シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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生物学実験Ⅰ | 2025 | 前期 | 水6 | 理工学部 | 浅井 智広、岩舘 満雄、上村 慎治、諏訪 裕一、徳山 奈帆子、福井 彰雅、箕浦 高子 | アザイ チヒロ、イワダテ ミツオ、カミムラ シンジ、スワ ユウイチ、トクヤマ ナホコ、フクイ アキマサ、ミノウラ タカコ | 2年次配当 | 1 |
科目ナンバー
QC-TC2-B103
履修条件・関連科目等
生命科学科以外の教職理科志望者は必修。総合3群の生物学1,2と、生物学実験Ⅱも履修する必要があります。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
エネルギー、人口(食料)、環境の3問題に直面している現在、いかなる分野であれ、若い学生にものを教える立場の人間は、上の問題に直接関わるであろう「生命」について知っておくことが必須かと思われます。後期の生物学実験Ⅱと併せ、地球生態系を支える生物の基本的な構造や機能について、細胞から個体、個体群に至る様々なレベルで観察し、生物の特徴である多様性にふれる機会を提供します。そのうえで、生態系におけるヒトの位置づけを理解することも目指します。本講義では、顕微鏡観察法を使った細胞レベルから個体レベルの観察、光合成反応や動物の解剖による体の機能の理解まで、中学・高校の理科教員志望学生のために必要となる基礎的な実験手法を習得する科目としてあります。
科目目的
中学教職理科あるいは高校生物教員として、生物学教育に必要な実験手法・機材・安全管理などの基礎知識を学びます。理科教育は、実物に触れ、実際の現象を観察することから始まる点、教員を目指す学生は特に自然現象に対する自身の好奇心や探究心、理科科目に取り組む意欲が不可欠であることを理解してください。
到達目標
教職における生物学教育に必要な生物学実験の基本作業を習得するとともに、生物と自然の観察方法だけでなく、理科教員としての幅広い素養を身につけることを目指します。
授業計画と内容
第1回 教職実験の目的と諸注意、キャンパス内および公園散策による自然観察
第2回 観察とスケッチの方法:オオカナダモの細胞
第3回 植物の組織と器官:維管束系の観察
第4回 葉緑体の単離:ホウレンソウの葉緑体の単離と分光分析
第5回 光合成色素の分離:液体クロマトグラフィーによる色素分子の分離と同定
第6回 遺伝情報と発現1:GFPなどの蛍光タンパク質を発現する大腸菌コロニーの観察と蛍光スペクトル測定
第7回 遺伝情報と発現2:GFPなどの蛍光タンパク質を発現する大腸菌の遺伝情報の解析
第8回 PCを用いた疑似的な医薬品探索
第9回 動物の組織と器官:プレパラートの観察
第10回 動物の構造1:ショウジョウバエの形態観察
第11回 環境微生物の計数1:無菌操作、培養方法、細菌の計数方法
第12回 環境微生物の計数2:細菌の計数結果と解釈
第13回 動物の構造2:軟体動物の解剖による内蔵の観察
第14回 ヒトの進化:ヒト科頭骨の観察
<実験材料の入手の都合などで、実施の順番や内容を変更されることがあります>
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
野外の生物や自然に常に注意をはらい、興味のあるものについては種名(学名も含めて)を調べたり、生きものの形に興味を持ち、観察することを習慣としてほしいです。ルーペや双眼鏡を持ち歩くことで、より詳細な観察が可能になります。また、生物学に関連する本、TV番組やニュース(医療品開発、環境問題など)に関心を持ってください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり1時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり2時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | 各実験で指定する形式のレポートとしてまとめ、提出します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
現在、中学・高校の理科科目において、実験は生徒の関心や探究する力を養うために重要な位置づけとなっています。また、ヒトも生物の一種であり、生態系の一部です。生物の体の仕組みから生態系まで実際に触れて学んだ経験は、授業実施のためだけではなく、生徒と日常的に接する上でも役立つでしょう。
教職を志す学生にとって、本科目を通じて実験を経験する意義は大きいと考えられます。
テキスト・参考文献等
参考図書:「新課程二訂版スクエア最新図説生物」(第一学習社)などの高校生物で用いる図説を、教職課程を履修する学生は購入することが望ましいです。なお、高校で購入した同等の内容の図説等副教材がある場合はそれを利用する方法もあります。
その他特記事項
理科の一般的な基礎知識と意欲があれば、高校時代に生物未履修でも問題はないと考えられますが、高校教科書(「生物基礎」、「生物」ともに)を入手して自習するなどの努力はおおいに推奨します。