シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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経済発展論Ⅱ | 2024 | 後期 | 水5 | 経済学研究科博士課程前期課程 | 林 光洋 | ハヤシ ミツヒロ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EG-ID5-104L
履修条件・関連科目等
開発経済学、途上国の経済/社会の開発・発展、国際協力等の分野に興味・関心をもち、毎回の授業に積極的に参加してくれる大学院の学生を歓迎します。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
必要に応じて、英語の文献・資料も利用します。
授業の概要
テキスト・参考文献等の欄に記載したアジアの経済発展に関するテキストを使用しながら、同地域の開発パフォーマンスや開発戦略・政策を観察し、アジア諸国間で共通する部分および異なる部分を描き出して、アジアの経済発展モデルについて検討します。テキストを輪読するとともに、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)等のオンライン・データベースを使用して、自らの手でデータを分析する機会も設けます。学期末には、期末課題レポートを作成・発表・提出してもらう予定です。
科目目的
この科目の学習を通じて、大学院で求められる水準の開発経済学の知識とスキルを習得することを目的としています。
到達目標
開発経済学の基本的な枠組みを整理・理解して、開発経済学あるいは関連する分野で、研究論文を読んだり、執筆したりすることを含む学術的な調査・研究を実施する際に必要な理論面および分析面の基礎的な考え方やツールを身につけることを目指します。
授業計画と内容
第1回 はじめに(1):授業の目的、計画、進め方
第2回 はじめに(2):アジア経済発展の概要、オンライン・データベース利用によるアジア途上国の経済分析(実習)
第3回 アジアの開発経験とは(1):成長・開発の共通要因
第4回 アジアの開発経験とは(2):雁行形態型発展モデル
第5回 アジアの開発経験とは(3):国家の役割
第6回 アジアにおける持続的成長:環境とTFP
第7回 期末課題レポートの指示・説明
第8回 アジアにおけるICTの役割
第9回 アジアにおける貧困と格差
第10回 アジアにおける貧困、分配、成長の関連性
第11回 アジアにおける金融部門の発展
第12回 アジアにおける地域協力
第13回 総括:アジアの開発経験の含意
第14回 期末課題レポートの発表(プレゼンテーション)
なお、履修者の人数・希望やその他の事情により、授業スケジュールや内容が変更されることもあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・授業時間外でコンタクトする必要がある場合、電話、メール等(初回授業で電話番号およびメールアドレスの情報を提供)で事前にアポイントメントをとってもらうと確実です。
・輪読担当者には担当箇所のレジュメを作成・報告してもらいますが、担当者以外もテキストを読んでから毎回の授業に参加し、授業中に必ず発言(質問、コメント、追加情報の提供等)するようにしてください。また、期末の課題レポート作成にしっかり取り組んでください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | ・期末課題レポート |
平常点 | 60 | ・輪読時のレジュメ、報告、議論・討論、授業への貢献度 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業への毎回の出席が評価の前提条件です。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
最終回の授業で期末課題レポートのドラフト版を報告してもらう際、口頭で助言・コメントをします。また、リクエストがあれば、レポートの評価を終えた後、口頭あるいはメール等でコメントします。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
・輪読の際、複数人の報告者はレジュメを分担して作成し、授業で協力して報告(プレゼンテーション)を行ない、報告者以外のメンバーも必ず発言(質問、コメント、追加情報の提供等)し、その発言をベースにして履修者全員で積極的に討論してもらいます。
・最終回の授業では、期末課題レポートのドラフト版を報告(プレゼンテーション)してもらいます。
・実習を通じて、オンライン・データベースの使い方を習得してもらう予定です。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・オンライン・データベースの使用方法について実習を行なう予定です。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
詳しくは、下記URLを参照してください。
https://c-research.chuo-u.ac.jp/html/100002978_ja.html
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
途上国の開発現場、国際協力の現場で学んだことや経験したことを、授業の関連する場面で紹介します。
テキスト・参考文献等
【テキスト】(履修者の人数、希望等によって変更する可能性もあります。)
Naya, S., 2003, The Asian Development Experience: Overcoming Crisis and Adjusting to Change, Manila: Asian Development Bank(林光洋他訳、2013年、『アジア開発経済論:持続的成長、貧困削減、危機克服の経験』、文眞堂).
【参考文献】
Gill, I. and H. Kharas; with D. Bhattasali et al., 2007, An East Asian Renaissance: Ideas for Economic Growth, Washington DC: World Bank.
Ohkawa, K. and H. Kohama, 1989, Lectures on Developing Economies: Japan’s Experience and Its Relevance, Tokyo: University of Tokyo Press(大川一司、小浜裕久、1993年『経済発展論:日本の経験と発展途上国』、東洋経済新報社).
Perkins, D. H., 2013, East Asian Development: Foundations and Strategies, Cambridge, MA: Harvard University Press.
Silber, J. and G. Wan (eds.), 2016, The Asian 'Poverty Miracle': Impressive Accomplishments or Incomplete Achievements?, Massachusetts: Edward Elgar Publishing.
Wade, R., 1990, Governing the Market: Economic Theory and the Role of Government in East Asian Industrialization, Princeton, N.J.: Princeton University Press(長尾伸一他訳、2000年、『東アジア資本主義の政治経済学:輸出立国と市場誘動政策』、同文舘).
World Bank, 1993, The East Asian Miracle: Economic Growth and Public Policy, New York, Oxford University Press(白鳥正喜監訳、1994年、『東アジアの奇跡:経済成長と政府の役割』、東洋経済新報社).