シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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理科教育法4 | 2025 | 後期 | 金5 | 理工学部 | 栢野 彰秀 | カヤノ アキヒデ | 4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
QC-TC3-B217
履修条件・関連科目等
・中学・高校理科の教員免許取得希望者が履修するための科目です。
・「教科に関する専門科目」と「理科教育法1~3」が主な関連科目となります。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
皆さんはこれまでに大学で中学・高校の理科授業作りを学び、それを活かして教育実習では作成した学習指導案に基づいて実際に授業を行っています。これらの経験を通して理科の授業を作り、実際に行うための基礎は身につけています。
しかし中学・高校の理科授業では、皆さんが教育実習で行ったような理科授業だけではなく、「理科学習が日常生活や社会とどのように関わりあっているのか」ということが取り扱われる学習も行うように学習指導要領には明記されています。特に中学校では、第3学年で年間の授業数の20%以上を占める割合となっています。加えてこの学習は、総合的な学習(探究)の時間とも密接に関係しています。
「理科学習が日常生活や社会とどのように関わりあっているのか」についての学習は、教師がその目的・内容・方法について正確な理解をもとに、さらに探究の過程を経る授業を展開しなければ学習指導要領の主旨を達成することが極めて難しくなる単元です。中学または高校で行う授業の学習指導案を班ごとに構想し、実践した後、全体で授業協議を行い、最後にまた班で協働して模擬授業と授業協議をふりかえり、構想した学習指導案の改訂・改善を行います。
科目目的
本科目は、今次中学・高校学習指導要領(理科)の改訂の趣旨及び要点を理解し、「理科学習が日常生活や社会とどのように関わりあっているのか」に関する単元の授業を構成し、実践するための実践するためのスキルをつけることを第一の目的としています。
第一の目的を達成するための一つの方途として現在世界で注目されているSTEAM教育を取り上げ、STEAM教育手法を取り入れた授業を構成し、実践するための基礎的スキルをつけることを本科目の第二の目的としています。
さらに、中学・高校で「理科学習が日常生活や社会とどのように関わりあっているのか」に関する単元の授業作りを行う際、エネルギー問題や環境問題が取り上げられることが多いので、エネルギー問題や環境問題の正確な捉えができることが本科目の第三の目的です。
到達目標
・今次学習指導要領に記載された「理科学習が日常生活や社会とどのように関わりあっているのか」についての学習の目的・内容・方法が説明できる。
・STEAM教育を導入した探究の過程を経る中学校理科または高等学校理科各科目の学習指導案が作成できる。
・学習指導案に基づいた模擬授業を行う。
・学習指導案の目的・内容・方法に沿った授業協議ができる。
・模擬授業・授業協議をふりかえり、学習指導案の改善ができる。
授業計画と内容
第 1回:ガイダンス(授業の目的、内容、進め方、評価等)
教育実習の成果と課題の発表と共有
第 2回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の構想1
(STEAM教育学習論)
第 3回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の構想2
(STEAM教育実践論)
第 4回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の構想3
(エネルギー・環境概論)
第 5回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の構想4
(領域コア概念・領域横断概念・科学的・工学的プラクティス)
第 6回: STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の構想発表会
(11月7日(金))
第 7回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の実践1
(中学校エネルギー分野・模擬授業・授業協議)
第 8回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の改善1
(第7回授業の学習指導案の改善)
第 9回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の実践2
(中学校環境分野)
第10回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の改善2
(第9回授業の学習指導案の改善)
第11回STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の実践3
(高校エネルギー分野)
第12回::STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の改善3
(第11回授業の学習指導案の改善)
第13回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の実践4
(高校環境分野)
第14回:STEAM教育を導入した中学・高校理科授業の改善4
(第13回授業の学習指導案の改善)
・第1~14回:ICT・情報機器及び教材の活用を含みます。
・現時点で第6回授業の構想発表会には、他大学の先生方に来学していただき指導を加えていただく予定です。
・授業内容は変更される場合があります。
・定期試験は実施しません。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習
・模擬授業や構想発表会に向けて各グループで学習指導案を作成する必要があります。
・模擬授業実施後の授業協議を踏まえて、改訂版学習指導案を作成する必要があります。
復習
・模擬授業実施後の授業協議を踏まえて、行われた模擬授業をふりかえる必要があります。
・指導案の作り方、授業協議について毎回の授業をふりかえってください。不明な点が多くあると思いますので質問をしてください。
授業終了後の課題提出
・基本的に毎回の授業後に課題を課しますので、締め切り日までに提出してください。提出方法は後にお知らせします。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 20 | 授業への参加・貢献度、受講態度(意見の表明、他の学生と協調して学ぶ態度等)の状況を基準とします。 |
その他 | 80 | 作成した学習指導案及び構想発表会(30%)の状況を基準とします。 模擬授業(30%)の状況を基準とします。 改訂版学習指導案(20%)の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
出席率が75%に満たない者、課題・学習指導案を提出しない者はE判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
「授業時間内で講評・解説の時間を設ける」と「授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う」を併用します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
「授業におけるICTの活用方法」とは、教員が授業でICTを活用するのだけだったら一面的になります。こどもがICTを自由自在に活用できるようになる視点が必要です。この観点からの授業を展開します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
・公立高等学校での教員経験
・教員養成系大学学部での教員養成・教員研修・附属学校の機能強化についての実務経験
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
全ての学習内容に関連があります。教員養成段階の学生の実態、公立学校の子どもの実態に沿った授業内容を提供します。
テキスト・参考文献等
テキスト
教育実習で使った中学または高校の教科書を持参してください。
「理科教育法1~3」で購入した中学校または高校の教科書を持参してください。
各回の授業資料
サブテキスト
文科省:『中学校学習指導要領(平成29年3月告示)解説理科編』,学校図書.
ISBN-10 : 4762506133
文科省:『高等学校学習指導要領(平成30年3月告示)解説 理科編・理数編』,実教出版.
文部科学省のHPからダウンロード可能ですので、皆さんのPCにダウンロードしておいてください。
参考文献等
適宜manabaに掲載するか、授業時に適宜配付します。