シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊講義(食品産業の現在とこれから) | 2024 | 春学期 | 火3 | 商学部 | 木立 真直、北濱 利弘 | キダチ マナオ、キタハマ トシヒロ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-MK3-33XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
2018年の経産省「工業統計」によれば、食料品製造業出荷額は、39兆円で、製造業全体の12%を占め、就業者数も124万人で、製造業の16%を占める。また、21年卒の学生の「人気企業ランキング」(楽天;N=3,442名)によると、人気企業ベスト10に、味の素、サントリー、アサヒビールの3社が入り、業種別で最も高い人気を誇っている。生活インフラとして重要であり、規模も大きく、学生の人気の高い食品産業について、メーカー、卸での幅広い実務経験と、人的ネットワークを活かし、実務的で学生の興味に応える授業で、業界知識、マーケティングの知識深め、就活にも貢献できる講義とする。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の商学部アドヴァンスト科目として位置付けられていることから、
この科目での学習を通じて、学生が流通・マーケティングに対する認識を深めるとともに、製造業から卸売業、小売業、外食業などの食品関連企業の戦略に関する基礎的な知識を習得することを目的とする。
食品産業は、すでに講義概要に述べたように、例えば食料品製造業出荷額で39兆円、製造業全体の12%を占め、就業者数も124万人、製造業の16%のシェアを占める。学生の「人気企業ランキング」最も高い人気を誇っている。食品産業は、大学生にとって関心の高い業界であると同時に、生活インフラとして重要であることはいうまでもない。こうした食品産業について、流通論やマーケティング論の知識を前提に、実務家の視点から業界の動向、戦略、今後の展望について身に就けることを具体的な目的とする。
到達目標
食品産業を対象に、流通論やマーケティング論などの知識を前提にしつつ、企業の戦略の実際を詳細に学びつつ、食品メーカー、卸売、小売などの企業のこれからの戦略、例えばCSVやサスティナビリティ、社会貢献などの視点から21世紀にはいかなる戦略が求められているのかを自ら構想し、提起する能力を身に就けることを到達目標とする。
授業計画と内容
【第1回】食品産業とは?:先ず、特殊講義「食品産業の現在とこれから」の講義内容について、簡単に紹介します。次に「食品産業とは?」について講義します。導入として「スーパーの店頭で何が起きているか?」をリアルに紹介します。
【第2回】食品産業の歴史:生活に密着した食品産業は、経済の発展、人々の生活レベルの向上とライフスタイル、価値観の変化、さらには製造技術、物流網や、販売チャネルの発展史抜きには語れません。本講座のテーマである「食品産業の現在とこれから」を論ずるにあたり、明治大正期から、昭和、平成、令和に至る食品産業の歩みを振り返ります。
【第3回】総務省「家計調査」に見る食品消費の変遷:前回までの「食品産業の歴史」を受け、消費者生活者サイドの食品消費の歴史的変遷を、総務省「家計調査」データの詳細な分析で明らかにし、食品消費の実態を、長期時系列でとらえ、「食品産業の歴史」と併せ考察します。
【第4回】食品産業におけるマーケティングマネジメントの理念の発展 1.0から5.0へ:前回授業で見た「食品産業の歴史」を受け、その発展過程が、いわゆる「マーケティングマネジメント」理念の変遷とどうリンクするかを明らかにし、デジタル時代の食品産業を考察します。
【第5回】リテール4.0と食品産業:消費者と商品の接点である「食品小売業」の歴史を、
社会の発展段階にリンクした「リテール1.0 ~ リテール4.0」への進化の過程を辿りつつ考察します。
【第6回】マーケティングの基本プロセス:「マクロ環境分析」+「ミクロ環境分析」→ 「SWOT分析」→「STP」→「マーケティングミックス」→「PDCプロセス」の実行に至る、食品マーケティングの基本プロセスを、実例を用いて論じます。
【第7回】商品開発 :食品メーカーにおける商品開発のプロセスを、味の素、キッコーマン等の事例から紹介します。
【第8回】「知覚因子」と「選好因子」:売り場における、生活者の商品選択のプロセスを、心理学の視点から、構造的に把握します。
【第9回】食品マーケティングに必要な「生活者調査」:食品マーケティングの展開に必須の「生活者調査」について
「定性調査」(インタビュー調査、行動観察調査など)、
「定量調査」(アンケート調査、多変量解析を用いたレポーティング)
について、実際の実践事例を紹介します。
【第10回】テクノロジーの進化と食品マーケティング:生成AI、メタバース、RPA、
ブロックチェーン、5G など日々進化する最新テクノロジーと食品マーケティングについて考えます。。
【第11回】働き方の変化と食品産業:「人生100年時代」を迎え、働き方や、企業と個人の関係性が大きく変化する中、「人生100年時代」を生きる皆さんと、これからの食品産業での働き方を考えます。併せて、食品産業が求めるこれからの人材像について考えます。
【第12回】中間流通(食料品卸)の機能、役割と新たな挑戦:メーカーと小売業の間に立ち、物流、保管、金融、販売促進など、多様な機能を果たす中間流通(食料品卸)の機能、役割を紹介し、新たな役割と目指すべき将来像について、三菱食品の現役社員をゲストに迎え考えます。
【第13回】食品メーカーの海外進出:人口減少、少子高齢化が進む日本市場のみでは生き残りが困難となっている大手食品メーカーの、海外進出戦略を、味の素、キッコーマンを事例に考えます。
【第14回】総括~消費者生活者の心理構造と食の8大ニーズ~:これまでの講義を振り返り、最後に、食品産業の最終顧客である生活者が、食品を購買する時の心理構造と、現代食生活の8つのニーズについて考えます。さらにコロナ禍が、生活者と食品産業に及ぼした影響を考え、そこから「食品産業のこれから」を考察し、総括とします。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 授業の内容を踏まえつつ、ある程度の分析がなされ、オリジナリティ溢れる提案がなされているかどうか。 |
平常点 | 20 | 学生として、学ぶ姿勢で講義に臨んでいるかどうか。社会人基礎力も問われる。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
味の素、三菱食品での勤務。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
企業の具体的な戦略を紹介しながら、企業の戦略課題などを学生が考える授業としたい。
テキスト・参考文献等
レジュメの配布を基本とする。
その他特記事項
ソフトウエアの使用なし