シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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グローバリゼーションと市民社会 | 2025 | 後期 | 木3 | 総合政策学部 | 目加田 説子 | メカタ モトコ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PS-IF2-0002
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「グローバリゼーションと市民社会」では、国際社会の中でNGOがどのように位置付けられてきたのか、その起源から現在に至るまでの流れを俯瞰した上で、NGOが大きな役割を果たしたとみられている平和・軍縮、開発、環境、経済、保健医療等の分野で具体的事例を扱います。過去取り上げて来た事例は、核軍縮、通常兵器(対人地雷やクラスター爆弾、小火器)、債務帳消し運動、京都議定書、社会開発フォーラム、必須医薬品キャンペーン、国際刑事裁判所等があります。また、昨今NGOは多国間条約に代表されるグローバル規範形成に積極的に参画していますが、その現状及びその世界的連携に日本のシビルソサエティがいかに関わっているのか、といった点に主眼を置きながら分析を試みます。
更に、国際援助の現場に直接関わっているNGOや民間企業等の当事者をゲストに招き、現場の経験から私たちが考えるべき課題を検証します。
科目目的
国際協力や支援、国際規範形成等の現場においてNGOは具体的にどのように関わっているのか。そもそもなぜ、政府や国際機関と同様にNGOが関わる必要があるのか?NGOにはどのような役割が期待されているのか?具体的にどのような活動を通じて、どこの誰、或いはどのような制度設計に寄与してきたのか?
一見、抽象的にしか捉えにくいNGOと国際社会の関係について、様々な事象の検証を通じて理解を深めることを目的とします。
到達目標
グローバル化時代の特徴を踏まえつつ、現代社会を構成する主体としてなぜ政府や民間企業、そして国際機関と共にシビルソサエティが注目されるようになったのかについて考察し、理解を深めます。とりわけ、NGO等市民社会アクターの国境を越えた繫がりと役割、そしてこれらのアクターと他のアクターとの協働関係について、具体例を用いて理解することを目指します。
そして、学生が「政府間交渉にNGOが介在することのメリットは何処に認められるのか?」「国交のない国家間において、なぜNGOは交流しているのか?」「SDGsを達成するためにNGOは民間企業に何を求めているのか?」「どうやってNGOは国際機関(例えば国際刑事裁判所や国連難民高等弁務官事務所など)と協力しているのか?」等の問に答えられるようになることが到達目標です。
授業計画と内容
第1回 概要説明
第2回 世界の市民社会①(国際赤十字委員会(ICRC)の発足と人道法の発展等)
第3回 世界の市民社会②-1(国際連合や他の国際機関創設の経緯等)
第4回 世界の市民社会②-2(冷戦後の特徴等)
第5回 外部講師(予定)
第6回 グローバリゼーションとNGO事例①(対人地雷禁止運動)
第7回 グローバリゼーションとNGO事例②(人道的軍縮とESG)
第8回 グローバリゼーションとNGO事例③(パーム油)
第9回 外部講師(予定)
第10回 グローバリゼーションとNGO事例④(五輪や万博等のメガイベント)
第11回 グローバリゼーションとNGO事例⑤(BOPビジネス等)
第12回 外部講師(予定)
第13回 グローバリゼーションとNGO事例⑥(民主化運動)
第14回 講義内で検証しきれなかった事例等紹介及び総括
尚、外部ゲストの予定により内容が変更する可能性があるため、必ず初回に配布するシラバスを参照して下さい。
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 授業の最後に講義内容の理解度を問うショートテストを3回実施(10%×3=30%) |
期末試験(到達度確認) | 40 | 講義内容に即した期末試験 |
レポート | 30 | 外部講師講義の翌週の授業開始時までにmanabaでリアクションペーパー3本(10%×3=30%)を提出 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績は、授業内で実施するショートテスト、リアクションペーパー、期末試験の結果で総合的に評価するため、単位取得には全授業の出席が前提となります。尚、ショートテストの実施日は事前通告しませんのでご注意下さい。
授業時のパソコン・スマートフォンの使用は認められません。毎講義時に配布するレジュメを参考に各自ノートをとって下さい。配布レジュメは講義から2週間はmanabaでダウンロード可能な設定にします。
また、事前・事後連絡のない場合には欠席扱いとなりますのでご注意ください:
*部活やゼミ研修等で欠席する場合には、事前に連絡して下さい
*病気やご家族の事情等で欠席した場合には、後日、医師の診断書/保護者の事情説明書等を提出して下さい
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
公益法人、シンクタンク・研究機関、民間報道機関等の勤務経験に加え、1998年にNGOの創設に関わって以来現在まで副代表や理事という立場で運営に携わっています。また、全国的NPOの中間支援組織や公益法人等、複数の団体の評議委員や役員、助成財団の審査委員等を務めています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上述した実務経験で培った人脈ネットワークを活かし、時機に応じた外部ゲストを招いて学生の学びに貢献します。
テキスト・参考文献等
■教科書:指定しませんが、講義内容に即した文献やNGOの調査報告書等を適宜紹介します。
■参考文献:
・五百旗頭真、入江昭、大田弘子、山本正、吉田慎一、和田純『「官」から「民」へのパワーシフト――誰のための「公益」か』TBSブリタニカ、1999年。
・入江昭『平和のグローバル化へ向けて』NHKライブラリー、2001年。
・目加田説子『国境を超える市民ネットワーク』東洋経済新報社、2003年。若井晋編『学び・未来・NGO』新評論、2001年。