シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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景気変動論 | 2025 | 秋学期複数 | 水3,水4 | 商学部 | 秋保 親成 | アキホ チカナリ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-EO4-11XL
履修条件・関連科目等
「経済学」をあらかじめ、または並行して履修していることが望ましいですが、初学者の方にも分かりやすい授業にしていく予定です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
日本語
授業の概要
<概要>
現代の資本主義経済は、自らの存立基盤をも揺るがす大きな問題を抱えていると言えます。このことは、例えば2008年の「リーマンショック」を端緒とする世界的な経済危機、情報技術の革新(IT化・AI化の進展)に伴う社会構造の急激な変化、各国間で相次いで生じる対立や紛争などにおいて垣間見ることができます。
また日本でも、国際競争の激化や産業の空洞化、少子高齢化を背景として、賃金・所得の低迷や雇用の不安定化などを通じた経済的な格差の拡大と貧困層の増加が進行しており、いずれも深刻な課題となっています。これら一連の事象は、近年のコロナ禍や世界的な物価上昇を経て、さらに混迷の度合いを増していると言えるでしょう。
現状をこのような視点で捉えますと、現代経済の特質やその変化の影響を読み解いていくためには、資本主義経済に関する基礎理論を土台とした科学的・批判的な分析が、今日、ますます重要な意味を持つものと考えられます。
以上のような観点から、本授業では景気変動・恐慌分析の理論、および戦後の資本主義経済を対象とした経済発展の分析を軸に講義を進め、それらの理解をもとに、現代の資本主義社会における課題について議論していきます。本講を受講される皆さんにも、授業や課題を通じて、現代経済について自ら考える力を培っていただけることを期待します。
科目目的
本科目は、商学部カリキュラム上の分野別専門科目経済法律系の選択科目(3~4年生対象)として位置付けられています。この科目での学習を通じて、現在の経済社会における諸問題について自らの頭で考え、また自らの言葉で語るための基礎的な知識や技法を身につけてもらうことを目指します。
到達目標
経済学の理論に基づいて、現代の資本主義経済における景気変動の仕組みや動きが理解できるようになることを目標とします。
授業計画と内容
【0】ガイダンス・導入(2回)
1.ガイダンス
2.導入:景気循環とは何か/景気変動の諸類型
【Ⅰ】理論篇(12回)
3.資本主義経済の理論的基礎(1) 商品の価値と価格
4.資本主義経済の理論的基礎(2) 労働過程と剰余価値の生産
5.資本主義経済の理論的基礎(3) 資本蓄積と雇用
6.資本主義経済の理論的基礎(4) 再生産と競争
7.自由競争段階の恐慌・景気循環(1) 蓄積メカニズム
8.自由競争段階の恐慌・景気循環(2) 不況〜回復
9.自由競争段階の恐慌・景気循環(3) 好況
10.自由競争段階の恐慌・景気循環(4) 恐慌:下方への反転運動
11.独占資本主義段階の恐慌・景気循環(1) 蓄積メカニズム:資本の集中と独占の形成
12.独占資本主義段階の恐慌・景気循環(2) 独占資本の行動様式と景気循環への影響
13.国家独占資本主義段階の恐慌・景気循環(1) 蓄積メカニズム:独占資本と国家の経済的関係性
14.国家独占資本主義段階の恐慌・景気循環(2) 国家の経済過程への介入と景気循環への影響
【Ⅱ】歴史篇(12回)
15.戦後日本資本主義の景気循環(1) 戦後復興期
16.戦後日本資本主義の景気循環(2) 高度経済成長期
17.戦後日本資本主義の景気循環(3) 安定成長期
18.戦後日本資本主義の景気循環(4) バブル期
19.戦後日本資本主義の景気循環(5) 停滞期1(1990年代〜2000年代)
20.戦後日本資本主義の景気循環(6) 停滞期2(2010年代〜現在)
21.グローバル資本主義と新自由主義(1) 戦後世界体制とその動揺、レーガノミクス
22.グローバル資本主義と新自由主義(2) 構造改革路線、ジョブレス・リカバリー
23.現代資本主義と恐慌・景気循環(1) 世界不況、ITバブル、ニューエコノミー
24.現代資本主義と恐慌・景気循環(2) グローバル・バブル、帝国循環、世界経済危機
25.世界経済の構造的変化(1) 新興諸国の台頭と先進諸国の停滞、自由主義経済圏の再構築
26.世界経済の構造的変化(2) グローバル情報資本の勃興、国家と資本、技術覇権
【Ⅲ】総括(2回)
27.資本主義社会の現況(1) 格差・貧困、分断・対立、紛争
28.資本主義社会の現況(2) 資本主義の未来
※なお、状況に応じて内容を一部変更する場合があります。あらかじめ了承ください。
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
本講義では、現在の日本や世界の経済的問題についても触れていく予定です。毎日の新聞に目を通すなどして、その時々の政治・経済の動きに注目しながら授業に臨んでください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | ・専門的な用語や内容に対する理解度 ・適切な説明や論理展開 ・独自的な観点に基づく議論の提示 |
平常点 | 20 | ・専門的な用語や内容に対する理解度 ・数理的な問題に対する思考力 |
成績評価の方法・基準(備考)
平常点や期末試験をもとに、総合的に評価します。評価基準は以下の通りです。
平常点20%、期末試験80%
(詳細は、初回のガイダンスの際に説明します。)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは指定しません。プリントを適宜配布する予定です。また参考文献については、必要に応じて授業中に紹介します。
その他特記事項
利用するソフトウェアはありません。