シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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宗教学 | 2024 | 後期 | 金4 | 国際情報学部 | 保坂 俊司 | ホサカ シュンジ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-VP1-GL04
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
国際社会を理解するための宗教の基礎知識
いわゆる宗教は、古来人間社会の形成に大きな役割を果たしてきた。つまり宗教は、文化、文明のプロットタイプとして機能してきたのである。
本講座はこの宗教の歴史的役割を、各宗教の教理が、どのように文明形成に生かされてきたかを、各宗教の教理・文化を具体的に検討する。特に、ユダヤ・キリスト・イスラムの各宗教理解は、現代文明に大きな意味を持っており、その理解は不可欠である。同時に日本社会と宗教の関係を知ることは、国際人として不可欠な知識である。グローバル時代において世界で活躍できる人材に不可欠な知識として、宗教の重要性は論を待たないが、一般に日本人の宗教への関心は低く、またその理解は乏しい。本講座では、真にグローバル人材として高度情報化社会における優れた人材の基本知識として、宗教の基礎知識が身につく授業としたい。
科目目的
高度情報化時代を理解するための基本知識として、主要宗教の教理や文化の基礎的な知識の習得し、流動化する世界の変化を包括的に理解できる知識の習得を目指す。
先ず、グローバル時代の世界を理解するための基礎的な心構え、さらにはその根底にある宗教の存在の文明的な位置づけや、役割を理解する。その上で、各宗教の教理やその基本構造を理解すること。更に、各宗教の基礎的な教えと文化の総合的な知識の習得を目指し、国際社会において優れたリーダーシップを発揮できる高度な教養としての流況知識を身につけることを目指す。
一方、日本文明における宗教の役割を正しく理解し、これを世界に説明できる知識を持つことを目指す。限られた時間であり、映像資料などを多用しつつ講義を行う。
到達目標
AI社会においうて宗教理解の重要性を理解し、活動できる知性を身につける。なぜなら、宗教は全ての地域、時代において人間の文化、社会の基礎である。この点をしっかり理解することが重要。
授業計画と内容
第1回 : 宗教と情報・・・宗教と情報の関係に関して
文明情報のテキストとしての宗教〔聖典〕の意義
第2回 : 宗教と文明・・・文明のプロトタイプとしての宗教の役割を検討
文明の形成、維持、発展と宗教の関係をテキストや儀礼などの情報の伝達という視点から理解。
第3回 : 現代社会を理解するための基礎(1)・・・ユダヤ教と現代文明
ユダヤ教徒のネットワークは、どのように形成され、またその教えがどのように他の宗教に受け継がれているか。特にユダヤ教徒の世界ネットワークの形成に関して、教理的、歴史的に検討する。
第4回 : 同 (2)・・キリスト教と西洋文明の関係
キリスト教文明の形成に関して、ギリシャ・ローマ、ペルシャ、インドなどの文明の要素がどのように伝達され、また融合しキリスト教の文明を形成したかを検討する。
第5回 : 同 (3)・・キリスト教と近代文明の関係
近代西洋文明の原型としてのプロテスタントの教えに関して、その革新性 関して明らかにする。また、この革新的な教理と現在の文明が関わっているかに関しても政治体制、経済体制、文化様式等個々の要素を随時検討してゆく。
第6回 : 同 (4)・・イスラム教と文明
文明の融合文明としてのイスラム文明形成とその世界への展開に関して、既存の宗教文明がどのようにイスラム化し、また展開してゆくかに関して、歴史的に検討する。特に、イスラムの拡大とその宗教文明の展開を、イスラム文化情報の拡散という視点から検討する。
第7回 : 同 (5)・・現代問題とイスラム教
現代文明の挑戦者としてのイスラム文明の拡大と21世紀
現在社会におけるイスラムを巡る問題に関して、総合的に検討する。特に、近代西洋キリスト教文明への挑戦者としてのイスラム文明の新たなる展開に関して、多面的に検討する。その際、イスラムの純化を目指す所謂原理主義の情報が如何に拡散してゆくかに関して事例を交えて検討する。
第8回 : 同 (6)・・ヒンドゥー教とインド社会
多元的な思考経路とその宗教社会の特徴
インダス文明来、独自の宗教観を展開するインド社会を支えるヒンドゥー教に関して、その精神史を鳥瞰するとともに、特に、インド思想が主張する非暴力、寛容思想の世界への展開を具達的な事例を挙げつつ検討する。
第9回 : 同 (7)・・仏教とインド社会の改革
仏教という新しい宗教とその意義
インド宗教の一つである仏教の発生の背景やその教理の特徴に関して、基本的な事項を検討する。特に、仏教の変容に関して、他宗教、文明との融合の歴史に関して、歴史的変遷を鳥瞰しつつ検討する。
第10回: 同 (8)・・仏教と仏教文明の伝播
仏教の世界への伝播とその変容、および地域社会への定着。
仏教がユウラシア全土に如何に伝達したかを、仏教情報の発信と定着という視点から、西・中央・南・東・東南アジアの各事例を示しつつ検討する。
第11回: 同 (9)・・日本文明と神・儒教・仏教
日本においてアニミズムとシャーマニズムと仏教の融合が如何なる文明を
作ったか
日本における宗教の変容を、仏教、儒教、キリスト教の伝播という歴史的な事例を具体的に検討しつつ、検討する。特に、仏教の伝播定着、変容のダイナミズムを情報伝達と定着という視点から検討する。
第12回: 同 (10)・・儒教と中国文明
中国社会における宗教と国家権力の関係
中国における宗教と権力の関係を歴史的に鳥瞰しつつ、その思想的な展開を、人物を中心に検討する。また、儒教の伝播に関して、朝鮮、日本への影響も検討する。
第13回: 同 (11)・・現代社会と宗教の関係
21世紀の国際社会と宗教の役割
冷戦後の新たな国際社会の動力因となった宗教の位置づけを中心に、これからの国際社会理解のための宗教の重要性に関して、鳥瞰する。
第14回: まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
発表およびレポート作成のための準備・調査等
国際情勢の変化を宗教的視点から検討する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 期末レポート |
レポート | 30 | 授業内の小レポート(不定期) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
特に無し
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
保坂俊司『グローバル時代の宗教と情報』北樹出版
【参考文献】
サミュエルハンチントン『文明の衝突』集英社出版
その他特記事項
毎日できるだけ新聞を読むこと。
参考URL
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