるかを自ら分析できるようになることを目指します。
授業計画と内容
【課題演習Ⅰ】(2年次春学期)
総合商社はサプライ・チェーン・マネジメント・カンパニーと自己規定し、川上(生産供給者)と川下(ユーザ)を結ぶサプライ・チェーンを俯瞰して、サプライ・チェーンを企画・形成・運営管理・成長発展させるビジネスを展開しています。課題演習Ⅰでは、総合商社のビジネス・モデルを学び、1990~2000年代の資源バブルに支えられた成長と、2010年代以降の脱国内中心ビジネスとトランスナショナル企業化のプロセスで、如何にサプライ・チェーン・マネジメントを変革したきたかを学びます。
第1講 総合商社ビジネスとは何か: サプライ・チェーン・マネジメント・カンパニー
第2講 三菱商事Ⅰ ”Value Chain Design” 線的支配のサプライ・チェーン・マネジメント
第3講 三菱商事Ⅱ ”Value Chain Design”のケース・スタディ(LNGビジネス、鉄鋼ビジネス)
第4講 伊藤忠商事Ⅰ 点的支配のサプライ・チェーン・マネジメント
第5講 伊藤忠商事Ⅱ 点的支配のケース・スタディ(アパレル・ビジネス、食品ビジネス)
第6講 2000年代の資源バブルに支えられた企業成長、世界企業化の未達
第7講 2010年代以降の挑戦 資源バブルの崩壊と新たなトランスナショナル企業化に向けた模索
第8講 グローバル・サプライ・チェーン構築Ⅰ 三井物産のLNGビジネス
第9講 グローバル・サプライ・チェーン構築Ⅱ 三菱商事の金属ビジネス、世界本社の海外移転
第10講 グローバル・サプライ・チェーン構築Ⅲ 伊藤忠商事の中日タイ三者連合のアジア展開
第11講 国際経営組織の変革:グローバル・サプライ・チェーンに最適化できるか?
第12講 国際人的資源管理の変革:国内人材と海外人材の二重人的資源管理を打破できるか?
第13講 三菱商事の新たな模索:「事業経営モデル」は総合商社の「先祖返り」か
第14講 全体総括
【課題演習Ⅱ】(2年次秋学期)
総合商社はトレーディング・カンパニーであり、川上の生産供給者が産み出す付加価値を川下のユーザに届けるサプライ・チェーンを構築する、サプライ・チェーン・マネジメントに純粋に特化した企業です。しかし、メーカー、IT企業等も商品・サービスの開発生産に専心しているだけでなく、総合商社と同じくサプライ・チェーンを俯瞰して、川下の顧客が求める付加価値とは何か、サプライ・チェーンの在り方を最適化して、川下の顧客に付加価値を効率的・効果的に届けるかを考えると、新たなイノベーションやビジネスへの道が開けます。総合商社ビジネスから学んだ、サプライ・チェーン・マネジメントの観点からビジネスを考える姿勢を、具体的にビジネス理解に活かしてみましょう。
第15講 オリエンテーション
第16講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅰ
(テーマは当方より複数提示。各グループはテーマを選択しグループ研究に取り組み)
第17講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅱ
第18講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅲ
第19講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅳ
第20講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅴ
第21講 中間報告Ⅰ
第22講 中間報告Ⅱ
第23講 グループ論文制作Ⅰ
第24講 グループ論文制作Ⅱ
第25講 グループ論文制作Ⅲ
第26講 グループ論文制作Ⅳ
第27講 最終報告Ⅰ
第28講 最終報告Ⅱ
全体総括
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 50 | ・遅刻や欠席のないこと。 ・事前の予習を十分に行い、ゼミでの討論に積極的に参加できていること。 ・理由なく欠席した場合や一定回数以上の欠席は単位認定できません。 |
その他 | 50 | ・報告、プレゼンテーション等の内容 ・グループワーク等に積極的に取り組んでいること |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
特定のフィードバックは行いませんが、希望により実施します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
2019年度より大学教員に転じ、国際ビジネス、国際通商システム、デジタル・エコノミー等を講義担当していますが、教員に転ずる前の1990~2018年度は通商産業省・経済産業省において産業政策、通商政策を行政官として担当しており、貿易局及び貿易経済協力局には5年間所属し、総合商社ビジネスに関与してきました。教員転向後も、三井物産等で総合商社ビジネスに関する講演をさせていただいたり、総合商社各社の事業報告説明会や総合商社の実務家より構成される研究会に参加するなど、総合商社ビジネスに関する知見を更新・深化すべく努力しています。大学の講義は決して実務家の「経験談」ではありませんが、実地に見聞きし経験したことを活かした講義をしたいと考えます。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記のとおり。
テキスト・参考文献等
【テキスト】
榎本俊一「総合商社論 ~Value Chain上の事業革新と世界企業化」中央経済社 2012年11月
(ISBN: 4502464708 )
榎本俊一「2020年代の新総合商社論」中央経済社 2017年3月 ( ISBN: 4502212814 )
【参考文献】
三菱商事編「現代総合商社論 三菱商事・ビジネスの創造と革新」早稲田大学出版会 2011年5月
(ISBN: 4657110020)
その他特記事項
〔募集人数〕
15名程度
〔注意事項〕
無断欠席禁止。積極的に討論に参加し、発言する、意欲のある学生に受講してほしい。
[募集方法〕
〇志望動機(エントリー時にC plusで入力)
〇面接試験(対面での面接又はWebex等を使用したオンライン面接)
〔国外実態調査〕
実施しない。
〔ソフトウェア利用〕
特になし。