シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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上代文学B | 2025 | 後期 | 木1 | 文学部 | 小村 宏史 | オムラ ヒロシ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL1-A204
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
『古事記』(712年成立)という文献は、上巻(序文を含む)・中巻・下巻という三巻で構成されています。この授業では、そのうちの上巻を中心に講読します。
さて『古事記』というと、いわゆる「日本神話」の記された文献という印象をもっている人が多いと思います。しかし、いざ「神話」とはなにか?と問われると、明確に答えにくいという人も多いのではないでしょうか。この講義では、「神話」の定義とはなにか、『古事記』の記事は本当に「神話」と呼べるものなのか、という問い直しから始めます。その上で、7-8世紀の大和王権をとりまく時代背景にも目を向けながら、『古事記』がなぜ「神話」を用いて国家統治の成り立ちを説いているのか、「神話」と権力との関係を見極めていきます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の専攻科目群として位置づけられていることから、専攻における知識の一つとして、古典におけるその背景を理解した作品研究を目的とする。
到達目標
*『古事記』の成立経緯の要点および文献としての特徴を、時代背景、同時代文献との比較をふまえ説明できる。
*『古事記』上巻の主題と構想を視野に、先行研究をふまえて自身の文脈解釈を客観的・論理的に述べることができる。
授業計画と内容
1 ガイダンス
2 『古事記』成立について/上代特殊仮名遣い/関連文献について:『日本書紀』、各国「風土記」
3 講読 天地初発:別天神五柱・神世七代・二神の結婚・国土の修理固成
4 講読 イザナキ・イザナミの神話:黄泉国訪問
5 講読 ミソギと三貴子誕生・三貴子分治・スサノヲの昇天
6 講読 ウケヒ神話・スサノヲの勝佐備
7 講読 天石屋戸神話・スサノヲへの祓
8 講読 ヲロチ退治神話
9 講読 オホナムチの神話:イナバノシロウサギ・根之堅州国訪問
10 講読 オホナムチの神話:ヌナカハヒメ求婚・スセリビメの嫉妬
11 講読 オホナムチの神話:国譲り
12 講読 天孫ホノニニギの神話
13 講読 海幸山幸の神話から初代天皇へ
14 学修の総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 『古事記』における神話的言説の意義について、授業内容や先行研究をふまえたうえで、『古事記』自体の主題と構想を視野に入れ、自身の見解を論理的に説明することができるかどうかを評価基準とする。 |
平常点 | 30 | 毎回授業後に提出してもらうコメントシートが対象。授業内容への関心度、理解度、発展的な学修意欲、問題意識を評価基準として判断する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
本講座の講読テキストとして下記のものを購入してください。また授業内に適宜ハンドアウト資料・ワークシートを配付します。
◯倉野憲司校注『古事記(岩波文庫)』岩波書店