シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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社会学プロジェクト演習 ⅢⅣ/社会学演習(2)(5) | 2025 | 通年 | 水2 | 文学部 | 鈴木 恭子 | スズキ キョウコ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-SC3-K120,LE-SC4-K121
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
アカデミックな「知」を扱うためには、読むにも、書くにも、喋るのにも、それにふさわしい「技法」が必要です。その「技法」は社会学に限られたものではなく、他の多くの学問分野にも共通し、また社会に出てからの仕事において広く求められるスキルにもつながります。この演習では、そうした「知の技法」を学び、自らがアカデミックな情報を生産できるようになることを目指します。
本科目は、大きく2本立てで構成されます。ひとつは、社会科学におけるリサーチの進め方と基本的な手法を解説した書籍を読んで学びます。もうひとつは、それらのリサーチ技法が社会学の研究でどのように用いられるかを、学術書・論文を題材に読み解きます。参加者はテキストを分担して発表します(ターム中に1~2回発表)。プレゼンテーションやディスカッションの技法も意識して、毎回の発表や議論のなかで活かしてみましょう。
科目目的
本演習では、社会科学におけるリサーチ手法の基礎を本で学んだうえで、実際の学術論文を読んだり書いたりする実践を通じて、リサーチに必要なスキルを高め理解を深めることを目的とします。具体的には、論文の内容を的確に理解する力、論理を批判的に評価する力を養うとともに、良い発表や討議をおこなうための技法の習得を目指します。「読む」「書く」「議論する」「プレゼンする」という技能を学習する機会を積極的に組み込んで授業を展開します。
到達目標
以下を本演習の到達目標とします。
・リサーチ・クエスチョン、仮説とはなにかを説明できる。
・仮説検証の基本的な手法について理解し、論文の妥当性を評価できる。
・プレゼンテーション・ディスカッションの技法を理解し、みずから実践することができる。
受講生は2年次までに学んできた社会学の基礎力の上に、自らのリサーチを行うためのより実践的なスキルの獲得を目指します。これによって、4年次で学修の集大成としての卒業論文に取り組むための力を養います。
授業計画と内容
以下の流れで進めます。受講生の希望に応じて内容を調整します。
1)イントロダクション
演習の進め方・スケジュールの説明:リサーチ技法を学ぶ意義、概要について
発表・司会分担を決める、プレゼンテーション・スキルについて
2)論文とは何か
論文の目的
論文のフォーマット、分野による論文の違い
3)★論文購読
4)リサーチ・クエスチョンとはなにか
主題と対象
問いとはなにか、どのような種類があり、良い問いとはなにか
ディスカッション・ファシリテーション・スキルについて
5)★論文購読
6)仮説を立てる
仮説とはなにか、どうやって立てるか、因果関係とはなにか、操作化とはなにか
7)★論文購読
8)先行研究の調査
なぜ必要なのか、どのように進めるか
文献リサーチ、資料・データの収集
9)★論文購読
10)先行研究をどのように仮説につなげるか
ギャップをどう扱うか?
11)★論文購読
12)仮説を検証する
仮説検証の主な手法、強みや制約、問いとの関連
13)★論文購読
14)研究計画書
何を書くか
夏季休暇: 合宿を予定(近場で1~2泊予定)
研究計画書の発表
15)分析方法の検討:認識論と方法論
質的調査と量的調査
16)★論文購読
17)分析に使うデータを見つける
データのダウンロード・アーカイブの使い方
18)★論文購読
19)日本語について考える
論理的とはどういうことか
20)★論文購読
21)論文を書くということについて
アカデミック・ライティングの技法
22)★論文購読
23)論文執筆のルール
要約、注釈、参照、参考文献リスト
スタイルについて
24)★論文購読
25)研究成果を発表する、発信する
効果的なプレゼンテーション
26)★TEDプレゼン視聴
27)論文を評価する、コメントする
論文の評価基準、審査のポイント
28)★論文購読
春期休暇:ゼミ論文集の作成(応相談)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・毎週、リーディングの課題があります。ゼミでの議論に備えて、事前に読んでから出席して下さい。
・授業終了後に、簡単なコメントシートを提出してもらいます。
・ターム中に最低1~2回、課題文献を要約したプレゼンテーションをしてもらうので、担当回の前にはプレゼンの準備が必要になります。基本的に個人で行うことを想定していますが、希望があれば複数人数での実施も可能です(個人につき1~2回のノルマなので、複数人で行う場合は複数回担当して下さい)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 20 | 前期プレゼンテーション |
期末試験(到達度確認) | 20 | 後期プレゼンテーション |
レポート | 30 | 1年間の学習の成果として、学期の終わりに、自分の問題関心に基づいて分析を行ったレポートを提出してもらいます。 |
平常点 | 30 | コメントシート、ディスカッションへの参加、研究計画書の発表など。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
・文献要約プレゼンテーションについては、授業時間内にコメント・フィードバックを行います。
・研究計画書やレポートに対しては、授業時間内+必要に応じてmanabaなどを通じてフィードバックを行います。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
1年間かけて、受講生自らが問いを設定してレポートを執筆するというプロジェクトであり、その点において課題解決型授業です。
毎回、受講生によるプレゼンテーションを取り入れ、皆さんの積極的なディスカッションを期待します。
プレゼンテーション・研究計画書・レポート執筆は個人で行います。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manaba掲示板などを用いた情報共有を行います。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当教員は、民間企業・公的機関において、量的・質的調査にもとづく報告書執筆や、コンサルティングプロジェクトの経験が豊富です。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
教員の経験に基づいて、研究の進め方やアウトプットの取りまとめに際してアドバイスを行い、受講生の主体的な学びを支援します。
テキスト・参考文献等
テキスト・参考文献については、適宜、授業の中で指示します。
購読する論文については、受講生のニーズや要望を踏まえて決定します。