シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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英語1a C | 2025 | 前期 | 月4 | 経済学部 | 村上 武則 | ムラカミ タケノリ | 1年次配当 | 1 |
科目ナンバー
EC-EN1-11aX
履修条件・関連科目等
高校までの英文法と基礎的な英単語の知識があれば誰でも理解出来るように講義します。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、問題解決力(外国語とコミュニケーションの能力及びコンピューターを利用した統計・情報処理と分析の能力を用いて、科学技術及び社会の急速な変化に対応しながら、さまざまな問題を解決することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
日本のほぼ全ての大学で学部や専攻を問わずに大学初年次の英語科目が開講されていますが、AI翻訳全盛の時代にわざわざ日本人講師が日本語で英語を説明する授業に出て英語を学ぶ意義はあるのでしょうか?オンライン英会話やネットの自習教材だけでも簡単に英語が上達可能な今の時代に、大学の一斉授業の教室に足を運んで英語を学ぶことに十分な見返りはあるのでしょうか?そんな疑問を持つ受講生の皆さんに一生役に立つ言語理解の仕方やことばを使いこなす才覚を伝授するのがこの講義です。扱う内容はいたって普通の英語の授業と同じで本学のカリキュラムポリシーに沿って「他者理解とコミュニケーションの基盤となる語学力を身につける」ことを目標に読む・書く・聞く・話すの4つの総合的技能の向上によって英語の実地応用の素を養うために、担当講師の持つ英語の知識と技能と経験則と学習方法を時間の許す限り受講生の皆さんに伝えます。具体的には日常生活や時事・経済ニュースの話題に現れる簡単な文を題材として、それを場面や丁寧さや聞く相手に合わせてどう応用し、表現の付加や削除によっていかに言い替えられるかを最小限の文法規則に即して解説することがメインになります。その上で英語と日本語との対照を通じて思考の言語化の促進を図り、海外留学しても簡単には身に付かない水準の言語運用能力の基礎を日本国内にいながら習得出来るようにします。
科目目的
本科目は大学初年次の必修科目であり、後により高度な内容の英語の授業、英語で行われる授業、経済学分野の英語論文を読解する演習形式の授業、英文資料を参照した論文執筆、海外留学などにおいて役に立つ英語の運用能力と、英語に関する疑問を自己解決する方法と道具の使い方を身に付けることを目的としている。さらには機械翻訳や合成音声出力の良し悪しを自分で判断出来る総合的な感覚と批判的視点を養成し、インターネットの単純なキーワード検索や生成AIへの質問ではまず見つけられないような英語の情報や分析の仕方を身に付けることを目指す。授業終了後には今までバラバラの知識として覚えていた文法の学習事項が1本の線でつながり反射的な身体知識へと変わること、綴りの異なる複数の単語が同じものに見えてくるようになり使用可能な語彙が拡大すること、日本語とは異なるパターンの音のかたまりが感情を左右するメッセージに変わりそれを自分でも再現出来ること、日本語で思っていることを英語で簡単に少ない労力で言語化出来てしまうことを受講者に体験してもらいたいと目論んでいる。
到達目標
英語の個別知識の暗記や音声と記号の単なる模写・模倣ではなく、抽象化された高度な言語把握を実践運用能力に昇華させることを到達目標とする。それはつまり
英語の(Reading)を叩き台にして様々な事象を解読することにより現実把握力を高め、
英語の(Listening)を通して他者の発言を正確に聞き取り適切な対応を取る協調性を養い、
英語の(Speaking)を試みることで自己を客観視し説明責任を果たす自己管理力を身に付け、
英語の(Writing)を既存知識の応用組み合わせの実験の場として問題解決力を身に付け、
英語を思考とコミュニケーションの道具として使えると同時に創造力の源泉となるようにすることである。そして講義中に教えるたくさんの内容を、自分の頭で出来るだけ短く単純に要約した上でカスタマイズして使えるようにすることが望ましい。
授業計画と内容
第01回 ガイダンス、高校までに習ってきた英語とこれから遭遇する英語の違い
第02回 実用水準のビジネス英語や大学レベル以上の学術英語の難しさを知る
第03回 語彙、熟語、慣用表現、言外の意味、婉曲用法、この無限の暗記に終わりはあるのか
第04回 自分の欲しいもの、したいこと、必要なことを伝える(助動詞、提案表現、命令文)
第05回 他人の欲しいもの、したいこと、必要なことを聞く、想像する(助動詞、丁寧表現)
第06回 自分が何をしたのか説明する(過去形、完了形)
第07回 他人が何をしたのか聞く、想像する、物語を作る(過去形、完了形、伝聞表現)
第08回 AI翻訳や通訳アプリの限界を知り、その上で役立てる方法を考える
第09回 どっちが良いかを決める、評価をする(形容詞、比較級、複数性と集合概念)
第10回 誰のもの、知ってるもの、知らないもの、いくつあるもの(所有代名詞、冠詞、数詞)
第11回 足りない説明を加える、何をするための(不定詞)、どんな(形容詞、分詞)
第12回 足りない説明を加える、文の足し方(接続詞、関係詞)
第13回 インド英語に挑戦、英語の変種について知る
第14回 まとめ
【授業方法】
予習は基本的に必要ありません。講義中に時間を取って短い文章を読んでもらい、その内容と関連事項を解説します。毎回たくさんの内容を喋りますが、全部聞き取ってきれいなノートを取る必要もありません。たまに当てることはあっても成績には関係ありませんし、答えられなくても全く問題ありません。質問は自由です。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週2時間程度を目安に復習してください。授業中に扱った表現を実際にネットで検索してみたり機械翻訳にかけて講師の提示した訳や説明と違いがあることを確認したりするようにしてください。また、複数の辞典を引いて訳や説明を読み比べてください。動画視聴サイトで英語の表現を検索欄に入力し、喋っている人がどんな顔をしているか、どんなイントネーションや声色で発話しているかを観察しても構いません。人の話を鵜呑みにせず、自分自身で異なるソースを比較して情報の真偽を検証することが最も記憶に残る方法です。復習の量はどこまで自力で調べるかによっていくらでも膨らみます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり1時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり2時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 授業で扱った内容について、理解度を確認する試験(ペーパーテスト)を行います。 |
成績評価の方法・基準(備考)
期末試験100%で評価する。試験の1週前までに出題形式については見本を配布して説明するが、見本と同じ問題は出題しない。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
期末試験の模範解答を試験後に配布して自己採点出来るようにする。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは指定せず、講師の自作のプリントを配布して教科書代わりに使用します。
自学用の参考文献としては手に入りやすいものとして
Norman Lewis, Word Power Made Easy : The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary, Anchor, 2014など (複数の出版社から多数のエディションあり)
Rich Carriero, Murray Bromberg & Melvin Gordon, 1100 Words You Need to Know, Barron's Educational Services, 2022 (第8版、それ以前のものでも可)
Charles Harrington Elster, Verbal Advantage : Ten Easy Steps to a Powerful Vocabulary, Random House Reference, 2000
安藤貞雄『現代英文法講義』、開拓社、2005
Rodney Huddleson & Geoffrey K. Pullum 原著、畠山雄二 編『英文法大事典』全11巻、開拓社、2017-2021
中村保男『新装版 英和翻訳表現辞典』、研究社、2019
Jay Rubin, Making Sense of Japanese : What the Textbooks Don't Tell You, Kodansha International, 2013
エドワード・G・サイデンステッカー、松本道弘 共編『最新日米口語辞典』、朝日出版社、2021