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シラバスデータベース|2026年度版

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ホーム > 講義詳細:映像メディア論

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
映像メディア論 2026 前期 金2 総合政策学部 山崎 恆成 ヤマサキ ツネナリ 2年次配当 2

科目ナンバー

PS-ME2-0002

履修条件・関連科目等

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

映像(テレビドラマや映画)の表現は、日々更新され続ける「言語」のようなものである。言語である以上、そこには文法が存在し、その文法に基づいて意味や感情が伝達される。同時に、映像表現の革新は、その文法を踏まえ、ときに意図的に逸脱することで生まれてきた。

本授業では、外国語を学ぶように映像表現の基礎的な文法を学び、カメラワーク、編集、音響、色彩などの要素がどのように組み合わさって意味を生み出しているのかを理解する。日本および海外のテレビドラマや映画を題材に、具体的な作品分析を通して、表現の細部に注目し、作り手の意図や演出効果を読み解く力を養う。

これらの分析を通じて、受講者が映像を「見る」だけでなく、「読む」ことができるようになることを本授業の目的とする。

科目目的

映像や絵画は、必ずしも理屈を伴わず、ただ見て楽しむこともできる。しかし、映像表現の仕組みや文法を理解した瞬間、それまで意識されなかった要素が忽然と立ち現れ、世界の見え方が一変する体験をすることがある。本授業は、そのような「目を洗われる」感覚を通して、映像を見る力を深めることを目的とする。

映像表現の理解は、物語の理解と結びつくことで、作品をより立体的に捉えることを可能にする。本授業では、映像の構造や表現技法を学び、それを手がかりに作品を分析・批評する基礎的な力を養う。これにより、受講者が映像作品を感覚的に楽しむだけでなく、意図や効果を読み解き、言葉で説明できるようになることを目指す。

到達目標

映像表現の基礎的な文法を理解し、それを用いて映像作品を読み解き、分析できる力を身につける。あわせて、映像の細部に注意を向け、表現の意図や効果を言語化できる「映像を見る眼」を養う。

授業計画と内容

第1回 オリエンテーション/映像の文法とは何か
映像表現における基本的な文法を概観する。
(180度ルールを中心に、映像の空間認識について学ぶ)
第2回 光と色①
― キアロスクーロ(明暗法)と照明
光と影が意味や感情をどのように作るかを分析する。
(映画『パラサイト 半地下の家族』における光と影)
第3回 光と色②
― 色彩計画と心理的効果
色彩が観客の心理に与える影響を考察する。
(映画『めまい』『ウエスト・サイド・ストーリー』)
第4回 光と色③
― 色の文化的意味
色が持つ象徴性や文化的背景を読み解く。
(緑と赤の意味を中心に)
第5回 撮影①
― フレーミングとアングル
画面構成とカメラ位置が物語に与える効果を分析する。
(ドラマ『ギフト』)
第6回 撮影②
― ミザンセーヌとブロッキング
人物配置と動きによる意味の生成を学ぶ。
(黒澤明作品におけるブロッキング)
第7回 撮影③
― レンズと視点(POV)
レンズの選択と主観・客観表現の違いを考察する。
(ドラマ『最愛』〔塚原あゆ子演出〕のカメラワーク)
第8回 映像における俳優の演技
演技理論と映像表現の関係を理解する。
(スタニスラフスキー・システム、メソッド演技、貫通行動)
第9回 編集①
― 時間と空間の連続性
編集が物語の理解に与える影響を学ぶ。
第10回 編集②
― モンタージュ理論
編集による意味生成の原理を考察する。
(『窓ぎわのトットちゃん』におけるモンタージュ)
第11回 音
― サウンドデザインと対位法
音楽・効果音・沈黙が映像に与える効果を分析する。
(Netflix『イカゲーム』/映画『オッペンハイマー』)
第12回 メタファー・モチーフ・スタイル
繰り返される表現や様式が作品全体に与える意味を考察する。
第13回 脚本と構成
― 物語を支える設計図
脚本構造と映像表現の関係を分析する。
(AIによる脚本生成を手がかりに、『渡る世間は鬼ばかり』の構成を検討)
第14回 総括・まとめ
― 映像の美とは何か、映像の未来
本授業で学んだ映像文法を振り返り、映像表現の未来について考察する。

※本授業では、講師が1983年よりTBSテレビ・コンテンツ制作局において、ドラマ制作(『渡る世間は鬼ばかり』『3年B組金八先生』ほか)に携わってきた経験をもとに、実際の撮影現場で起こる具体的な事例も紹介しながら授業を進める。

※使用する教材や進行に応じて、授業の順番や内容が前後する場合がある。

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業で取り上げた映画やテレビドラマを視聴し、内容についてメモを取りながら分析することが望ましい。特に、同一作品を複数回視聴することを推奨する。1回目は物語や登場人物の関係を把握することに重点を置き、2回目はカメラワーク、編集、音、色彩などの映像表現に注目して観ることで、授業で学んだ映像文法の理解を深める。

繰り返し視聴することで、初見では気づかなかった表現の意図や効果を発見し、作品をより立体的に捉えられるようになることを目指す。

授業時間外の学修に必要な時間数/週

毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
中間試験 20 映像表現の基礎文法や授業で扱った概念について、基本的な理解ができているかを評価する。
期末試験(到達度確認) 30 授業で学んだ映像表現の文法を用いて、映像作品を論理的に分析・考察できているかを評価する。
レポート 30 リアクションペーパー。授業で扱った映像作品について、映像表現の文法(撮影・編集・音・色彩など)を踏まえて分析できているかを評価する。
平常点 20 授業に主体的に参加し、映像表現に対する問題意識をもって発言・議論しているかを評価する。80%以上の出席(リアクションペーパーの提出)が必須条件です。

成績評価の方法・基準(備考)

本授業では、授業への参加姿勢や学修内容を重視して評価する。提出物において、他者の文章の転載や単なるあらすじ・感想にとどまるものは評価の対象としない。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

実施しない

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

実施しない

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

実務経験のある教員による授業

はい

【実務経験有の場合】実務経験の内容

1983年から現在までTBSテレビ・コンテンツ制作局で主にドラマ制作(渡る世間は鬼ばかり、金八先生など)に携わってきた。

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

実際の撮影現場で起こるさまざまな出来事も紹介しながら授業を進めていきたい。

テキスト・参考文献等

テキストとしては、プリント(PowerPoint)を用意する。
参考資料DVD(動画)として、①アメリカのテレビドラマ「The West Wing (ザ・ホワイトハウス)シーズン1」②日本のテレビドラマ「中学聖日記」「MIU404」「最愛」(塚原あゆ子演出)
※オリエンテーションの際に説明するが、「中学聖日記」の第一話には基本的な映像表現がつまっている。また、「The West Wing (ザ・ホワイトハウス)シーズン1」のエピソード3は、照明、演技、モチーフを考える上で参考になる。

参考文献
マイケル・ライアン、メリッサ・レノス(田畑暁生訳)『Film Analysis 映画分析入門』フィルムアート社、2014年
※わかりやすい入門書である。
秋田麻早子 『絵を見る技術』 朝日出版社
※映像を読み解くことは絵(美術)を読み解くことに通じる。この本はアプローチの参考になる。
谷崎潤一郎 『陰翳礼讃』(中公文庫など)
※日本人の明かりに対する感性、美の感覚を考える上で参考になる。

その他特記事項

参考URL

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