シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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刑法Ⅱ(各論)/犯罪の概念Ⅱ | 2025 | 後期 | 金2 | 総合政策学部 | 関根 徹 | セキネ ツヨシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-CR2-0002
履修条件・関連科目等
前期に開講する刑法Ⅰ(総論)/犯罪の概念Ⅰを履修していることが望ましい(犯罪の概念Ⅰで取り扱う内容については一定の理解が得られているものとの前提で授業を進める)。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
法律は社会を規律するルールです。しかし、我々は特にそのルールを意識することなく、日常生活を送っています。我々が法律を意識するようになるのは、何らかのトラブルが発生した時です。そのトラブルの最たるものが犯罪です。刑法Ⅱ(各論)/犯罪の概念Ⅱでは、刑法73条以下の各則に規定されている各犯罪に関する知識を学んだうえで、社会生活の中で生じている犯罪を題材に、それが、学んだ知識を使ってどのように解決されるのかということを学び、国内で発生する問題に対処していく方法を学びます。実際に発生した事件を題材にして、問題点は何か、事件はどのように刑法により解決されるのかいうことを考えましょう。刑法各論は、刑法総論で学んだ犯罪論の体系に従いながら、殺人罪などの個々の犯罪が成立するかどうかということを検討することになります。個々の犯罪の成否を検討する以上は、こうした体系的・論理的思考だけでは、適切な結論を得られないこともあります。そのような場合に論理的・体系的思考により得られた結論であるから、不適切な結論でもやむを得ないとして受け入れるのではなく、適切な結論を得るべく修正することも大切になります。このような思考は体系的思考に対して、創造的思考ということができるでしょう。本授業では、体系的思考とともに創造的思考を身に付けることも目的の1つになります。この授業を通して、2つの思考を駆使しながら、具体的に事件を解決する能力を学びます。
なお、授業は皆さんに発言を求めながら進めていきます。積極的に発言してくれる学生に履修してもらいたいと思います。
科目目的
刑法Ⅱ(各論)/犯罪の概念Ⅱでは、73条以下の各犯罪についての知識を習得し、それを使って各犯罪の成否を検討することができるようになることが目的となります。その際、刑法Ⅰ(総論)で学んだ犯罪論の体系すなわち構成要件該当性→違法性→責任という犯罪論の体系に従いつつ、個々の犯罪が成立するかどうかということを考えていくことになります。
到達目標
この授業では、刑法典73条以下の各則の解釈の問題を中心に検討し、専門的知識を修得するだけにとどまらず、それを使って具体的な事件を解決する能力を身につけてもらうことを、最終的な目標にしています。この目標の中心になるのは、刑法Ⅰ(総論)/犯罪の概念Ⅰで学んだ犯罪論の体系に従いつつ、具体的事例における行為が、各則に規定されているどの犯罪になるのか、という判断をすることができるようになるということになります。
授業計画と内容
第1回:ガイダンス(前提知識の確認)
第2回:殺人の罪
第3回:傷害の罪
第4回:住居侵入罪・業務妨害罪
第5回:財産犯の概要・窃盗罪Ⅰ(占有の意義など)
第6回:窃盗罪Ⅱ(不法領得の意思など)
第7回:強盗罪
第8回:詐欺罪
第9回:横領罪・背任罪
第10回:放火罪
第11回:文書偽造罪
第12回:犯人隠避罪・証拠隠滅罪
第13回:賄賂罪
第14回:総括・まとめ(刑法各論の概観)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 70 | 論述式の事例問題により評価します。解答の評価については、 1問題を理解した上で論点を提示することができているか 2論点に対する自説を示すことができているか 3自説に基づいた結論を正しく示しているか という基準により評価します。 |
レポート | 20 | 授業の中間期にレポートを課します。レポートの評価については、 1問題を理解した上で論点を提示することができているか 2論点に対する自説を示すことができているか 3自説に基づいた結論を正しく示しているか という基準により評価します。 |
平常点 | 10 | 授業では頻繁に発言を求めるのでその際の発言内容や積極的な授業編の参加態度などを総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
試験・レポートの実施時期や方法等は授業が始まってからまた連絡します。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
授業ではレジュメを配布する。
参考書:
髙橋直哉『刑法の授業(下巻)』成文堂(2022年)3300円
只木誠『コンパクト刑法各論』新世社(2022年)2695円
守山 正・安部哲夫 編著『ビギナーズ犯罪法』成文堂(2020年)3520円
その他特記事項
法科大学院への進学を考えている学生もいるようなので、そのような方にも役立つ内容にしたいと思っています。なお、法学部の学生は、類似の内容をより深く講ずる科目(刑法Ⅱ:刑法各論など)が法学部で設置されているので、この授業ではなく、法学部の授業の方を履修することを勧めます。