中央大学

シラバスデータベース|2025年度版

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ホーム > 講義詳細:マルクス経済学

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
マルクス経済学 2025 前期複数 水1,水2 経済学部 東 浩一郎 アズマ コウイチロウ 2年次配当 4

科目ナンバー

EC-TE2-05XX

履修条件・関連科目等

履修条件はありません。
マルクス経済学を理解したい方はもちろんですが、1年次にミクロ経済学・マクロ経済学を完全には理解できなかった方にも本授業の履修をお勧めします。この授業では、マルクス経済学の理論をミクロ・マクロとの比較で解説していきます。
本授業はマルクス経済学の基礎理論の講義のため、より発展的に学ぶために、「独占資本主義論」「社会政策」「経済学史」などの履修を推奨します。

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
 マルクス経済学は、「古くて新しい学問」そして「簡単だが奥深い学問」です。
 マルクス経済学はマルクスの著書である『資本論』が出発点になりますが、歴史上の遺物ではなく現代社会を読み解く学問です。むしろ現在は、資本主義経済が世界中に広がったが故にさまざまな問題が起こっています。この授業では、敢えて『資本論』を概説することはせず、現代の諸課題を読み解くための基礎理論としてのマルクス経済学を展開します。
 この授業でマルクス経済学に初めて触れるという学生も多いことと思います。皆さんの理解を助けるため、一つひとつの概念を、ミクロ経済学、マクロ経済学と比較しながら説明していきます。ミクロ経済学、マクロ経済学自体の理解を深める契機にもなると思われます。

科目目的

 資本主義経済の基本的な仕組み、すなわち、商品・貨幣・資本、労働力の商品化、市場競争、技術革新、資本蓄積、価格の変動、好況と不況といった資本主義の運動法則の基礎を理解することを目的とします。この理解をとおして、現代の資本主義において生じている諸問題、たとえば労働環境の悪化、バブルの発生と崩壊、金融の肥大化・不安定化、といった具体的な課題を明らかにします。また、なぜ人は物欲に支配されるのかとか、人類史の中で資本主義とはどのような歴史段階なのかといった視点も提供します。マルクス経済学を基礎にして、社会に対する視角を獲得することがこの授業の目的です。

到達目標

上記の目的の達成のために、具体的には以下の目標を設定します。
(1)マルクス経済学の基礎が理解できる
(2)マルクス経済学と他の経済学との関連がわかるようになる
(3)現代社会を見る基礎的な見方が身に付く、の3点を目指します。

授業計画と内容

第1回. 資本主義経済とはなにか
第2回. 労働価値説:客観価値説v.s.主観価値説
第3回. 唯物史観:人類史の一段階としての資本主義
第4回. 商品:商品の二要素、労働の二重性
第5回. 抽象的人間労働:価値実体の導出と計測
第6回. 価値形態と貨幣:価値の現れ方と貨幣の必然性。MMTなど近年の貨幣論との比較
第7回. 貨幣の役割:通貨制度の歴史と現在。貨幣の物神的性格
第8回. 資本と労働力商品化:自由・平等な雇用契約とそのもとで貫徹される搾取
第9回. 生産過程:労働過程と価値増殖過程
第10回. 絶対的剰余価値の生産:長時間労働と階級対立
第11回. 相対的剰余価値の生産:技術革新
第12回. 剰余価値生産の社会システム:分業・協業から日本型雇用の崩壊まで
第13回. 賃金:時間賃金・出来高賃金。現在の日本の賃金システム
第14回. 中間まとめ:改めて資本主義経済とはなにかを考える
第15回. 資本蓄積1:単純再生産。社会的再生産可能条件を考える
第16回. 資本蓄積2:拡大再生産。固定資本の存在と第Ⅰ部門の優先的発展
第17回. 資本の循環:資本の回転。生産期間、流通期間。
第18回. 利潤率の均等化:生産価格。論争史から労働価値説の意義を整理する
第19回. 市場価値、市場価格:需要要因の導入と現実の価格
第20回. 剰余価値の分割:地代、利子、商業利潤の源泉
第21回. 利潤率傾向的低落法則:技術革新は利潤率にどのような影響を与えるのか
第22回. 銀行:信用の代位と貨幣取扱業としての銀行。銀行の利子と利潤
第23回. 架空資本:経済の金融化と不安定化
第24回. 独占:資本の集積と集中。金融寡頭制
第25回. 景気循環と恐慌1:商品過剰説、資本過剰説
第26回. 景気循環と恐慌2:現代資本主義における景気循環
第27回. 全体まとめ1:資本主義経済の基礎理論
第28回. 全体まとめ2:マルクス経済学と現代資本主義

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

(授業前学習)
manabaで講義資料を事前にダウンロードし目を通しておいて下さい。分からないことを調べておく必要はありませんが、どこが分からないのかはっきりさせておいてください。
(授業後学習)
事前に把握しておいた「分からないこと」が授業をとおして理解できたか確認してください。また、授業は理論的な話が中心になります。経済ニュースに触れ、授業で学んだ理論と現実の経済の関係を考えてみてください。
(その他)
期末試験では、講義資料に書かれているものだけでなく授業中に話した内容からもまんべんなく出題します。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
期末試験(到達度確認) 100 期末試験(持ち込み不可)
1.マルクス経済学の基本概念の理解(選択問題)(90%)
2.マルクス経済学の視角から現代社会を分析する基礎的な見方が身についたか(記述問題)(10%)

成績評価の方法・基準(備考)

(1) 期末試験(100%)(持ち込み不可)。普通に受講していれば60点は取れる試験問題を作るので、過度に心配する必要はありません。
(2) 期末試験100%だと不安に感じる方もいることと思います。期末試験が60点に満たなかった学生に限り、中間まとめにおける課題(中間テスト)とレスポンの提出状況を加点します。ただし、中間テストは皆さんの理解を助けるために行うもので、プリントを見たり受講生間で話し合って答えてもよいものです。中間テストとレスポンの提出をきちんとおこなっていれば一律で10点加点します。
(3)上記でも単位取得に満たない学生に対しては、レポート課題を指示します。ただし、単に書けば良いのではなく、単位取得に見合う水準のレポートを要求します。レポート提出=単位取得ではないので注意してください。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

RESPON等をとおして出された質問については次回授業で紹介し解説します。


アクティブ・ラーニングの実施内容

その他

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

manabaで出す課題の中には、問題解決方法や提案をしていただくものもあります。
これらを授業中に紹介しながら回答することで、双方型の授業を実施します。

授業におけるICTの活用方法

その他

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

manaba、RESPONを活用します。

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

・現在、日本に標準的なマルクス経済学のテキストは存在しません。毎回、講義資料をmanabaで配布します。授業時には紙の講義資料を配布しますが、表示する端末(PC、タブレット、スマホなど)があれば紙の講義資料を受け取らなくてもかまいません。

・参考文献は下記の他、適宜紹介します。
マルクス『資本論』(新日本出版社版、岩波文庫版、大月書店版など)
鶴田満彦『現代政治経済学の理論』(青木書店、1977年)
高須賀義博『マルクス経済学研究』(新評論、1979年) 
置塩信雄、鶴田満彦、米田康彦『経済学』(大月書店、1988年)
ダンカン・F・フォーリー『資本論を理解する』(法政大学出版会、1990年)
鳥居伸好『なるほどマル経: 時の流れを読む経済学』(桜井書店、2020年)

その他特記事項

・私語は他人の授業を受ける機会を妨げる行為なので厳しく注意します。
・manabaを、講義用資料のダウンロード、お知らせの掲示、課題提出等に使用します。リマインダーを受け取れるように、emailアドレスを登録しておいて下さい。
・担当教員のメールアドレス azuma@tokyorissho.ac.jp

参考URL

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