シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地域経済統合論 | 2024 | 後期 | 金4 | 経済学部 | 郭 四志 | カク シシ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-NE3-57XX
履修条件・関連科目等
国際経済学の知識を有すること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
概要
国際政治経済秩序は、国際金融危機や、米中対立と2大陣営の形成・対抗を契機に大きく変わっている。先進国の世界経済におけるプレゼンスが低下する一方、中国など新興国・地域が台頭し、その存在感が高まっている。昨今、世界経済の構造的転換、つまり経済発展や投資・貿易の主役は先進諸国のみならず、中国をはじめとする新興諸国も主なプレーヤーになって、世界経済の構造が多極化しつつある。新興諸国は・国際市場において人口・マーケット・ミドル・ローエ 日本の経済連携協定(EPA/FTA)等の取組ンドのモノづくりの強みで、積極的にグローバリゼーションに参与し先進諸国と対抗している。中国などと米国をはじめとする先進国間には貿易や投資ビジネスをめぐって摩擦が始まってきた。こうした中、ポピュリズムの台頭に伴う反グローバル主義・保護貿易主義の高揚が米中の貿易・技術摩擦・対立を増幅させ、気候変動が深刻化しつつあり、世界経済の先行き不安や不確実性が高まっている。こうして地域経済統合は新たな変化・チャレンジに直面している。
加えて、2022年2月24日、ロシアのウクライナへの侵攻をきっかけとして専制主義体制と民主主義体制という2大陣営の対立が顕在化し、世界の新冷戦時代は、現実味を帯びつつある。
本講義では、転換期を迎えている国際政治経済の構造多様化やポピュリズム台頭、2大陣営の対立及びその背景を分析し、地域経済統合の歴史的変化・展開を概観し、2大陣営の対立・対抗やグローバルサプライチェーンの分断しつつある中の地域経済統合の動向・新たな変化・展開やその変容している国際政治経済秩序への影響及び日本の立ち位置・影響力を分析、考えてみたい。
科目目的
国際政治経済秩序の変遷に伴い変化・展開してきた地域統合経済の歴史・関連知識を覚え、米中対立・二大陣営対抗といった新冷戦時代の国際政治経済構造や地域統合経済関連の問題発見力と事項分析力を磨く。
到達目標
本講義では、新冷戦時代の国際政治経済秩序が変容している中の地域経済統合問題について、経済学をはじめ、国際政治・国際関係や直接投投資・貿易、環境経済及びイノベーションなど多角的な視点から捉える。的確な問題発見・分析・把握能力を養う。
授業計画と内容
第1回 国際政治経済秩序の変遷と地域経済統合
第2回 欧州、北米、アジアなど地域経済統合の歴史・特徴・現状
第3回、変容しているWTO・IMFなど国際経済システムのガバナンス体制
第4回 新興国台頭によるASEANの国際政治経済の中のプレゼンス・影響力
第5回 米中・二大陣営対立によるグローバルサプライチェーン分断と直接投資・貿易構造の変化
第6回、アジア太平洋地域における経済統合(APEC、RCEP、TPP)の動きとサプライチェーンの再編成
第7回 米国が主導するインド太平洋経済枠組み(IPEF)と中国による「一帯一郎」広域経済圏への対抗
第8回 アジア太平洋地域経済統合における日中両国の位置づけ
第9回 ASEAN地域における日中韓台湾企業など現地事業と企業間の競争
第10回 日本の経済連携協定(EPA/FTA)等の取組
第11回 米中対立や気候変動が深刻化する中の地域経済統合の新たな課題―自由貿易維持の拡大と経済安全保障及び脱炭素化への取り組み
第12回 カーボンニュートラルに向けた日中韓台湾・ASEAN地域の脱炭素産業のサプライチェーンの構築
第13回 今後の地域経済統合の展開に伴う貿易・投資・脱炭素化動きの国際政治経済秩序への影響
第14回 日本ならではの地域経済統合と国際政治経済秩序への影響力と役割
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
英語
Pre-read specified text or research summary
教科書・参考文献を予習・復習してほしい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
期末試験(到達度確認) | 85 | 教科書の主な内容・ポイントを理解し、養ってきた分析力をもって国際政治経済に関連する地域統合問題を分析すること。 (教科書持ち込み可) |
平常点 | 15 | 授業中での発言・討議への参加など。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業内テストを実施:85%
平常点:15%。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストについて、初回目の授業で案内。
参考文献(経済産業省(HP)『通商白書2023 年版』、郭四志『産業革命史―イノベーションに見る国際秩序の変遷』ちくま新書2021年。