シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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演習Ⅱ | 2024 | 秋学期 | 金3 | 商学部 | 村上 研一 | ムラカミ ケンイチ | 3年次のみ | 2 |
科目ナンバー
CM-IF3-12XS
履修条件・関連科目等
3年次配当の事前登録科目です。
演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・論文はセット履修科目です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
〔テーマ〕
環境・福祉・地域問題など社会的課題と両立し得る日本産業・経済のあり方について
今日の世界では、異常気象、感染症など気候変動に関連する諸問題が生起し、経済格差・貧困の広がりの中で社会・政治不安も高まっています。本ゼミでは、こうした現状を踏まえて、地球環境、人々の生活さらには生活圏としての社会の保全をはかる観点から、日本における持続可能な産業・経済のあり方を展望していきたいと思います。
まず、現代日本の産業・経済の成り立ちとその正確について、書籍等の購読を通じて基礎的理解をはかります。さらに、環境保全や地域福祉、勤労者への配慮など社会的課題の改善と両立し得る日本の産業・経済のあり方について考察していきたいと思います。
(3年次)
前半は、日本経済の構造と性格に関す著書の輪読。知識の底上げとともに、学術的議論に慣れてもらうことを目的とします。
後半は、環境や福祉など日本社会が直面する課題についての検討を進めます。
※合宿やフィールドワークを通じた産業の現場、環境・福祉の課題に取り組む活動についての実態調査、外部講師の招へいも行いたいと思います。
(4年次)
卒業論文に向けた調査・分析・執筆を進めていきます。適宜、論文の書き方、調査の進め方などの指導を行います。また、各ゼミ生の進捗状況に応じて個別相談や中間報告などの機会も設けます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の「商学部アドヴァンスト科目」であり、商学部スタンダード科目及び商学部分野別専門科目の発展的な科目として位置づけされています。この科目での学習を通じて、主体的学習能力を習得することを目的としています。
経済活動のグローバル化の進展の下、急速な技術革新を経て、世界中の物と人、情報が急速に結びつく便利な社会が実現しています。一方で、地球温暖化に伴う異常気象、感染症などの環境条件の悪化に加えて、グローバル競争が人々・地域・産業間の格差を拡大させ、日々の生活に困る人々、地域社会のつながりの喪失、急速に衰退する地域と一極集中化する地域との乖離など、諸問題が噴出しています。こうしたグローバル化の負の影響が高まる中で、自分第一・自国第一の排外的主張も広がっています。このようなグローバル化の進展の下、日本では経済停滞が続き、産業競争力の喪失、世界経済に占める経済的地位の低下が進み、決して上記の諸問題と無縁ではありません。国連によって定められた持続可能な開発目標(SDGs)でも指摘されているように、地球環境や地域社会、地域住民、働く人々などを含め、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」産業・経済のあり方が求められています。本ゼミでは、こうした観点から、とりわけ環境保全や人々の福祉と両立し得る日本産業・経済のあり方について検討していきます。まずは、今日の日本産業・経済の成り立ちと性格について理解した上で、とくに環境と福祉の観点から日本社会が直面している課題を踏まえ、今後の産業・経済にどのような対応が求められるのかについて考えていきます。ゼミを通じて、こうした広い視野から日本の産業・経済の見通しについて考察できること、さらに現実社会でいかに行動し発言していくべきかについても主体的に考えていける力をつけていくことを目指します。
到達目標
戦後日本経済のあゆみ、現代日本産業の成り立ちとその性格について基本的に理解できることを第一の目標とします。さらに、環境や福祉、働き方をめぐる諸問題など、今日の日本社会が直面している諸課題の問題の所在を理解し、こうした課題の解決・改善に向けて産業・経済がどのような変化・発展を遂げるべきであるかについて主体的に考察できることを第二の目標とします。そして第三に、考察してきた課題の改善に向け、自らがどのように発言し行動すべきかを主体的に考えることができることも目標とします。
授業計画と内容
【3年次】
※以下に示すのは、過去の年度の実施例です。授業内容・テキストは受講生との相談を踏まえて決定しますので、各年度で内容は異なります。
第1回 オリエンテーション
第2回 戦後日本経済の性格
第3回 日本での利潤率の動向
第4回 現代日本の投資停滞
第5回 戦後日本産業の性格
第6回 日本産業の競争力低下
第7回 日本経済・産業の再生の方向
第8回 日本の社会保障制度
第9回 日本の財政危機
第10回 地球温暖化と脱炭素の課題
第11回 脱炭素と日本産業の課題
第12回 巨大テック産業の性格
第13回 ITビジネスと日本社会の課題
第14回 ゼミ合宿の事前学習
第15回 後期オリエンテーション
第16回 コロナ禍からの回復
第17回 ノーマルになった異常気象
第18回 パリ協定と1.5℃目標
第19回 京都議定書と日本の対応
第20回 石炭火力をめぐる動向
第21回 再エネ発展の歴史
第22回 石炭・原発に固執する日本
第23回 米国のグリーン・ニューディール
第24回 EUのグリーン・ニューディール
第25回 2050年カーボンニュートラルの課題
第26回 再エネ電力のコスト低下
第27回 日本のグリーンニューディールの課題
第28回 まとめ
【4年次】
※4年次は卒業論文の執筆指導をしますので、受講者の取り組みによって授業内容は変わってきます。以下に示すのはあくまで参考例です。
第1回 オリエンテーション
第2回 論文の書き方(1)問題意識と課題設定
第3回 論文の書き方(2)論文の構成
第4回 中間報告1(問題意識):第1グループ
第5回 中間報告1(問題意識):第2グループ
第6回 中間報告1(問題意識):第3グループ
第7回 個別相談1(課題設定):第1グループ
第8回 個別相談1(課題設定):第2グループ
第9回 個別相談1(課題設定):第3グループ
第10回 中間報告2(論文の構成):第1グループ:
第11回 中間報告2(論文の構成):第2グループ
第12回 中間報告2(論文の構成):第3グループ
第13回 夏休み中の調査に向けて
第14回 前期まとめ
第15回 後期オリエンテーション
第16回 中間報告3(調査報告):第1グループ
第17回 中間報告3(調査報告):第2グループ
第18回 中間報告3(調査報告):第3グループ
第19回 個別相談2(執筆内容の選定):第1グループ
第20回 個別相談2(執筆内容の選定):第2グループ
第21回 個別相談2(執筆内容の選定):第3グループ
第22回 論文の書き方(3):注記と参照文献
第23回 論文の書き方(4):図表、巻末資料
第24回 個別相談3(体裁と仕上げ):第1グループ
第25回 個別相談3(体裁と仕上げ):第2グループ
第26回 個別相談3(体裁と仕上げ):第3グループfd
第27回 卒論発表会の打ち合わせ
第28回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
次回の授業で扱うテーマに関するテキスト・資料・レジメを事前に読むこと、発表準備を行うこと。さらに、グループ調査の準備や相談、調査研究の準備や予約取りなど実態調査や外部講師招聘の準備などにも主体的にかかわっていただきます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 授業での発表担当箇所についての発表とレジメをレポートととらえて評価します。担当箇所のテキスト等の内容を的確に理解でき、議論を行うために適切な論点を提示しているかを評価基準とします。 |
平常点 | 20 | 議論への参加・貢献度・受講態度(他の受講者の意見を踏まえて自らの考えを提示できる姿勢)の状況を基準とします。 |
その他 | 20 | 実態調査やグループ調査の準備や手配などへの貢献度、受講者間の関係構築に向けた諸活動での貢献度を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席率が70%に満たない者、課題や発表に取り組まなかった者はE評価とします。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
メールやオフィスアワーを利用して指導します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
受講者と相談の上、決定します。
その他特記事項
〔募集人数〕
15名
〔募集方法〕
〇レポート(manaba「レポート」利用)
〇対面面接
〔課題図書〕
〔注意事項〕
当ゼミの研究テーマについての関心が高く、意欲と根気のある学生の入ゼミを希望します。4年次までゼミを履修し、卒業論文を執筆する意志のある学生を前提とします。
なお、2年次あるいは3年次で講義科目「日本経済論」を履修することがのぞまれます。
〔国外実態調査〕
実施しない
ソフトウェアの利用無し