シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ビジネス・プラクティカル・セミナーⅠ | 2025 | 冬季集中 | 他 | 商学研究科博士課程前期課程 | 木立 真直、北濱 利弘、佐藤 信彦 | キダチ マナオ、キタハマ トシヒロ、サトウ ノブヒコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CG-OM5-004L
履修条件・関連科目等
流通・マーケティングの実際について学ぶことから、流通論、マーケティング入門などの科目を履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、木立がコーディネータ役を務めつつ、実業界における経験豊富な北濱、佐藤の2名の講師が長年の実務経験に基づき、一般論に留まることなく、第一線の現場視点から、実務的な授業を行う。
前半は、流通論の視点から、主要な小売業態を分類し、それぞれが消費者購買動向の急激な変化に、どのように対応しているか、取扱商品の特性やターゲットとする顧客層に合わせた戦略について、実務家視点で概観し、これからの展開を考える。具体的には、百貨店業態の量販店と異なる取組事例を参考として、顧客層と取扱商品の特定、新しい価値観を持った顧客層へのアプローチ(付加価値の高い商品・サービス・DX活用)、都市と地方で異なる競合業態を意識した商品展開、インバウンド需要の動向と課題等を概説し、マーケットにおける明確なポジショニングの重要性を確認する。
後半は、マーケティングの視点から、1.人口減少、少子高齢化 2.労働市場の変化、3.生活スタイル・価値観の分化、多様化 4.デジタル化の急展開 等を背景に、各企業が生き残りのために必死に展開している最新のマーケティング活動の実態を、食品業界を中心に、実際に企業が現場で使用している資料、習熟度階層別の、様々な教育研修資料や、統計データ、更には、最新のアンケートやインタビュー、エスノグラフィーなどの調査データを用いて考え、マーケティング理論の基礎の上に、現場レベルの実務知識を積み上げ、商品開発、デジタルマーケティング、消費者の知覚構造、ブランド戦略等の分野で、実務家レベルの視点を育成し、知見を体得する。
科目目的
実業界における経験豊富な2名の講師が、それぞれの実務経験に基づき、一般論に留まることなく、第一線の現場視点から、実務的な授業を行う。
到達目標
到達目標としては、流通論、マーケティング論の理論の上に、実務家の視点や現場感覚を養うことで、実際に、メーカー、流通業、小売業の第一線の現役マーケーターとデータ分析や現場観察の理解について議論できるレベルを知識を習得することを目指す。
授業計画と内容
〇前半
【第1回】 小売業態の区分と変化、業態規模の比較とその困難性(佐藤)
百貨店をモデルに小売市場におけるポジショニング・競業関係を把握するため、最初に小売業態の種類と近年の変化を概観する。業態比較のため事業規模を測る売上高の基準が業態により異なり、統計データでは経済規模を表さないため業態比較が困難であることを理解した上で、各業態がターゲット顧客層に向けて弛まぬ進化を試行している状況を確認する。
【第2回】 個人消費支出から見る行動変化と小売業態(佐藤)
小売市場の変化について、バブル時代と現在の経済社会環境と個人消費支出動向の変化から、各業態の商品戦略・サービスの変化を考える。特に消費者志向の多様化とともに、価格重視と付加価値重視の分化、消費者が重視する付加価値も多様化し、20-30代が重視する新しい価値観が、業態間競争や棲み分けに繋がっていることを理解する。
【第3回】 商品・流通選択で重視される付加価値と取組み(佐藤)
具体的に商品選択で重視される地産地消・環境・人権配慮等SDGS関連や健康・老化防止機能等の商品機能、購入先を決定する配送等サービス、デジタルやツーリズム体験等を踏まえて各業態が価格訴求以外で取り組む価値向上を考える。地理的表示GI産品を例に、新しい付加価値=高度な専門知識を求める若い富裕層の消費行動を考える。
【第4回】 実店舗とネット通販、業態特性を生かしたデジタル利用(佐藤)
店舗とネット販売の両立には、店頭とネットで同じ商品を販売し、店舗は販売と同時に倉庫と製造・配送拠点になる業態と、あえて店頭とネットで商品のクオリティ等に違いを持たせる業態がある。また、量産品の管理・販売手段にDXを活用する場合と少量生産品の見本・試着や受注手段にDXを活用する等、業態毎に異なるDX活用戦略と課題を考える。
【第5回】 立地環境とポジショニング(佐藤)
少子高齢化と人口減少社会で地域間格差が拡大している。大都市部とその周辺近郊部、地方中核都市とそれ以外の都市で大規模店舗の立地環境が異なっており、商品や業態によっては地域特性やネット通販との競合も大きくなっている。地域市場における小売業のポジショニング・商品選択について考える。
【第6回】 百貨店のインバウンド市場の動向と課題(佐藤)
百貨店におけるインバウンド需要は堅調に増加し、全国の免税売上高は1割を超えた。国際情勢に左右される市場ではあるが、欧州の百貨店売上に占める外国人観光客需要と比較するとまだ伸びしろが大きい。百貨店の来店誘致の取組み・国別の来店動向・商品の売筋を理解し、今後の売上増に向けた地方都市への波及や今後の商品展開等の課題を考える。
【第7回】 地域商社機能に見る販売機会拡大(佐藤)
製(生)販連携による商品の開発展開、新ブランドやデザイナー等のインキュベーター機能と新商品の情報発信は、各業態で積極的に取り組まれている。百貨店では、大量生産商品とは異なり、地元原材料を使用し、地域の中小・個人事業者の手作り感のある商品を共同開発し、本物志向にこだわる消費者に広がりつつある。講義の総括に、業態特性を生かした商品分野・マーケットで売上を伸ばし、既存の商圏の外への販売拡大を狙う取組みを紹介する。
〇後半
【第1回】 企業目線で考える「少子高齢化」(北濱)
「少子高齢化」は幅広く議論されている。しかしその視点は、社会学、経済学的視点による議論が多く、企業が如何にこの問題を捉え、「マーケティング視点から対策を講じようとしているか?」という視点に乏しいと言わざるを得ない。本講座では、企業が「少子高齢化」をどのように分析し、「如何に対応しようとしているか?」を考える。
【第2回】 今、企業が直面する労働市場の構造変化、就労意識の変化とマーケティング(北濱)
前回議論した「少子高齢化」の流れの中で、「労働力不足と流動化」「労働市場の構造変化」「就労意識の変化」が進行し、
食品を中心とした消費財企業は大きな変化に直面している。また、「リスキリングブーム」が食品市場に思わぬ新たな新市場を創出している。各企業のマーケティング担当者が注目するこうした社会動向と対応策を考える。
【第3回】 企業目線で見た食品産業の構造と歴史 各社内部資料から(北濱)
生活密着の「食品産業」は、日本の消費財マーケティング代表的産業であり、経済発展、生活レベルの向上とライフスタイル、価値観の変化を反映し、生活者ニーズに応え、製造技術、物流網や、販売チャネルを発展させてきた。「食品産業」の江戸時代末期から、明治大正期から、昭和、平成、令和に至る歩みを、各社の豊富な内部資料から企業目線で振り返る。
【第4回】 デジタル技術の急進展と最新デジタル消費財マーケティング(北濱)
産業界ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要が叫ばれ、デジタル技術も「5G」「生成AI」「ロボティクス」AR」「VR」「メタバース」など、マーケティングに大きく影響する技術が広がりを見せている。本講座では、現在三菱食品が中間流通としてメーカーと小売りをデジタル技術で結び付け、新たな価値を創造する「流通DX」について考える。
【第5回】 今、企業が注目する「消費者の知覚構造の変化」と「実践最新ブランド論」(北濱)
商品や情報と、生活者の接点が、多様化、複雑化する中で、メーカーや小売業からの情報伝達の構造も大きく変わりつつある。そうした中で、産業界に広がりつつある新しい考え方である ①「知覚因子」と「選好因子」の考え方 ②「機能的価値」から「情緒的価値」「生活者の自己実現価値」に訴えることが必要となった「最新のブランド論」を考える。
【第6回】 最新商品開発論 食品メーカー、流通業の開発現場から(北濱)
大手食品メーカーや、惣菜メーカー、スーパー、生協等の研修で使用している最新」テキストを用いて、「実践的な商品開発のプロセス」を学ぶ。そこから実践例を通じて「ヒット商品を生み出す商品コンセプト作り」「商品コンセプト」を実現する「商品パフォーマンス作り」を学び、最新の商品開発理論を理解する。
【第7回】 最新「内部資料から見た味の素、キッコーマンの海外進出」(北濱)
今や、大手食品メーカーの売上、利益は海外比率が、国内を上回ってきている。国内市場が縮小する中で、食品メーカーが生き残ってゆくためには、国内で培った技術やマーケティングを駆使した海外市場への進出が必須の課題となっている。そうした実態を、味の素とキッコーマンを事例に「内側から見た海外マーケティング」の実態を紹介し考察に繋げる。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | 授業における報告内容、水準、等を総合的に評価します。 |
平常点 | 20 | 毎回授業に参加し、質疑応答により授業の進捗や履修生の理解増進に貢献できたかについて評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
授業計画書参照。
佐藤講師
日本百貨店協会役員として経験
北濱講師
味の素、三菱食品におけるマーケティング実務経験
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
授業計画書参照
テキスト・参考文献等
授業でテキストを使用せずに、毎回、レジュメ等の資料を配布する。
その他特記事項
後期集中方式で開講