シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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英語1b C | 2025 | 後期 | 月3 | 経済学部 | 村上 武則 | ムラカミ タケノリ | 1年次配当 | 1 |
科目ナンバー
EC-EN1-11bX
履修条件・関連科目等
高校までの英文法と基礎的な英単語の知識があれば誰でも理解出来るように講義します。前期の内容は覚えていなくても随時復習するので問題なく付いていけます。
授業で使用する言語
日本語/英語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、問題解決力(外国語とコミュニケーションの能力及びコンピューターを利用した統計・情報処理と分析の能力を用いて、科学技術及び社会の急速な変化に対応しながら、さまざまな問題を解決することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
前期からさらに発展した内容を扱い、生成AIによる翻訳が到達するのにまだ10年以上はかかるであろう英語の機微について扱います。本学のカリキュラムポリシーに沿って「他者理解とコミュニケーションの基盤となる語学力を身につける」ことを目標に読む・書く・聞く・話すの4つの総合的技能の向上によって英語の実地応用の素を養うといった方針は前期と同じですが、日本の大学で日本人の英語教師が日本語で説明出来る内容として限界に迫る水準の難しい話を分かりやすい例と実践的な口語表現を用いて楽しく説明します。具体的には前期と同じく日常生活や時事・経済ニュースの話題に現れる簡単な文を題材として解説することが授業のメインになりますが、英日・日英翻訳の高度なテクニックとその翻訳手法を応用した効率的な英語の理解方法を指導し、海外留学経験者や帰国子女ですらも気付かない微細な言語感覚を日本国内にいながら習得出来るようにします。
科目目的
本科目は大学初年次の必修科目であり、後により高度な内容の英語の授業、英語で行われる授業、経済学分野の英語論文を読解する演習形式の授業、英文資料を参照した論文執筆、海外留学などにおいて役に立つ英語の運用能力と、英語に関する疑問を自己解決する方法と道具の使い方を身に付けることを目的としている。さらには機械翻訳や合成音声出力の良し悪しを自分で判断出来る総合的な感覚と批判的視点を養成し、インターネットの単純なキーワード検索や生成AIへの質問ではまず見つけられないような英語の情報や分析の仕方を身に付けることを目指す。前期に引き続き今までバラバラの知識として覚えていた文法の学習事項が1本の線でつながり反射的な身体知識へと変わること、綴りの異なる複数の単語が同じものに見えてくるようになり使用可能な語彙が拡大すること、日本語とは異なるパターンの音のかたまりが感情を左右するメッセージに変わりそれを自分でも再現出来ること、日本語で思っていることを英語で簡単に少ない労力で言語化出来てしまうことを体験して、英語の奥深さと単純さを同時に味わってもらいたいと目論んでいる。
到達目標
英語の個別知識の暗記や音声と記号の単なる模写・模倣ではなく、抽象化された高度な言語把握を実践運用能力に昇華させることを到達目標とする。それはつまり
英語の(Reading)を叩き台にして様々な事象を解読することにより現実把握力を高め、
英語の(Listening)を通して他者の発言を正確に聞き取り適切な対応を取る協調性を養い、
英語の(Speaking)を試みることで自己を客観視し説明責任を果たす自己管理力を身に付け、
英語の(Writing)を既存知識の応用組み合わせの実験の場として問題解決力を身に付け、
英語を思考とコミュニケーションの道具として使えると同時に創造力の源泉となるようにすることである。受講生が自分の頭で出来るだけ短く単純に要約した上で実践用にカスタマイズした本講義の内容を、実際の英会話や英語プレゼンテーションやエッセイ・ライティング等において即戦力として利用出来るようにすることが望ましい。
授業計画と内容
第01回 前期の復習
第02回 No のつく否定辞全般を使った否定の作り方(否定表現、極性)
第03回 No のつく否定辞以外の表現による否定の見抜き方と使い方(婉曲、部分否定、多重否定)
第04回 What や How など疑問詞一般を使った質問の仕方(疑問詞、品詞転換)
第05回 疑問詞を使わない質問の仕方と疑問詞があっても質問ではない文(誘導質問、反語)
第06回 欧州ローカル言語としてのイギリス英語とその下位方言から見る英語史入門
第07回 英語のウソの作り方、意見をごまかす方法、あいまい表現(法、モダリティ、談話標識)
第08回 実現しなかった過去を想像する、人の失敗を責める(反実仮想、仮定法過去)
第09回 英語の敬語、失礼な英語、自分で使ってはいけない表現(丁寧表現、スラング、タブー)
第10回 専門用語の覚え方、調べ方、訳し方(語源学、辞書学、語彙論、語形成)
第11回 日本の近隣諸国の英語と各国英語学習・翻訳事情
第12回 資格試験、公務員試験、入社試験、アメリカ大学(院)入試の英語に挑戦
第13回 さらに上を目指す人のために、文献案内と独学の仕方
第14回 まとめ
【授業方法】
予習は基本的に必要ありません。講義中に時間を取って短い文章を読んでもらい、その内容と関連事項を解説します。毎回たくさんの内容を喋りますが、全部聞き取ってきれいなノートを取る必要もありません。たまに当てることはあっても成績には関係ありませんし、答えられなくても全く問題ありません。質問は自由です。英語で質問しても構いません。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週2時間程度を目安に復習してください。授業中に扱った表現を実際にネットで検索してみたり機械翻訳にかけて講師の提示した訳や説明と違いがあることを確認したりするようにしてください。また、複数の辞典を引いて訳や説明を読み比べてください。動画視聴サイトで英語の表現を検索欄に入力し、喋っている人がどんな顔をしているか、どんなイントネーションや声色で発話しているかを観察しても構いません。人の話を鵜呑みにせず、自分自身で異なるソースを比較して情報の真偽を検証することが最も記憶に残る方法です。また、授業で習った表現を実際に英語の会話で使って実験してみてください。復習の量はどこまで自力で調べるかによっていくらでも膨らみますが、自分が英語にどれだけ人生のリソースを割くつもりであるか考えた上でほどほどにやりましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり1時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり2時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 学期末に持ち込み不可の筆記試験を実施する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
期末試験100%で評価する。試験の1週前までに出題形式については見本を配布して説明するが、見本と同じ問題は出題しない。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
期末試験の模範解答を試験後に配布して自己採点出来るようにする。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは指定せず、講師の自作のプリントを配布して教科書代わりに使用します。
自学用の参考文献としては手に入りやすいものとして
Norman Lewis, Word Power Made Easy : The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary, Anchor, 2014など (複数の出版社から多数のエディションあり)
Rich Carriero, Murray Bromberg & Melvin Gordon, 1100 Words You Need to Know, Barron's Educational Services, 2022 (第8版、それ以前のものでも可)
Charles Harrington Elster, Verbal Advantage : Ten Easy Steps to a Powerful Vocabulary, Random House Reference, 2000
安藤貞雄『現代英文法講義』、開拓社、2005
Rodney Huddleson & Geoffrey K. Pullum 原著、畠山雄二 編『英文法大事典』全11巻、開拓社、2017-2021
中村保男『新装版 英和翻訳表現辞典』、研究社、2019
Jay Rubin, Making Sense of Japanese : What the Textbooks Don't Tell You, Kodansha International, 2013
エドワード・G・サイデンステッカー、松本道弘 共編『最新日米口語辞典』、朝日出版社、2021