シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東洋史学研究法 | 2025 | 前期 | 金5 | 文学部 | 阿部 幸信 | アベ ユキノブ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OH2-G107
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
東洋史学ならびに東洋史学の背景にある近世以降の歴史学全般について、その研究史と展開過程、ならびに方法論を学びます。
東洋史学は近代日本が生みだした、独特な学問分野です。この授業では、東洋史学という学問について深く知るために、(1)「東洋」概念の発生とその研究史、(2)東洋史学の誕生とそれが「世界史」研究の中で占める位置、(3)東洋史学を含む歴史学の学問としての性質、という3つの観点から議論を展開していきます。半年間の履修をとおして、「東洋史学」「歴史学」という学問のイメージをつかむと同時に、その研究史と時代背景との密接な関係について思いを致してください。その果てに、東洋史学を学ぶ意義がみえてくるはずです。
科目目的
東洋史学・歴史学を学ぶうえで必要な基礎的知識を身につけることを主たる目的とします。
ここでいう「基礎的知識」には、東洋史学・歴史学に関するものだけでなく、日本史学・西洋史学、あるいは人文地理学・文化人類学・比較文明学など、隣接する諸領域についての知識を含みます。従って、東洋史学・歴史学を専攻しない方に対しては、「関連する諸領域の中において、東洋史学・歴史学がどのような位置を占めるか」についての知識を提供します。
到達目標
1.「東洋」という概念の成立と展開について、時代背景と結びつけて説明できる。
2.歴史学の学問としての性質について説明できる。
3.東洋史学が世界史研究の中で占めてきた位置について、時代背景と結びつけて説明できる。
4.東洋史学の今日的意義について、その学問としての性質や研究史をふまえながら、見解を提示できる。
授業計画と内容
1.「東洋」はどこに?
2.「オリエント」「東洋」観の変容
3.オリエンタル・スタディーズ
4.東洋史学の成立
5.1920~40年代の「東洋史」「アジア史」論
6.「歴史的世界」論とその背景
7.人文地理学とその周縁
8.地政学からみた世界史
9.文化・文明の多様性と世界史
10.近代歴史学と「新しい歴史学」
11.『地中海』と「世界システム」論
12.グローバル・ヒストリー
13.小結――「史学概論」にむけて
14.総括・まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
[予習]
各授業回の前に、指定された参考文献をに目を通し、内容の概略を把握しておいてください。難解な本もありますが、すべて理解できなくても構いません。
[復習]
授業中に多数の関連文献が示されます。毎回そのうち最低1冊(ないし1篇)を読んで、授業内容に対する理解を深めてください。また、授業中に課題が指示された場合には、必ず取り組んでください。
この授業は情報量が膨大なため、復習を怠るとすぐについていけなくなります。決しておろそかにしないでください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 到達目標の達成度をはかる期末試験を行い、その成績に基づき評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト]
固定したテキストは用いません。必要に応じて、授業中に資料を配付することがあります。
[参考文献]
下記は予習のためのもので、これ以外の関連文献は授業中に提示します。冒頭の数字は授業の回数に対応しています。
1.仁井田陞『新装版 東洋とは何か』(東京大学出版会UPコレクション、2013年、ISBN:978-4-13-006507-8)
2.E.サイード『オリエンタリズム』上・下(平凡社ライブラリー、1993年、ISBN:978-4-582-76011-8、978-4-582-76012-5)
3.高田時雄(編著)『東洋学の系譜 欧米編』(大修館書店、1996年、ISBN:978-4-469-23130-4)
4.金子民雄『西域 探検の世紀』(岩波新書、2002年、ISBN:978-4-00-430776-1)
5.永原慶二『20世紀日本の歴史学』(吉川弘文館、ISBN:978-4-642-07797-2)
6.K.マルクス『経済学批判』(岩波文庫、1956年、ISBN:978-4-00-341250-3)
7.L.フェーヴル『大地と人類の進化』上・下(岩波文庫、1971・1972年、ISBN:978-4-00-334511-5、978-4-00-334512-2)
8.梅棹忠夫『文明の生態史観ほか』(中公クラシックス、2002年、ISBN:978-4-12-160041-7)
9.S.ハンチントン『文明の衝突と21世紀の日本』(集英社新書、2000年、978-4-08-720015-7)
10.J.ホイジンガ『中世の秋』I・II(中公クラシックス、2001年、ISBN:978-4-12-160000-4、978-4-12-160006-6)
11.E.ウォーラーステイン『近代世界システム』1・2(岩波モダンクラシックス、2006年、ISBN:978-4-00-027143-1、978-4-00-027144-8)
※新版もありますが、この版のほうがコンパクトです。内容は基本的に同じです。
12.J.ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』上・下(草思社文庫、2012年、ISBN:978-4-7942-1878-0、978-4-7942-1879-7)
13.E.H.ノーマン『クリオの顔――歴史随想集』(岩波文庫、1986年、ISBN:978-4-00-334371-5)
その他特記事項
質問は、基本的に授業終了後にその場で受け付けます。それ以外の時間を希望する人は、あらかじめ申し出て、アポイントをとってください。
manabaの「個別指導コレクション」からご質問いただくこともできます。その場合、回答には少し時間を要する場合がありますので、あらかじめご承知おきください。