シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊講義A1(ドキュメンタリー論) | 2024 | 前期 | 木4 | 国際情報学部 | 松野 良一 | マツノ リョウイチ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-OI2-SE21
履修条件・関連科目等
特殊講義(ジャーナリズム論)と併せて履修することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ドキュメンタリーとは、記録映像のことです。
フィクションの映画やドラマではありません。
撮影された映像は、その瞬間の事実をとらえたものです。
しかし、ニュース映像のような短いものではありません。最低でも3~5分以上はあります。
ドキュメンタリーとは、撮影された映像やインタビューを材料にして、監督が自分の問題意識、視点で構成し、芸術性を含んだ映像作品として完成されたものです。
ジャーナリズム・マインドが背景にありますが、それだけではなく、芸術性が加味されているものが、ドキュメタリーです。
これまで私が指導した学生が制作したドキュメンタリーでも、10分~45分はあります。TikTokやYouTubeのように短い映像なら視聴できますが、10分以上視聴に現代人が耐えられるでしょうか?
しかし、私たちは、1時間ドラマや2時間もある映画を視聴できます。
それは、「物語」があるからです。
だから、ドキュメンタリーとは、ノン・フィクションだが、監督によって構成された物語(Story Telling)映像だと言えます。
本講義は、基本的に学生が制作しコンテストで受賞したドキュメンタリー作品を視聴しながら、ドキュメンタリーの企画から撮影、構成、編集、完パケまでのプロセス、問題意識や視点、ディレクションの仕方、10分以上の映像作品を視聴してもらう技術(コツ)などを解説します。
授業の手順は、
班分け→上映→ディスカッションと発表→解説、という順番で進みます。
遅刻しないようにお願いします。
ただし、作品が多い場合は、事前に視聴してきてもらい、ディスカッションと解説だけ行うことがあります。
科目目的
①ドキュメンタリーとドラマ・映画の違いについて学ぶ。
②10分以上のドキュメンタリーがどのように制作されるのかについて理解を深める。
③ドキュメンタリーを制作するうえでの問題意識、視点について学ぶ。
到達目標
①ドキュメンタリーとは何かについて理解する。
②社会現象、社会問題を、どのように映像で描くのかについての技術とディレクションについて学ぶ。
授業計画と内容
一部を除き、学生が制作した作品で、各種コンテストで入賞した秀作を視聴して議論する。
第1回 ガイダンス(ドキュメンタリーとは何か)
第2回 企画プロデュース「合コンの記録からドキュメンタリーへ」
第3回 同時進行ドキュメント「勝つためにここに来た」試合の記録からドキュメンタリーへ
第4回 記録型ドキュメントとStory Telling「会議の記録からドキュメンタリーへ」
第5回 人間を描く「顔面紙芝居」「ハンセン病を生きる」
第6回 インタビュードキュメンタリー「私は何者なのか?台湾人学徒の証言」
第7回 人物ドキュメント「歴史に生きる医師」
第8回 歴史ドキュメンタリー「知覧の米兵慰霊碑」
第9回 沖縄問題を描く「お笑い米軍基地」
第10回 学生生活を描く「オンライン真空地帯」「中国人留学生が体験した夏祭り」
第11回 大学のOBと特攻隊「南西諸島の空から」
第12回 地域の戦争の記憶「戦禍を生きた招き猫」「Ruins-廃墟になった八王子」
第13回 ベトナム戦争と日本人を描く「戦車揚陸艦と枯葉剤を運んだ日本人」「戦車は動けない」
第14回 東日本大震災と福島原発「故郷よ!-更地になった現場から-」
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業中に指示する書物、映画などについて、事前事後に読み込み、視聴することが望ましい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 8割以上の出席を前提とする。 その上で、 授業後に毎回提出するリアクションペーパーの総合点。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
オンラインを使った講義とディスカッションの可能性あり。
事前にオンデマンド形式のコンテンツを視聴してもらう反転学習を取り入れる可能性がある。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当教員は、1982年4月~1991年12月の期間、朝日新聞社の記者として、社会部関連の事件事故、疑獄事件の取材に当たった後、1992年1月~2003年4月の期間、TBS東京放送でディレクター・プロデューサーとしてドキュメンタリー番組の制作およびデジタル番組の開発を担当した。さらに、TBS在職中には、1996年8月~1997年9月の期間、フルブライトジャーナリストとしてHarvard Medical School, Center for Bioethicsに研究員留学した。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
この実務家としての経験によって得られた知見は、授業内容に直接的に深く関係している。新聞記者としての経験は、テレビディレクター・プロデューサーとしての経験、および、学生へのドキュメンタリー制作指導の実績は、全14回に反映されている。
授業で使用するドキュメンタリー作品やルポルタージュなどの教材の大半は、松野ゼミ生が制作したオリジナル作品である。
テキスト・参考文献等
授業中に、独自作成の資料をPDF配布する。
その他特記事項
毎回、リアクションペーパーを提出してもらう。