シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ドイツ社会誌演習A | 2025 | 前期 | 火2 | 文学研究科博士課程前期課程 | 磯部 裕幸 | イソベ ヒロユキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-DT5-105S
履修条件・関連科目等
後期開講「ドイツ社会誌演習B」と合わせて受講することを強く推奨する。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では文学や哲学、音楽や美術といった人文学研究において、医学的な言説や概念がどのように用いられ、またそれがどのような成果をもたらしているのかを検討する。昨今の大学教育や研究において、「文理融合」あるいは「領域横断」の必要性が盛んに言われているが、その必要性や効果を測定するためには、個々の論文を丹念に精査し、そこにある基本的な発想を理解し、かつその知見がそれまでの人文学研究をどのように書き換えたのかを考察することが必要である。こうした先行研究そのものに対する検証を通じてこそ、現在の人文学の持つ限界、課題、そして可能性についての展望を持つことができるだろう。それは、今後修士論文や博士論文で「新しい知」を切り開こうとする者にとっても、有益な視点をもたらすに違いない。
(使用教科書)毎回テーマに即した論文を読み進める。そこで扱う論文は授業担当者が準備する
※さらに本授業の受講者は、学位(修士)論文の構想について発表し、他の受講者から評価を仰ぐことで執筆に向けた準備を進めることも求める。
科目目的
本授業では、テキストの精読を通じて「文化史」や「思想史」におけるテーマ設定の方法や、題材の選び方、議論の進め方について学ぶと同時に、ヨーロッパ文化史研究について必要な知識や見識を身につけることを目指す。合わせてそうして得られた知見を、積極的に修士論文の構想に生かすことを目標とする。
到達目標
本授業では、日本語テキストの精読を通じて、主に歴史学分野における正確な知識を得るとともに、それを土台にして物事を「歴史的に考える」こと、さらには自分の思考を他人に分かりやすく伝えることを到達目標とする。合わせて、修士論文やその後の博士論文執筆に必要な分析力を身につける。こうしたことは、修士論文作成における「論文構想作成」「史資料分析」「論文執筆ないしは論文成果のプレゼンテーション」などの場面で必要不可欠な能力なので、受講者には意欲的な学修が求められる。
授業計画と内容
第1回 「人文知」における医学:ミッシェル・フーコーの問題意識
第2回 哲学:ハイデガーと医学(1)―自然科学と人間の「現存在」
第3回 哲学:ハイデガーと医学(2)―診療と治療の問題
第4回 文学:文学と医学の協働可能性について
第5回 文学:文学と医学の交差点(1)―「グラン・ギニョル劇」について
第6回 文学:文学と医学の交差点(2)―シャルコーについて
第7回 文学:トーマス・マン『ヴェニスに死す』とコレラの問題(1)
第8回 文学:マンにおける「フレムト(fremd)」の意味
第9回 文学:アルトゥル シュニッツラーと医学の問題(1)自然科学の認識について
第10回 文学:アルトゥル シュニッツラーと医学の問題(2)「性的精神病質」をめぐって
第11回 音楽:ベートーヴェンと病について
第12回 学生による研究計画発表(1):構想と議論
第13回 学生による研究計画発表(2):応答と再検討
第14回 まとめと総括:人文学が医学を扱うことの意味について
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・講読用テキストについては、発表の有無にかかわらず毎回該当箇所を精読し、歴史の流れをノートにまとめるなどして予習に励むこと
・発表を担当する場合、分かりやすいレジュメを作成し、またプレゼンテーションの練習をしておくこと
・予習や授業時間内で生じた疑問点は、早急に授業担当者に質問するか、自分で関連する文献にあたり解決すること
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 60 | 授業への出席、テキスト担当個所のレジュメ作成と授業での発表、議論への参加 |
その他 | 40 | 授業発表内容や修士論文構想等につき授業担当者に相談、進捗状況の報告 |
成績評価の方法・基準(備考)
ただし以下のいずれかに該当する場合には、単位を認定しない。
①欠席が4回以上の者
②授業態度が著しく悪く、他の受講生の勉学を妨げる者
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
各回で使用する論文(テキスト)は授業担当者が準備する。
・坂本尚志「ウイルス、病、身体―統治と他性のフーコー的視座」『フランス哲学・思想研究』26(2021)112-122頁
・池辺寧「ハイデガーの医学観」『哲学(広島哲学会)』75(2023)91-106頁
・片岡由美子「ナラティヴを介した文学と医学の共鳴と協働―ナラティヴ・ターンを軸にした解釈による」『愛知県立大学看護学部紀要』28(2022)53-62頁
・真野倫平「文学と医学の接点―グラン=ギニョル劇とシャルコー」『南山大学ヨーロッパ研究センター』17(2011)1-12頁
・千田まや「よそから来た神とよそから来た病―トーマス・マンの『ヴェニスに死す』におけるコレラについて」『和歌山大学教育学部紀要 人文科学』54(2004)227-238頁
・籠(かご)碧(みどり)「アルトゥル・シュニッツラーの医学的テクストにおける精神的『健康』/『病』の境界について―ロンブローゾとクラフト=エビングに対する書評から」『研究報告(京都大学大学院独文研究室)』30(2017)43-63頁
・酒井邦嘉「ベートーヴェンの病跡と芸術」Brain and NERVE 73-12 (2021), S. 1327-1331.