シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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グローバルヒストリー入門 | 2025 | 前期 | 水1 | 文学部 | 末野 孝典 | スエノ タカノリ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-HT2-G214
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近代歴史学が誕生して以来、歴史学は実にさまざまな立場や方法が採られてきました。グローバルヒストリーはそのひとつの潮流として、2000年代以降に急速に発展してきた分野といえます。本講義では、グローバルヒストリーについての基本的な考え方を理解するために、(1)近代歴史学と「新しい」歴史学の学問的性格の違いについて、(2)グローバルヒストリーが現れた時代背景とその特徴について、(3)グローバルヒストリーの実践面について、の三つの観点から議論を進めていきます。これらの議論を通して、グローバルヒストリーが突如として生まれた歴史理論ではなく、これまでの歴史学の議論の積み重ねのなかで培われてきた歴史を見るための有効な視座のひとつであることを理解することを目指します。
科目目的
グローバルヒストリーについて考える・実践するための基礎知識を提供します。
到達目標
1. 歴史学を研究するための基本的な技法について説明することができる。
2. 近代歴史学の学問的性格を踏まえたうえで「新しい」歴史学の諸特徴について説明できる。
3. グローバルヒストリーのアプローチ方法について説明することができる。
4. グローバルヒストリーとは何かについて、本講義の内容を理解したうえで説明できる。
授業計画と内容
第1回 イントロダクションーー「世界」史とは?
第2回 「世界史」観の変遷を辿る――聖書的な世界史から実証的な世界史へ
第3回 近代歴史学の成立――国民のための歴史の誕生
第4回 「新しい」歴史学①:ブローデルと長期持続
第5回 「新しい」歴史学②:ウォーラーステインと「近代世界システム」論
第6回 「新しい」歴史学③:カリフォルニア学派と大分岐論争
第7回 「新しい」歴史学④:ポストコロニアリズム
第8回 グローバリゼーションの歴史学
第9回 グローバルヒストリーにおける時間――広い歴史と狭い歴史
第10回 グローバルヒストリーにおける空間――拡張する空間と収縮する空間
第11回 思想のグローバルヒストリー
第12回 グローバルな歴史を叙述する――誰のための歴史なのか
第13回 グローバルヒストリーとは何か――その可能性と限界を考察する
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 到達目標の達成度をはかる期末試験を行い、その成績に基づき評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用しない。必要に応じてmanabaで資料を配布する。
グローバルヒストリーの大枠を知るためには、一般向けの概説書を読むとよい、下記はその一例である。
水島司『グローバル・ヒストリー入門』(世界史リブレット)、山川出版社、2010年。
また各授業で扱うトピックを知るために読むべき文献を挙げることもある。