シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 短期】商法(手形・小切手法) | 2024 | その他 | 在学生サイトの各スクーリングのページをご確認ください。 | 通信教育課程 | 小宮 靖毅 | 3・4年次配当 |
科目ナンバー
JD-SO3-204L
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
手形や小切手の制度を説明します。なかでも「約束手形」という手形がよく利用されているの
で、これを中心に時間を費やします。
約束手形は「紙片」です。
約束手形は、日本では、日常生活でわたしたちが目にするものではなく、商取引において金銭
の支払いに用いられる紙片となりました。現金紙幣ではないにもかかわらず、この紙片を多く
の企業が取引で利用するようになるまでには、色々な工夫が必要でした。この紙片を多くのひ
とが信用できるものにする工夫です。その法的な説明は、手形法・小切手法を起点にして、整
えられています。約束手形は、そういうわけで、「特殊な」紙片です。
科目目的
手形制度を題材に、その説明に
・明確性
・一貫性
が満たされる「ことばづかい」を身につけること
及び、
その説明に基づく解決・処理が、総合的にみて妥当と言えること
これらを目的とする科目だと思います。
到達目標
①制度を説明できる
②重要な裁判例を説明できる
③重要な点につき、学説を説明できる
授業計画と内容
丸山秀平『基礎コース商法Ⅰ(総則・商行為法/手形・小切手法)』[第4版](2018年)新世社
を用い、
原則としてその記述順に、講義します。
以下は予定であり、各時間内にキレイに振り分けられないと考えてください。
【1日目】
① 9:00~10:40(100分) 項目番号 1, 2, 3
②10:55~12:35(100分) 3, 4, 5
③13:35~15:15(100分) 5, 6
④15:30~17:10(100分) 6, 7
【2日目】
① 9:00~10:40(100分) 項目番号 7, 8
②10:55~12:35(100分) 8, 9, 10
③13:35~15:15(100分) 10, 11
④15:30~17:10(100分) 11, 12
【3日目】
① 9:00~10:40(100分) 項目番号 11, 12, 13
②10:55~12:35(100分) 13, 14
③13:35~14:55( 80分) 14 (含、ふりかえり)
[項目番号]
1.序論:手形法を学ぶために/手形(約束手形・為替手形)、小切手
商法上の有価証券および手形小切手の特徴を概観し、その経済的機能を理解する
2.約束手形の「振出」から決済まで/為替手形と小切手
約束手形と為替手形・小切手の法律関係の異同を理解し、約束手形のそれに照準を合わせる
3.約束手形の「振出」:手形行為(手形理論)
手形行為という法律行為をどのように説明するか、「交付」「署名」に着目して考える
民法の法律行為に関する規定の取り扱いを検討する
4.約束手形の「振出」:手形要件
手形要件(金額・満期・受取人・振出日)の意義とその記載、不記載について考える
5.約束手形の「振出」:署名(他人による手形行為)
他人名義、代理・代行、名板貸しの法律関係を理解する
手形行為の無権代理・偽造の概念を理解する
手形の変造について考える
6.手形の流通:裏書
「当然の指図証券性」、裏書による手形譲渡の法的効果を理解する
取立委任裏書、質入裏書、期限後裏書、戻裏書などの特別な裏書を理解する
7.手形の流通:善意取得
手形所持人の形式的資格(手 16 条 1 項)と善意取得(手 16 条 2 項)の関係を理解し、「抗弁」という概念に親しむ
8.手形保証・隠れた手形保証
手形保証およびそれと同趣旨の裏書(隠れた保証)をめぐる法律関係を理解する
9.手形抗弁(1)
「人的関係に基づく抗弁」、悪意の抗弁の成立要件を理解する(手 17 条)
10.手形抗弁(2)
いわゆる融通手形の抗弁、後者の抗弁、そして二重無権の抗弁につき検討する
11.手形の支払:呈示・免責
呈示の効果、善意の支払人の免責(手 40 条 3 項)を理解する
12.遡求、利得償還請求
遡求権と手形署名者の合同責任(手 47 条)を学び、手形上の権利消滅後であっても利得償還請求ができることを学ぶ
13.白地手形
未完成手形と「補充権」という考え方を学び、不当補充(手 10 条)という法的処理を理解する
14.為替手形/電子記録債権
為替手形の特徴的な利用法を理解する
手形に換わるとされる電子記録債権につき学び、約束手形の将来について考える
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
「この事案で裁判になったときに、ある人物が支払を強制されるか否か」
と問われ、それに明確に回答することが求められます。講義はその準備です。
ですから、
「この事案で、手形債務を負担する人物はいるのかいないのか(誰なのか)」
というところから考え始めるくせをつけるとよいです。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | スクーリング試験または科目試験により最終評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト
丸山秀平「基礎コース 商法I 総則・商行為法/手形・小切手法 第4版」(2018年)(新世社)
(下記URLに正誤表があります)
https://www.saiensu.co.jp/search/?isbn=978-4-88384-280-3&y=2018
その他特記事項
【通信教育課程はなし】