シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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現代イギリス小説(1) | 2025 | 前期 | 火4 | 文学部 | 梶山 秀雄 | カジヤマ ヒデオ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-LT2-B207
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ピーター・ケアリー(Perter Carey)は、オーストラリア出身の作家で、国際的に高い評価を得ている現代文学の巨匠である。人間の心理や文化的アイデンティティ、植民地主義の影響を深く掘り下げた作品で知られている。ケアリーは、ブッカー賞を二度受賞した数少ない作家の一人で、代表作には 『オスカーとルシンダ』(Oscar and Lucinda, 1988) (後に映画化)や 『ケリー・ギャングの真実の歴史』(True History of the Kelly Gang, 2000) があり、そのユニークな語り口と、歴史的事実とフィクションを巧みに融合させるスタイルを特徴としている。
本講座では、ケアリーの長編小説 『ジャック・マッグス』(Jack Maggs, 1997) を深く読み解く。この作品は、チャールズ・ディケンズの名作『大いなる遺産』(Great Expectations) を大胆に再解釈した歴史小説であり、ヴィクトリア朝時代のイギリスとオーストラリアを比較対照しながら、植民地主義、階級社会、アイデンティティの問題を探ることを目的とする。
初回にまず作家についての概説をした後、毎週一定のペースで読み進める。授業ではポイントとなる部分にスポットライトを当てて解説する。回をこなすにつれて、部分的な解釈から作品全体の解釈へと展開していく。
科目目的
今日のイギリスの文壇を代表する作家の作品に触れ、その作家の他の作品を読むきっかけを作ること。現代イギリス小説一般への関心を高めること。文学作品の批評的な読みかたの基礎を習得すること。
到達目標
ケアリーの文体や語りの構造を分析し、ポストコロニアル文学の視点を学ぶこと。ディケンズの原作との比較を通じて、文学の改変や対話の意義を考察すること。植民地主義が個人や社会に及ぼす影響を読み解き、現代にも通じるテーマを発見すること。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション
第2回 Chapter 1-7
第3回 Chapter 8-15
第4回 Chapter 16-23
第5回 Chapter 23-30
第6回 Chapter 31-38
第7回 Chapter 39--46
第8回 Chapter 47-54
第9回 Chapter 55-62
第10回 Chapter 63-70
第11回 Chapter 71-78
第12回 Chapter 79-86
第13回 Chapter 86-91
第14回 総括・まとめ
(以上は予定であり、変更はありえる)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回の講義に向けて原書の指定範囲に、ざっとで良いので必ず目をとおしておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | 講義全体を振り返り、各自の視点から作品全体を考察する。 |
平常点 | 30 | 各週の講義で取り上げた問題群への感想、疑問点などをアンケートの形で提出する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
Peter Carey, Jack Maggs
Faber and Faber、ペーパーバック版
生協に入荷される版を購入のこと。
参考文献:
Charles Dickens, Great Expectations
こちらはどの版でも可。
その他特記事項
文学史も含めて英文学についての予備知識は特に必要としない。