シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ドイツ社会誌演習(2)(4)/ドイツ社会誌演習(2) | 2025 | 後期 | 金2 | 文学部 | 磯部 裕幸 | イソベ ヒロユキ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DT2-C864,LE-DT2-C866
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業テーマ:「『戦争責任』とは何か?―戦後ドイツの議論から」
本授業では、戦後ドイツにおける「ナチズムの過去との取り組み」を扱った文献を読み進めながら、(西)ドイツがナチズムや第二次世界大戦の過去に対していかなる「責任」を引き受け、あるいは引き受けようとしていたのかについて考える。第二次世界大戦の敗戦国として、そしてヨーロッパを恐怖と混乱の渦に巻き込んだナチ体制を生み出した国として、戦後のドイツは過去に対する真摯な反省を「国是」としてきた。しかし多くの先行研究が示す通り、その歩みは決して平坦なものではなく、多くのドイツ人の「反発」と「居直り」を常に伴っていた。
本授業では、そうした「過去」に対する様々な感情、あるいはそこにある政治的力学の諸相をまず確認し、それでもなお、その「克服」を目指した戦後ドイツの歩みを概観する。そして、ドイツ(人)の「罪過」について論じたものとして有名なヤスパースの『われわれの戦争責任について』を読み、具体的にどのようなことが「罪」とされたのかについて検討していきたい。こうした考察を通じて得られる知見は、同じ第二次世界大戦の敗戦国であり、折に触れてその過去にまつわる問題が指摘されてきた日本の戦後史を考える上でも、有益なものとなるだろう。
使用教科書
【文献A】ヴォルフガング・ヴィッパーマン(増谷英樹監訳)『ドイツ戦争責任論争―ドイツ「再」統一とナチズムの「過去」』(未来社・1999年)(ISBN: 978-4624111755)
【文献B】カール・ヤスパース(橋本文夫訳)『われわれの戦争責任について』(ちくま学芸文庫・2015年)(ISBN: 978-4480096692)
科目目的
(1)ドイツにおけるナチズムの「過去」との取り組みについて概観しながら、戦後ドイツ史の基本的な事項を修得する
(2)ドイツ近現代史やヨーロッパ史、世界史に関する基本的な知識を獲得する
(3)特にドイツにおいて、ナチズムがどのように論じられてきたのかを学ぶ
到達目標
(1)ナチズムと「過去の克服」に関する歴史を学ぶことで、ドイツの近現代史の理解につなげる
(2)現代世界における「歴史の集団的責任」とは何かを学ぶ。
授業計画と内容
授業予定(変更の場合あり)
第1回 導入(1):戦後(西)ドイツにおける「歴史論争」の諸相
第2回 「日本語版への序文」/「序章『要するにひどい本』をめぐって、なぜ大騒ぎになったのか?」(文献A:5-25頁)
第3回 「第1章『全体主義的な独裁制』か?」(文献A:26-63頁)
第4回 「第2章『悲劇的な中間位置』か?」(文献A:64-103頁)
第5回 「第3章『強いられた戦争』か?」(文献A:104-136頁)
第6回 「第4章『よい面もあったのでは』?」(文献A:137-165頁)
第7回「第5章『ユダヤ人死刑執行人』?」(文献A:166-206頁)
第8回 「終章『だれの責任』なのか?」/「解説」(文献A:207-214/230-243頁)
第9回「ドイツにおける精神的状況における講義の序説」(文献B:11-45頁)
第10回「罪の問題」(文献B:49-78頁)
第11回 「ドイツ人としての問題」①序説(文献B:79-122頁)
第12回 「ドイツ人としての問題」②形而上的な罪(文献B:122-168頁)
第13回 「ドイツ人としての問題」③万人の罪か(文献B:168-202頁)
第14回 「ドイツ人としての問題」④清めの道/「1962年のあとがき」/「訳者あとがき」/「解説」(文献B:202-243)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 70 | 授業への出席と積極的な参加が条件。また毎回担当者を決め、講読箇所の内容を端的にまとめたレジュメを提出してもらうので、その準備も忘れないこと。 |
その他 | 30 | 学期末課題(レポート)を課すので、必ずmanabaの情報をチェックし期限内に提出すること。 レポートの内容や体裁、提出方法等詳細は追って連絡する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
原則として4回以上無断欠席を繰り返した者、授業中私語等でで他人の学修環境を著しく悪化させた者に対しては単位が認められないので、充分注意すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
【文献A】各自で準備すること!
・ヴォルフガング・ヴィッパーマン(増谷英樹監訳)『ドイツ戦争責任論争―ドイツ「再」統一とナチズムの「過去」』(未来社・1999年)(ISBN: 978-4624111755)
【文献B】各自で準備すること!
・カール・ヤスパース(橋本文夫訳)『われわれの戦争責任について』(ちくま学芸文庫・2015年)
(ISBN: 978-4480096692)