シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅱ | 2024 | 秋学期 | 月3 | 商学部 | 榎本 俊一 | エノモト シュンイチ | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-12XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
【テーマ】21世紀において企業は如何にサバイバルし成長するのか?
~グローバル化したデジタル・エコノミーを乗り越えて~
日本は20型世紀産業(自動車・電機、鉄鋼等)では高い国際競争力を誇りましたが、21世紀型産業(IT技術、インターネットを活用した経済活動)では苦戦しています。コロナ感染症対策において、患者のケア管理、感染発生・拡大の管理、ワクチン接種などで、日本がIT技術の活用で如何にアタフタしたかは皆さんも御覧になったことと思います。
「ものづくり大国」と自負しているうちに、日本は気付かないうちに出遅れてしまったのかもしれません。第4次産業革命、IoT革命など新時代の到来を告げる言葉がいろいろと飛び交っていますが、誰もがよく分かっているわけではなさそうです。
そこで、本演習では、日本だけでなく世界を対象として、「デジタルの波」が産業・社会をどのように変えようとしているのか、企業・ベンチャー等のプレイヤーが「五里霧中」状態の中で、新しい価値なり、道なりを如何に見つけようとしているのかを取り扱います。産業・社会の改革や企業のビジネス革新について、演習生がそれぞれ最も興味の持てるテーマを設定し、オリジナリティある研究発表と卒業論文の制作を行うことを目指します。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
到達目標
日本だけでなく世界を対象として、「デジタルの波」が産業・社会をどのように変えようとしているのか、企業・ベンチャー等のプレイヤーが「五里霧中」状態の中で、新しい価値なり、道なりを如何に見つけようとしているのかについて、演習生各自が企業ヒアリングを含め調査研究を行い、オリジナリティある研究発表と卒業論文の制作を行います。
授業計画と内容
【演習Ⅰ】(3年次春学期)
21世紀はデジタル・エコノミーの世紀ですが、デジタル・エコノミーの展開を通史的に追い、各時期のリーディング・カンパニーが如何なる企業戦略とビジネス・モデルを採用することで、如何にライバルを圧倒し、デジタル・エコノミーを推し進めたかを学習します。
第1講 オリエンテーション
第2講 グローバル資本主義とグローバル経営戦略
第3講 デジタル・エコノミー概論
第4講 コンピュータの歴史、IBMのコンピュータ事業と戦略、APPLE vs.IBM互換機
第5講 マイクロソフトとインテルの事業と戦略
第6講 シスコシステムズ等システム設備メーカーの事業と戦略
第7講 通信革命とインターネット、モバイル・ビジネス(Nokia)
第8講 プラットフォーマーⅠ:モバイル事業とインターネット・サービスの融合(Apple)
第9講 プラットフォーマーⅡ:Google、Facebookのインターネット・サービスと事業戦略
第10講 プラットフォーマーⅢ:Amazon、Netflixの事業と戦略
第11講 IoT革命(リアルとインターネットの融合による革新)
第12講 シェリング・エコノミー
第13講 CASE革命
第14講 総括
【演習Ⅱ】(3年次秋学期)
演習Ⅰではデジタル・エコノミーを牽引してきたグローバル・メガIT企業のビジネス・モデルと企業戦略を取り扱いますが、デジタル・エコノミーはリーディング・カンパニーだけが推し進めているわけではなく、非リーディング・カンパニーもライバルとの競争を勝ち抜くためビジネス・モデルを工夫し企業成長につなげようとしています。既に研究の進んだグローバル・メガ企業ではなく、これらの企業を対象として、現在進行形の企業戦略やビジネス・モデルの革新を調査研究しましょう。
第15講 オリエンテーション
第16講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅰ
(テーマは各グループが以下領域を選択し適宜決定)
・エネルギー・システム(電力系統のバーチャル化、スマート・グリッド)
・交通システム(自動走行、シェアリング、スマート・モビリティ社会)
・医療システム(AIの医療活用、医療データベースの社会共有、医療ビッグデータ活用)
・製造システム(スマート製造、個別工場・企業の枠を超えた社会全体のSmart Factory化)
・流通システム(小売の業態革新、小売業の生活インフラ化)
・物流システム(スマート物流、スマート倉庫、スマート・ロジスティックス)
・生活システム(高齢化社会と生活プラットフォーム)
第17講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅱ
第18講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅲ
第19講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅳ
第20講 研究テーマに基づくグループ・ワーク、プレゼンテーション準備Ⅴ
第21講 プレゼンテーションⅠ
第22講 プレゼンテーションⅡ
第23講 グループ論文制作Ⅰ
第24講 グループ論文制作Ⅱ
第25講 グループ論文制作Ⅲ
第26講 グループ論文制作Ⅳ
第27講 グループ論文の印刷・編集
第28講 総括
【演習Ⅲ】(4年次春学期)
前半、テキストの輪読を行うが、基本的に4年次は個人での研究論文の作成が中心であり、学年後半は多忙となる可能性があるため計画を立てて進めるようにしてください。
第1講 オリエンテーション
第2講 文献の輪読Ⅰ(テキストは3年次の後半に決定)
第3講 文献の輪読Ⅱ
第4講 文献の輪読Ⅲ
第5講 文献の輪読Ⅳ
第6講 文献の輪読Ⅴ
第7講 文献の輪読Ⅵ
第8講 文献の輪読Ⅶ
第9講 卒論研究計画発表Ⅰ
第10講 卒論研究計画発表Ⅱ
第11講 卒論研究計画発表Ⅲ
第12講 卒論研究計画発表Ⅳ
第13講 卒論研究計画発表Ⅴ
第14講 総括
【演習Ⅳ】(4年次秋学期)
第15講 オリエンテーション
第16講 個人研究のプレゼンテーションⅠ
第17講 個人研究のプレゼンテーションⅡ
第18講 個人研究のプレゼンテーションⅢ
第19講 個人研究のプレゼンテーションⅣ
第20講 作業経過報告及び論文制作作業Ⅰ
第21講 作業経過報告及び論文制作作業Ⅱ
第22講 作業経過報告及び論文制作作業Ⅲ
第23講 作業経過報告及び論文制作作業Ⅳ
第24講 初稿完成
第25講 演習生間で論文を読み合い初稿を推敲Ⅰ
第26講 演習生間で論文を読み合い初稿を推敲Ⅱ
第27講 グループ論文の印刷・編集
第28講 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
基本的に週一回の授業であるものの、グループ・ワーク等は進捗状況により講義時間外に各自作業していただくことが想定され、夏季・冬季・春季の休暇中に演習生各自が調査研究することも必要です。いささか背伸びになるかもしれませんが、IT産業を始めとする国際見本市・シンポジウムなどに参加し知見を拡げるとともに、ヒアリング調査の能力・ノウハウを習得するため、(コロナ感染症の状況にもよりますが)企業訪問を行いインタビュー調査を行います。また、夏季休暇中に夏合宿を実施しますが、全員参加で演習生主体の企画運営をお願いします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 50 | ・遅刻や欠席のないこと ・事前の予習を十分に行い、ゼミでの討論に積極的に参加できていること ・理由なく欠席した場合や一定回数以上の欠席は単位認定できません。 |
その他 | 50 | ・報告、プレゼンテーション等の内容 ・グループワーク等に積極的に取り組んでいること |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
2019年度以降、大学教員に転じて国際ビジネス、国際通商システム、デジタル・エコノミー等を担当するまで、1990~2018年度の約30年間、通商産業省・経済産業省において、行政官として産業政策、通商政策に取り組んできました。
グローバル化に関しては、1980年代央以降の日本メーカーが持続的円高によるコスト競争力の喪失に対応して国内集約生産を放棄しグローバル生産に転換し、2000年以降、それが工程間国際分業、国際水平分業と展開する過程で、日本メーカーの方々と如何にグローバル化した生産システムの高効率性を維持するかを議論し、現場を見つつ政策支援してきました。
デジタル化に関しても、マイクロソフト、インテル等を始めとしたIT企業の国際標準化を活用した市場戦略に対応しての日本企業の国際標準活動へのサポート、規制緩和・外資参入等によるインターネット関連サービスの成長促進、製造・物流・小売・サービス企業のITシステム・技術を活用した新規事業・サービスの創造に対する支援に取り組むとともに、IoT革命に対応してSmart Factoryビジネスの立上げに関与してきました。
過去30年間の日本企業の取組を踏まえた講義を行いたいと考えています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記のとおり。
テキスト・参考文献等
演習の進行に応じてレジメ等を配布するとともに、適宜、参考文献を指示します。
その他特記事項
ソフトウェアの利用なし。