シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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物理学特別講義第六 | 2025 | 夏季集中 | 他 | 理工学研究科博士課程前期課程 | 杉本 茂樹 | スギモト シゲキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SG-MP5-2C37
履修条件・関連科目等
以下のような事柄や用語に慣れていることが望ましい。
・場の量子論の基礎的な事柄(自由場の量子化(スカラー場およびフェルミオン場)、ファインマン図)
・一般相対性理論の基礎(計量テンソル、曲率テンソル、アインシュタイン・ヒルベルト作用)
・微分形式の取り扱い(微分形式、外微分、ホッジ双対)
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
弦理論はあらゆる素粒子とその相互作用を統一する究極の統一理論の候補と考えられている理論であるが、1990年代後半に起こった弦理論の第二革命以来、場の量子論との深淵な関係が様々な形で見出され、注目されている。例えば、弦理論は、QCDに代表されるような強結合の場の量子論に対する思いがけない解析法を提供するなど、場の量子論の性質を理解する上で大変有用な枠組みを与える。また、ある状況において弦理論と場の量子論が理論的に等価になることが予想されており、量子重力理論を場の量子論を用いて定式化する試みもなされている。本講義の主な目的は、そうした発展を理解する上で必要な基礎知識を学び、場の量子論と弦理論の双方への理解を深めることにある。まず、弦の量子化の手続きの概要を紹介し、タイプII超弦理論の低エネルギーにどのような粒子が現れるのかを説明する。特に開弦の自由度を考えることにより、Dブレインと呼ばれる物体の上にゲージ理論が実現されることを見る。そして、いろいろな種類のDブレインを組み合わせることによって、様々なゲージ理論を弦理論の枠内に実現する方法を解説する。そのような系に対して、弦理論において知られているS双対性やホログラフィック双対を適用することによって、場の量子論に関する新たな知見が得られるということをいくつかの具体例を用いながら議論する。
科目目的
弦理論の基礎的な事柄を学びつつ、弦理論と場の量子論の間の関係の理解を
深める。
到達目標
・弦の量子化の概要を理解する。
・Dブレインの基礎を学び、その重要性を認識する。
・超重力理論の作用に親しむ。
・ホログラフィック双対の主張とその根拠を理解する。
授業計画と内容
1. イントロダクション
2. 弦の量子化(弦の作用と古典解)
3. 弦の量子化(量子化の手続き)
4. 弦の量子化(物理的状態)
5. Dブレイン(開弦の量子化)
6. Dブレイン(Dブレイン上の massless 粒子)
7. Dブレイン(交叉した Dブレイン)
8. 超重力理論(タイプII 超重力理論の作用)
9. 超重力理論(超重力理論におけるDブレイン)
10. S双対性(タイプIIB 超弦理論の S双対性)
11. S双対性(N=4 超対称ヤンミルズ理論の S双対性)
12. ホログラフィック双対(基本的なアイディア)
13. ホログラフィック双対(N=4 超対称ヤンミルズ理論のホログラフィック双対)
14. ホログラフィック双対(ヤンミルズ理論とQCDのホログラフィック双対)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業終了後、分からなかったところやより深く知りたいと思ったところを教科書や文献を調べて学習する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 出席を重視する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:特になし。
参考文献:参考資料については、講義の中で紹介します。