シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東アジア史演習(1)A(3)A | 2025 | 前期 | 金3 | 文学部 | 阿部 幸信 | アベ ユキノブ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OH3-G851,LE-OH4-G863
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
後漢時代に書かれた『風俗通義』を講読します。
『風俗通義』は、後漢末の応劭がさまざまな事物を説明・解釈しながらその是非・当否を論じた書物で、神話や故事、社会習俗、音楽理論、祭祀、怪異、地理など、内容は多岐にわたります。比較的平易な漢文で書かれているため、テキストを面白く読みながら、古典漢語の読解力を養うことができます。この授業では、『風俗通義』をメインとしながら、関連する漢魏晋期の典籍も適宜参照することで、漢文読解力の向上だけでなく、後漢時代から魏晋南北朝にかけての時代像を多角的に検討することも目指します。
初回に各回の報告者を決め、テキストを輪読します。報告者は、決められた担当箇所について、以下の内容を含んだ報告資料を作成し、他の参加者に配付してください。
(1)書き下し文/(2)現代日本語訳/(3)語句・固有名詞の説明/(4)関連する史料・文献等の情報
この資料によりながら、漢文読解と内容解釈・関連事項の説明を中心としたプレゼンテーションを行っていただきます。それに基づいて、全員で内容に関するディスカッションを行います。
科目目的
漢文史料の講読をとおして、漢文の読解に習熟するとともに、文献史料の扱いについて学びます。
到達目標
1.漢文を適切に書き下すことができる。
2.書き下し文を適切な現代日本語に訳すことができる。
3.史料に書かれた内容を理解するために、各種の工具書を活用することができる。
4.討論に積極的に参加し、根拠に基づいて自分の意見を表明できる。
授業計画と内容
1.ガイダンス(漢文について、『風俗通義』について、授業の進めかた)
2.過誉篇(1) 司空潁川韓稜~
3.過誉篇(2) 太原周党伯況~
4.過誉篇(3) 汝南陳茂君因~
5.過誉篇(4) 度遼将軍安定皇甫規威明~
6.過誉篇(5) 南陽五世公~
7.過誉篇(6) 謹按、古無孝廉~
8.過誉篇(7) 汝南戴幼起~
9.過誉篇(8) 江夏太守河内趙仲譲~
10.十反篇(1) 易記出処黙語~
11.十反篇(2) 太尉沛国劉矩叔方~
12.十反篇(3) 陽翟令左馮翊田煇叔都~
13.十反篇(4) 太尉掾汝南范滂孟博~
14.総括・まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
[予習]
・自分が担当者になった回については、上記「授業の概要」で示した要領で、配付資料を作成してください。
・自分が担当者になっていない回については、書き下し文・現代語訳について、私案を作成してから授業に臨んでください。
[復習]
・報告者の配付した資料と教員の解説に基づき、書き下し文・現代語訳について、改めて確認してください。そのうえで不明な箇所があれば、決してそのままにせず、次の回までに質問として提示してするようにしてください。
・論文を読んだり書いたりする練習のため、不定期に、授業内容と関連した学術論文の要約レポートを提出していただくことがあります。卒業論文の準備に役立つので、この機会を積極的に活用してください。要約レポートの内容は評価には影響しませんが、未提出の場合は、成績評価に影響します(E判定となります)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | プレゼンテーション・ディスカッションの内容から到達目標の達成度を判断し、評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
[テキスト]
王利器『風俗通義校注』[上・下](中華書局、1981年、ISBN:978-7-101-07385-0)を利用します。外国の本で入手が難しいため、各自で購入する必要はありません(必要な部分のコピーを初回に配付します)。
[参考文献]
主な訳本には以下のものがあります:
1.中村璋八・清水浩子[訳]『風俗通義』(明徳出版社、2002年、ISBN:978-4-89619-826-3)
2.道家春代[訳注]「應劭『風俗通義』訳注稿」(2006年~、刊行中)
1は抄訳、2は『名古屋大学中国語学文学論集』誌上において進行中の訳注です。2はインターネット上からダウンロード可能です。
関係する学術論文については、授業の中でその都度紹介します。
その他特記事項
・担当教員の卒論指導を受けるみなさん(予定を含む)は、必ずこの授業を履修してください。
・夏期休業中に、卒論中間報告会と漢文読解の演習とを兼ねた研修合宿を行う予定です。詳細については、授業の中で相談のうえ決定・告知します。
・質問について、口頭の場合は原則として授業終了後にお願いします。メール等、他の手段での質問方法については授業中に告知します。manabaでの質問はご遠慮ください。
・無断欠席は厳禁とします。欠席する場合は事前または事後に担当教員までご連絡ください。