シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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美術史各論(2)B | 2025 | 後期 | 火2 | 文学部 | 阿部 成樹 | アベ シゲキ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-HR2-D454
履修条件・関連科目等
美術史美術館コースの選択必修科目です。このコースのカリキュラムで学修する学生にとって効果的な内容です。特に、「フランス美術史」「美術史概論」を既修または履修中であることが強く望まれます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
テーマ:芸術哲学入門
古代ギリシアのプラトン以来、多くの西洋の哲学者たちが、芸術について考えてきました。芸術とは本当に必要なのか、いつの時代でも同じように重要なのか、作品とモノとはどう違うのか、などなど。
ふだんあまり突き詰めることのないこうした問題を煮詰めていくと、何となく親しみを持っていた美術や芸術が、不思議なものに見えてくるかもしれません。また、芸術作品に接したときの体験をかえりみて、その意味をとらえかえすことにつながるかもしれません。なぜあの作品は私をあれほど感動させたのか、というように、芸術にはあらためて考えると分からないこと、謎が多くあります。
この講義では、フランスその他の代表的な芸術哲学の思索をみなさんと共に追い、私たち自身の経験とつき合わせながら、吟味してみることにします。
科目目的
芸術哲学は、その方法の面では美術史とは異なる学科です。しかし、美的対象、美的体験全般を扱う美学に比べると、芸術を考察の対象とする点で、美術史の姉妹分野ともいえます。美術史が美術に歴史的視点からアプローチするのに対して、芸術哲学は理性的・理論的に解明することを目指します。
美術史では普通、「芸術とは何か」「芸術作品の体験とは何か」ということをあらためて考えることはありません。しかし、そうした問いへの回答は、無意識のうちに前提としているのかもしれません。こうした無意識の前提をあえて再考することは、美術史を学ぶ上でしっかりした基礎づくりになったり、新しい視野を切り開くきっかけになることが期待できます。
今まで漠然と抱いていた「美術」「芸術」のイメージ(それが間違いというわけではありません)を、自分の足元を見直すつもりで再考してみましょう。
到達目標
芸術や芸術作品、芸術体験について、感覚的・主観的にではなく理性的に考える姿勢を身につけること。
その材料・手本となる考え方を学ぶこと。
それを通して、美術史を学ぶ上での基礎や示唆を得ること。
授業計画と内容
1)イントロダクション|「芸術の哲学」は可能か
2)模倣(ミメーシス)|プラトン1
3)美と芸術創造|プラトン2
4)問題としての趣味|カント1
5)天才と諸芸術|カント2
6)芸術と意志|ショーペンハウアー
7)芸術の運命|ヘーゲル1
8)美の理念|ヘーゲル2
9)想像力:諸能力の女王|ボードレール
10)想像的なものの批判的考察|アラン
11)芸術家:ディオニュソスの発見|ニーチェ
12)芸術と真理|ハイデガー
13)表現|メルロ=ポンティ
14)全体のまとめ
*構成は、下記のテキストに沿っています。
*受講生の理解度を見ながら進行しますので、各回の内容は変更することがあります。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義中に紹介する参考書等について、自らの関心に応じて選択して読解し、関連する知識を得てください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 期末レポートとして、講義内容から自らの関心のあるテーマを引き出し、展開・考察したものを提出します。 |
平常点 | 40 | 授業への出席と、受講姿勢を測ります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
フィールドワークとして、美術館等の見学を行うことがあります。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaおよびGoogleドライブを通じてコミュニケーション、資料共有等を行います。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
以下をテキストとして使用します。
ラコスト、ジャン(阿部成樹訳) 『芸術哲学入門』白水社文庫クセジュ、2002年.
新書版、169ページ
現在は版元品切れで入手できないので、コピーを配付します。
参考書については、教室で紹介します。
その他特記事項
・スライドの撮影は、固く禁じます。その他、受講のマナーについて成績評価に加味することがあります。
・中央大学文学部が加入している「国立美術館キャンパスメンバーズ」を利用することで、東京の3国立美術館(国立西洋美術館、国立近代美術館、国立新美術館)に優待料金(学生料金から割引。常設展示は原則として無料)で入館することができます。積極的に利用しましょう。
参考URL
美術史美術館コース ウェブサイト
https://arthistory.r.chuo-u.ac.jp/
国立美術館キャンパスメンバーズ
https://www.campusmembers.jp/