シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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空間経済学 | 2024 | 後期複数 | 月1,木3 | 経済学部 | 岡本 千草 | オカモト チグサ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-ID3-01XX
履修条件・関連科目等
ミクロ経済学の基礎を理解していることが望ましいです。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
空間経済学は、都市はなぜ生まれるのか、経済活動はなぜ一部の都市や地域に集中しているのか考える学問です。本講義では狭義の空間経済学にあたる新貿易理論や新経済地理学だけでなく、伝統的な都市経済学や地域経済学の内容も扱います。講義の前半では都市経済学や地域経済学を取り上げ、都市内のどこに誰が住むのか、工場や商店がどこに立地するのかという問いを考えます。後半では特に新経済地理学に焦点をあて、都市や集積が生まれる要因を分析します。講義では現実のデータや例を多く紹介しながら、空間経済学の基礎的なモデルの概説を行う予定です。
科目目的
空間経済学の基礎知識を習得することを目的とします。また、現実社会における経済活動の地理的分布について、その特徴を的確に把握し、論理的に説明・分析する力を養うことを目的とします。
到達目標
以下の3つを到達目標とします。
1.現実社会における経済活動の地理的分布について、データから特徴を把握できる。
2.空間経済学の基礎的なモデルを理解し、各モデルにおいて経済活動の地理的分布がどういったメカニズムで決まるか説明できる。
3.空間経済学の基礎的なモデルを用いて、現実社会における経済活動の地理的分布を説明・分析し、地域経済構造を把握できる。
授業計画と内容
※ 授業の順番については前後する可能性があります。
1. ガイダンス
2. 経済活動の地理的分布と都市化
3. jSTAT MAPを用いた経済活動の地理的分布の可視化 : 収録データを用いたヒートマップの作成
4. jSTAT MAPを用いた経済活動の地理的分布の可視化 : インポートしたデータを用いたヒートマップの作成
5. jSTAT MAPを用いた経済活動の地理的分布の可視化 : プロットデータの作成
6. jSTAT MAPを用いた経済活動の地理的分布の可視化 : 複数のデータを組み合わせたマップの作成
7. 都市内土地利用の分析 : チューネンモデル
8. 都市内土地利用の分析 : 単一中心都市モデル
9. 都市内土地利用の分析 : 単一中心都市モデルの拡張
10. 住宅市場と土地市場
11. 工場立地 : 中位点立地の原理
12. 工場立地 : ウェーバーの工業立地論
13. 商業立地
14. 空間不可能性定理
15. 伝統的貿易理論 : リカードモデル
16. 伝統的貿易理論 : ヘクシャー・オリーンモデル
17. 集積の経済
18. 空間経済学の実証研究 : 集積の経済の大きさに関して
19. 空間経済学の実証研究 : 知識のスピルオーバーに関して
20. 都市規模の決定 : 都市と農村
21. 都市規模の決定 : 複数の都市
22. 都市システム
23. 新貿易理論/新経済地理学の概要と準備
24. 新貿易理論 : 自国市場効果
25. 新経済地理学 : 中心-周辺構造
26. 新経済地理学 : 輸送費の減少と集積パターン
27. 空間経済学の実証研究 : 新貿易理論と新経済地理学に関して
28. まとめ
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義後は必ず復習を行い、論理展開を追えるようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 40 | 講義内で説明した各モデルについて、経済活動の地理的分布を決定する要因は何か正しく述べることができ、またその要因がどのように地理的分布を決定するのか論理的に説明することができる。 |
レポート | 40 | 現実社会における経済活動の地理的分布について、データを用いてその特徴を説明できる。また、空間経済学の基礎的なモデルを用いて、現実社会における経済活動の地理的分布を論理的に説明・分析することができる。 |
平常点 | 20 | 到達目標1〜3を段階的に達成できている。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
responを通して提出してもらった課題・見解に対して教員がリプライをし、双方向授業を行います。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
responを利用する。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
講義資料を配布します。
[参考文献]
黒田達郎・田渕隆俊・中村良平『都市と地域の経済学 [新版] 』, 有斐閣,2008年
佐藤泰裕『都市・地域経済学への招待状』, 有斐閣, 2014年
高橋孝明『都市経済学』, 有斐閣, 2012年
浅田義久・山鹿久木『入門都市経済学』, ミネルヴァ書房, 2023年
[発展的な参考文献]
佐藤泰裕・田渕隆俊・山本和博『空間経済学』, 有斐閣, 2011年
曽道智・高塚創『空間経済学』, 東洋経済新報社, 2016年