シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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刑法Ⅰ(総論)/犯罪の概念Ⅰ | 2025 | 前期 | 金2 | 総合政策学部 | 関根 徹 | セキネ ツヨシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-CR2-0001
履修条件・関連科目等
後期に開講される刑法Ⅱ(各論)/犯罪の概念Ⅱも併せて履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
法律は社会を規律するルールです。しかし、我々は特にそのルールを意識することなく、日常生活を送っています。我々が法律を意識するようになるのは、何らかのトラブルが発生した時です。そのトラブルの最たるものが犯罪です。本授業では、刑法総論の知識を学んだうえで、社会生活の中で生じている犯罪を題材に、それが、学んだ知識を使ってどのように解決されるのかということを学び、国内で生じる問題に対処していく能力を身に着けます。実際に発生した事件を題材にして、問題点は何か、事件はどのように刑法により解決されるのかいうことを考えましょう。刑法Ⅰ(総論)/犯罪の概念Ⅰは、犯罪論の体系に従い、論理的に解決していくことが必要とされますので、本授業で学ぶ事件の解決方法も、基本的には、こうした思考により考えていくことになります。こうした体系的・論理的思考を身に付けることが、本授業の主たる目的となります。ただ、論理的に解決するだけでは適切な結論を得られないこともあります。そのような場合に論理的・体系的思考により得られた結論であるから、不適切な結論でもやむを得ないとして受け入れるのではなく、適切な結論を得るべく修正することも考える必要があります。このような思考は体系的思考に対して、創造的思考ということができるでしょう。本授業では、創造的思考を身に付けることも目的の1つになります。体系的思考だけでうまく解決することができるわけではなく、それを中心としつつ、創造的思考も併せて具体的な事件を解決することができるようになることが重要なのです。これら2つの思考方法を身に着けることは、刑法学だけでなく、社会で生じる様々な問題を考えるうえでも役立つと思われます。
なお、授業は皆さんに発言を求めながら進めていきます。積極的に発言してくれる学生に履修してもらいたいと思います。
科目目的
刑法Ⅰ(総論)/犯罪の概念Ⅰでは、犯罪論の体系に従って、論理的・演繹的に犯罪を分析する能力を身に着けるということが学習の中心になります。具体的には、構成要件該当性→違法性→責任という犯罪論の体系に従って、人間の行為を分析し、それが犯罪になるかどうかということを検討することができるようになることが目的となります。このような体系的思考は、刑法学にとどまらず、様々な場面で必要とされる思考です。
到達目標
この授業では、刑法典1条から72条までの総則の解釈の問題を中心に検討し、専門的知識を修得するだけにとどまらず、それを使って事件を解決する能力を身につけてもらうことを、最終的な目標にしています。その際、犯罪論の体系に従って、論理的演繹的に解決していくことを原則としながら、それでは適切な解答を得られない場合には、それを修正しながら、事例を解決することができるようになるということも目標にします。
授業計画と内容
第1回:ガイダンス(刑法の概観)
第2回:犯罪論の全体像
第3回:罪刑法定主義
第4回:不作為犯
第5回:因果関係
第6回:違法性の基本・正当防衛Ⅰ(正当防衛の要件)
第7回:正当防衛Ⅱ(正当防衛の諸問題)
第8回:故意・錯誤
第9回:実行の着手
第10回:中止犯・不能犯
第11回:共犯論の基本
第12回:間接正犯
第13回:共同正犯
第14回:総括・まとめ(刑法総論の概観)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 刑法総論の知識を使って事例を解決する形式の試験を行います。解答は、 1問題を理解した上で論点を提示することができているか 2論点に対する自説を示すことができているか 3自説に基づいた結論を正しく示しているか という基準により評価します。 |
レポート | 20 | 中間でレポートを課します。レポートの評価については、 1問題を理解した上で論点を提示することができているか 2論点に対する自説を示すことができているか 3自説に基づいた結論を正しく示しているか という基準により評価します。 |
平常点 | 10 | 授業では頻繁に発言を求めるのでその際の発言内容や積極的な授業への参加態度などを総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
試験・レポートの実施時期や方法等は授業が始まってからまた連絡します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業ではレジュメを配布する。
参考書:
髙橋直哉『刑法の授業(上巻)』成文堂(2022年)3300円
只木誠『コンパクト刑法総論 第2版』新世社(2022年)2530円
守山 正・安部哲夫 編著『ビギナーズ犯罪法』成文堂(2020年)3520円
その他特記事項
法科大学院への進学を考えている学生もいるようなので、そのような方にも役立つような内容にしたいと思っています。なお、法学部の学生は、類似の内容をより深く講ずる科目(刑法Ⅰ:刑法総論など)が法学部で設置されているので、この授業ではなく、法学部の授業の方を履修することを勧めます。