シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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生活史・心性史の方法 | 2025 | 前期 | 火2 | 文学部 | 前田 弘毅 | マエダ ヒロタケ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OH2-G213
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では、ユーラシア世界における文明や諸政体の歴史的特徴を、地理空間と生活文化に注目しながら学んでいく。
具体的には次の二つの柱を据える予定である。授業の前半では、ユーラシア地政学を具体的な事例をもとに学んでいく。平原の国モンゴル、山岳国ジョージア、海と内陸世界のぶつかるトルコの3国を例にとりながら、それぞれの歴史と生活文化の特徴について論じる。たとえばモンゴルでは遊牧帝国、ジョージアでは奴隷軍人、トルコでは「二つの海」支配の特徴などのトピックを取り上げる予定である。
さらに、授業の後半では、こうした自然世界と人間の関わりを特徴的に示す素材として、ワインを本授業のもうひとつの柱として取り上げる。特に世界最古のワイン醸造国ともされるジョージアにおける伝統的なワイン文化に注目する。8000年ともいわれるその歴史の中で、キリスト教を国教として受容した意味や、ソ連期における変容、さらに独立以降の歩みなど、その現代史的側面についても解説を加える。また、世界無形文化遺産にも登録された、地中に埋めた甕クヴェヴリを用いる独自の伝統的ワイン製法についても紹介する。
科目目的
ユーラシアの歴史と生活文化に関する基礎的な知識を獲得する。
到達目標
ユーラシア各地の歴史と生活文化を結びつけて学ぶことにより、世界史の教養を深める。生活史の地域的特性についての専門的な知識を獲得し、ユーラシア史と生活文化について、深い洞察力を修得して、自らで考える力を涵養する。
授業計画と内容
1.ガイダンス
2.モンゴルから考えるユーラシア平原地域の歴史と生活文化
3.同平原地域の歴史・モンゴル帝国
4.ジョージアから考える同山岳地域の歴史と生活文化
5.同山岳地域の歴史・ジョージア王国
6.トルコから考える同平原・海域地域の歴史と生活文化
7.同平原・海域地域の歴史・オスマン帝国
8.中間総括
9.ジョージア・ワイン総説
10.ユーラシア最古のワインの里
11.ジョージア・クヴェヴリ・ワインの秘密
12.国民文化としての宴~スプラとタマダの世界
13.ジョージア・クヴェヴリ・ワインの将来
14.総括と到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 20 | 課題図書に関するレポートを中間課題として課す。 |
期末試験(到達度確認) | 30 | 学期末に、授業内容の理解を問う試験を課す。 |
平常点 | 50 | 授業時の取り組み、特に原則毎回配布するリアクションペーパー(授業内容のまとめや理解度確認の項目を設定する)によって評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業中に適宜問いかけやディスカッションの時間を設けることがある。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
原則としてレジュメ等を毎回配付するが、ジョージア・ワインについては前田・ワーデマン『ジョージア・ワイン・ルネサンス』(群像社、2025年刊行予定)』を使用する予定である。
参考文献は授業時に適宜指示する。全体に関連する概説書として、キング『黒海の歴史:ユーラシア地政学の要諦における文明世界』(明石書店、2017年)、ジョージア・ワインについては島村・合田・北嶋『ジョージアのクヴェヴリワインと食文化: 母なる大地が育てる世界最古のワイン伝統製法』(誠文堂新光社、2017年)を参照のこと。
その他特記事項
・原則として毎回リアクションペーパーを提出する。
・受講者の状況、希望に応じて、授業の一部の内容や形式を変更することもある。