シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ドイツ社会誌(2)(4) | 2025 | 後期 | 金3 | 文学部 | 磯部 裕幸 | イソベ ヒロユキ | 1~3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DT1-C504,LE-DT1-C506
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業テーマ:「二つの『全体主義』:ナチズムとスターリニズム」
本授業では、20世紀における「全体主義」の典型例とされる、ナチ体制およびスターリン支配下のソ連に焦点をあて、それらを比較することで支配体制やイデオロギーの構造を把握していきたい。ドイツでは1986年に始まる「歴史家論争」の議論に見られるように、長らくナチズムの過去は他国の事例と比較不可能であり、そうした試み自体がナチ体制下の国家犯罪を相対化する企てであるとされてきた。しかし冷戦の終結から30年余りが経過し、ようやく冷静な議論が始まりつつある。
この授業では、まず戦後の西ドイツにおいてナチズムの「比較可能性」がタブーとされてきた経緯を確認する。そしてヒトラーとスターリンが、それぞれ国内でどのような支配体制を築いたのかを検討し、あわせてそこには何が共通し、何が異なっているのかを政治・経済・住民の動員などといった項目ごとに考えていく。こうした比較は、それが特定の政治的主張に奉仕するものでなければ、我々の歴史認識を豊かにし、また広く日本の過去をめぐる問題にも、有益な視座を与えてくれるだろう。
科目目的
本授業では、ナチ体制下のドイツ社会について、その基本的知識を習得するとともに、同時代のソ連の歴史と比較することで、より多面的に捉えることを目指す。さらに、そうした視点を、日本の過去の問題を考える上での準備とすることにしたい。
到達目標
本科目では、主にドイツ近現代史を学ぶことによって、人間社会に対する深い理解と広範な知識の修得を目指す。そして自ら問いを立て、他者との議論を通じて新たな知を創造することを最終的な到達目標とする。
授業計画と内容
授業予定
(変更の可能性あり)
第1回 導入:「独裁」の20世紀―世界史からの問い
第2回 タブーとなった「比較」:80年代「歴史家論争」に至る道
第3回 ナチズムの「比較史」:最近の研究動向から
第4回 体制比較研究(1):ナチによる「権力掌握」
第5回 体制比較研究(2):ロシア革命の経緯
第6回 資本主義の「克服」:ヒトラー「四ヵ年計画」とスターリン「五ヵ年計画」
第7回 大衆動員のあり方(1):ナチの「民族共同体」思想
第8回 大衆動員のあり方(2):スターリン体制下における労働者
第9回 「排除の論理」(1):ナチによる迫害
第10回 「排除の論理」(2):共産主義体制下における「階級の敵」
第11回 「粛清の論理」(1):ナチによる「強制収容所」の歴史
第12回 「粛清の論理」(2):スターリンの「シベリア」
第13回 「歴史」という重荷(1):戦後ドイツと「過去の克服」
第14回 「歴史」という重荷(2):「スターリン批判」と「非スターリン化」
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | 出席は取らない。学期末課題(レポート。分量は4000-6000字程度)の成績で評価する。学期末課題の詳細(体裁・提出期限・提出方法)については、追って連絡する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは特に定めない。授業用プリントを配布する。適宜授業にて参考文献を紹介する。