シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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外国史概説 | 2024 | 秋学期 | 木2 | 商学部 | 南 修平 | ミナミ シュウヘイ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
CM-OH1-57XL
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本講義では、モノや人、情報や文化が移動し、それらが交じり合う中でつくられていく様相を古代から現代まで概観し、それぞれの時代の歴史的意味を探るものである。外国史(世界史)の学びがグローバル・ヒストリーとして形容されるようになって久しいが、それは地球儀を俯瞰するような形で人々の日々の営みとそのダイナミズムを読み解いていくところに特徴があり、そのことが大きな魅力になっていると考えられる。それぞれの時代にどのような人々がどんなふうに生活し、そうした人々の関係はいかなるものであったのか、またその時代の人々はどのような価値観や考え方をもち、社会の秩序はいかなるものであったのかといったことを探り、なぜそのような社会が成立していたかを多様な角度から考えていきたい。その作業はまさに現在と過去の対話であり、そうした学びが現在を見る視点を涵養すると考えている。
長い歴史のスパンを半期で概観するには、自ずと扱うトピックは絞られるが、教職免許の取得を目指す受講生の科目であることを念頭に、歴史を学ぶ意義とその魅力を提供していくことに専心したい。
科目目的
本科目は、カリキュラム上において商学部リベラルアーツ科目として位置づけられている。
また、本科目は教職免許の取得において必要となる科目の一つでもある。
これらのことから、本科目では教養を深め、知識を身につけることに重点を置き、歴史上の基本的事項をその背景ともに説明できることを目指す。
そして、歴史を学ぶ上で実証性が重要であることを理解するとともに、歴史を様々な角度から検証する姿勢を養うことを目的とする。
具体的には、
・地域や人々の歴史を世界史的観点で俯瞰し、その時代の文脈と関連付けて考える。
・地域や人々の歴史は相互に影響し合っており、その複雑性とダイナミズムを理解する。
ことに重きをおく。
到達目標
・世界史における主要な出来事の歴史的背景を理解し、説明できる。
・人種や階級、ジェンダーなど人びとが関係を結ぶ中で生じる差異や対立の背景を理解できる。
・世界史に関連する多様な史資料にアクセスし、それらを取り扱うことができる。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション―さまざまな歴史、さまざまな視点
第2回 海から見える世界史―古代世界のネットワーク
第3回 ユーラシア世界の変容
第4回 港市がつなぐ人とモノ、文化―東南アジアを中心に
第5回 交易の隆盛から植民地獲得へ
第6回 カリブ海と大西洋―奴隷貿易の実像
第7回 奴隷の社会史―アメリカ合衆国南部の日常
第8回 奴隷制廃止運動の世界化とアメリカ合衆国
第9回 都市の形成と貧困―救貧活動、社会主義、無政府主義
第10回 産業資本主義の発展と大量移民の時代
第11回 人種主義の世界史―博覧会から大衆文化まで
第12回 戦争と革命の時代―総力戦がもたらしたもの
第13回 戦時下の人びと―女性、マイノリティ、人権
第14回 冷戦と熱戦の展開、ソヴィエトの崩壊―変容する世界秩序
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義で扱う時代やトピックに関して、高校世界史の教科書を隅々まで読み直し、予習と復習を欠かさず続けること。講義の内容について理解が深まるだけでなく、高校時代の学びでは気づかなかったさまざまな記述や言及が世界史の教科書に含まれていることが分かるであろう。
教科書と並んで世界史地図も大いに利用してほしい。地図は人とモノのグローバルなつながりを立体的に理解することを促し、テキストの内容を生き生きと再現できる効果を持つとともに、地理的感覚と歴史を総合することで人間の営みを豊かに頭の中に描くことができる。
図書館や書店を利用して大学生向けの世界史入門書を常に参照し、興味を持ったところや詳しく知らなかったトピックについて理解を深めること。入門書の点数は非常に多いので、講義内で随時紹介していく。
世界史に関する資料はオンライン上で多様かつ豊富に発信されている。文献だけでなく、図像や写真、動画などいろいろな資料に容易にアクセスできることから、随時利用することを推奨する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | レポートの課題および作成要領については manaba を通じて詳細を示す。レポートでの問い対して十分な考察を行い、その結果を作成要領に従って適切な形でまとめられているかが評価の基準となる。なお、レポートにおいて、事例の説明に大幅な紙幅を費やす、配布資料の文言をそのまま使い考察がほとんど行われていないといったものは評価対象にならないので注意すること。歴史の講義であるため、史実に対する正確性を求めるとともに、剽窃が疑われるものについては厳格に対処する。 |
平常点 | 30 | 本講義では講義への参加度を成績評価対象に組み込む。毎回の出席は前提であり、出席回数が全体の3分の2に満たない場合は無条件に単位取得資格を喪失する。また、本講義では定期的に講義の進度や難度が適切か、受講生自身が十分な考察を行える内容として講義が提供できているかをはかるため、複数回にわたってコメント用のペーパーを配布・回収する。その提出回数が規定(実施回数の2/3以上)に満たない者は、特別な事情がある場合を除いて無条件に単位を修得する資格を喪失するので注意すること。 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席回数が全体(履修登録終了期間以後の全講義)の3分の2に至らない者については、考慮すべき特別な場合を除いて、レポートなど課題の提出に関わらず、無条件に単位の取得資格を喪失する。
コメントペーパーの提出が実施回数の3分の2に満たないものも同様に単位取得資格を失う。
出欠や課題の提出については厳格に扱う。
コメントペーパーの提出に関して、講義で扱っていないことや問いとはまったく関連しないものが書かれている場合、それらは提出にかかわらずカウントせず、評価対象とはしない(できない)。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
決まったテキストは用いない。スライドや資料を用いて講義を行う。
<参考文献>
水島司『グローバル・ヒストリー入門』(山川出版社、2010年)
小川幸司『世界史とは何か―「歴史実践」のために』(岩波書店、2023年)
前川一郎『歴史学入門―だれにでもひらかれた14 講』(昭和堂、2023年)
など。
その他有用な参考文献については、適宜授業の中で紹介する。
その他特記事項
高校世界史の教科書または大学生用の入門書は必携になる。それらで予習を行った上で講義に臨むことが求められる。特に世界史に関しては初学者であるという場合、念入りな予習や復習は不可欠となる。
平常点に関して「成績評価の方法・基準」で明記しているように、本講義で定めた規定を満たさない場合は無条件に単位の取得資格を喪失するので注意してほしい。
・ソフトウェアの利用なし