シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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EU経済論 | 2024 | 前期複数 | 水3,水4 | 経済学部 | 佐藤 嘉寿子 | サトウ カズコ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-NE3-56XX
履修条件・関連科目等
特定の国や地域経済の研究には、経済、金融、貿易などに関する様々な知識が必要となる。したがって、基本的な経済学の知識は言うまでもなく、マクロ経済学、国際経済学、貿易論、金融論などを履修済み、もしくは並行して履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>ギリシャの財政危機や英国のEU離脱は我が国のメディアでも大きく取り上げられた。どこに問題があったのか、なぜ解決に時間がかかるのか。EUの外に暮らす我々がこうした問題を理解するためにはEUという統治機構の基本的な仕組みや成り立ちの歴史を理解しておく必要がある。講義では、EUの経済統合(単一市場)と通貨統合(単一通貨ユーロ)の歴史・制度の発展(主として第2次大戦後)と現状を学ぶ。
また2022年2月から始まったロシアによるウクライナへの侵攻についても、あくまで「ヨーロッパ経済」との関わりを中心にしてではあるが、ニュースの紹介などを通じて解説を行う予定である。
科目目的
ヨーロッパにおける経済活動は、EU(European Union=欧州連合)という独自の地域統合が生み出した単一市場と単一通貨の下で営まれている。したがって、ヨーロッパ経済を理解するには、EUの基本的な仕組みを学ぶことが必要である。
到達目標
本講義の到達目標は、(1)ヨーロッパ経済を支えるEUの統合の経緯とともに、その制度的な仕組み・役割について学び(2)EUへの理解を通じて、現在のヨーロッパ経済に関するニュースについて受講生自身の解釈ができるようになることである。
授業計画と内容
1. イントロダクション:講義の概要
2. 世界の地域経済統合とEU統合の独自性(1):地域経済統合とは何か
3. 世界の地域経済統合とEU統合の独自性(2):EUの制度の深化、加盟国の拡大
4. 関税同盟と単一市場(1):関税同盟の効果と限界
5. 関税同盟と単一市場(2):単一市場の制度と中東欧への拡大
6. フランスとEU経済
7. EUの共通政策とEU財政(1):共通農業政策(CAP)の誕生、改革
8. EUの共通政策とEU財政(2):共通通商政策、競争政策、EU財政
9. 通貨協力から通貨統合へ(1):ドルからの自立と通貨協力
10. 通貨協力から通貨統合へ(2):通貨統合とユーロを支える制度(欧州中央銀行制度)
11. ドイツとEU経済
12. ヨーロッパの金融システム(1):ヨーロッパの金融機関と金融単一市場
13. ヨーロッパの金融システム(2):ヨーロッパの金融機関と危機後の金融規制
14. 通貨統合の諸問題
15.英国とEU経済
16.英国のEU離脱
17. EU経済と構造的不均衡(1):EUの産業構造と産業政策、失業問題とその対策
18. EU経済と構造的不均衡(2):地域的不均衡、労働力移動とEU地域政策
19. その他のEU諸国とEU経済(1):南欧諸国
20. その他のEU諸国とEU経済(2):ベネルクス3国、アイルランド、オーストリア
21. EUの東方拡大:冷戦時代の東欧
22. EUの東方拡大:東欧諸国の体制転換
23. EUの東方拡大(中・東欧諸国のEU加盟)(1):市場経済への移行
24. EUの東方拡大(中・東欧諸国のEU加盟)(2):金融危機への対応
25. EUと対外通商政策
26. EUの難民問題、財政統合の課題
27. 新型コロナ危機・不況への対応
28. 今後のEUについて
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
EUの経済、諸制度は非常に複雑である。したがってテキストを用いて各講義に該当する部分の予習・復習をすること。また履修上の注意に挙げた関連科目を履修していない場合は、自主的に学習すること。EUに関連するニュースに普段から注目すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | 期末レポートにて成績評価を行う。詳しくは下記を参照すること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
基本的には期末レポートの点数で成績評価を行うが、質問などを通じて積極的に講義に参加する姿勢や、講義内でも紹介するべきと教員が判断した感想、質問などをおこなった学生には加点をおこなう(氏名は伏せて紹介する)。100点満点中、最大10%程度までレポートの粗点に加点し、100点以上となる場合は切り捨てる。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
講義の中で、EUに関する小レポートなどを提出してもらう場合は、次回の講義で解説などをおこなう。
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:田中素香・他、『現代ヨーロッパ経済 第6版』、有斐閣、2022年。
注意:テキストは「第6版」。ネット通販などで中古本として流通している古い版のものは、内容が大きく異なるので間違えないように。