シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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文学 | 2024 | 春学期複数 | 火1,金3 | 商学部 | 福西 由実子 | フクニシ ユミコ | 1~4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
CM-JL1-53XL
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
世界の情勢の変化と英語圏文学との関係を重視し,その時代の流れのなかで詩・劇・小説・批評的散文等の形式がどのように変容し,文学がなにをどのように表現してきたのかについて考察します。
具体的には、1~14回の授業では、17世紀~19世紀末までのイギリス文学史を概観します。15~28回の授業では、20世紀~現代の英語圏小説(イギリス、カナダ、オーストラリア)を数冊取り上げ、脱植民地主義、サッチャリズム、人種、ジェンダーといったキーワードと絡めて分析することで、今日的な文学の問題と意義について考えます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上のリベラルアーツ科目として位置付けられていることから、この科目での学習を通じて、学生が人文社会学に対する認識を深めるとともに、とりわけ英語圏の文学・文化に対する基礎的な知識を習得することを目的としています。
到達目標
この科目では、英語圏文学をひとつの切り口として、主要な作家と作品についての知識を得ることを目的とします。それぞれの特徴への理解を深めるために、実際の作品の抜粋を読むだけでなく、作品のアダプテーション=映画やテレビドラマといった映像化作品を鑑賞します。
最終的には、文学と社会の関係について、時代の変遷を把握しながら論じられるようになることを到達目標とします。
授業計画と内容
《前半はシェイクスピア以降のイギリス文学史を概観します》
1. はじめに:フィクションとは何か
2. ウィリアム・シェイクスピアとイギリス演劇(1):『ロミオとジュリエット』
3. ウィリアム・シェイクスピアとイギリス演劇(2):映画『恋に落ちたシェイクスピア』鑑賞
4. 小説以前の小説:ジョン・バニヤン『天路歴程』
5. 近代小説の誕生:デフォー『ロビンソン・クルーソー』とスウィフト『ガリヴァー旅行記』
6. 小説の隆盛:リチャードソン『パメラ』とフィールディング『トム・ジョーンズ』
7. ロマン主義:ロマン派の詩人たち
8 ゴシック小説(1)シェリー『フランケンシュタイン』
9. ゴシック小説(2)ストーカー『ドラキュラ』
10. 小説の成熟あるいは日常生活のドラマ:オースティン『高慢と偏見』
11. ヴィクトリア朝期の小説(1):サッカレー『虚栄の市』
12. ヴィクトリア朝期の小説(2):ディケンズ『オリヴァー・トウィスト』
13. ヴィクトリア朝期の小説(3):ブロンテ『嵐が丘』と語りの構造
14. 中間のまとめ――理解度の確認
《後半は現代英語圏小説とそのアダブテーション作品について考えます》
15. はじめに:帝国主義、世界大戦、オリエンタリズム、ポストコロニアリズムについて
16. 推理小説:ボーア戦争とコナン・ドイルのシャーロック・ホームズ、
第一次世界大戦とアガサ・クリスティのエルキュール・ポワロ
17. スパイ小説:冷戦とイアン・フレミングのジェームズ・ボンド
18. カズオ・イシグロ『日の名残り』 (1):サッチャリズムと回顧主義
19. カズオ・イシグロ『日の名残り』 (2):アダプテーション作品解釈
20. トマス・キニーリー『シンドラーのリスト』 (1):ホロコーストとオーストラリア文学
21. トマス・キニーリー『シンドラーのリスト』 (2):アダプテーション作品解釈
22. マイケル・オンダーチェ『イングリッシュ・ペイシェント』 (1):第二次世界大戦と帝国主義の終焉
23. マイケル・オンダーチェ『イングリッシュ・ペイシェント』 (2):アダプテーション作品解釈
24. ピーター・ケアリー『オスカーとルシンダ』(1):帝国主義の拡張とペシミズム
25. ピーター・ケアリー『オスカーとルシンダ』(2):アダプテーション作品解釈
26. イアン・マキューアン『贖罪』(1):ブッカ―賞とコモンウェルス
27. イアン・マキューアン『贖罪』(2):アダプテーション作品解釈
28. 全体のまとめ――理解度の確認
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業後に課されるミニレポート課題に取り組み、授業翌日の正午までに提出して下さい。
このほか、授業回によっては、指定された演劇や映画を授業前に鑑賞しておくよう指示します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 40 | 授業内で扱う①英語圏文学に関連する重要語句・概念についての理解度、②イギリス・アイルランド・英連邦諸国の現代的諸問題・意義についての理解度を評価します。 |
レポート | 40 | 授業の最後に200字程度のミニレポート課題を提示します。授業日翌日の正午までに取り組み、manabaから提出してください(学期中に10回程度)。 |
平常点 | 20 | respon等を活用し、学期中に複数回出席を取ります(不定期、主に火曜日1限)。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
《テキスト》
教科書(テキスト)は使用せず、授業日の前日に講師が講義資料をPDF等のファイルでmanabaを通じて配信します。
原則として紙の資料は配布しませんので、必要に応じてプリントアウト、もしくはダウンロードしてください。
また、以下の作品のいずれかについては、入手も容易であるため、通読しておくことが望ましい(任意)。
ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』河合祥一郎訳(角川文庫、2005年)
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』富田彬訳(岩波文庫〈上〉〈下〉、1994年)
チャールズ・ディケンズ『オリヴァ―・トゥイスト』 加賀山卓朗訳(新潮文庫〈上〉〈下〉、2017年)
アーサー・コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』深町眞理子訳(創元推理文庫、2014年)
アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』田内 志文訳(角川文庫、2017年)
カズオ・イシグロ『日の名残り』 土屋政雄訳(ハヤカワepi文庫、2001年)
イアン・マキューアン『贖罪』小山太一訳(新潮文庫〈上〉〈下〉、2008年)
《参考文献》
石塚久郎他『イギリス文学入門』(三修社、2023年)
エドワード・サイード『オリエンタリズム』今沢紀子他訳(平凡社ライブラリー〈上〉〈下〉、1993年)
その他特記事項
ソフトウェアの利用なし。