シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊研究(経済政策) | 2024 | 通年 | 金5 | 経済学研究科博士課程後期課程 | 瀧澤 弘和 | タキザワ ヒロカズ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EG-OM6-101L
履修条件・関連科目等
論文を執筆するという明確な目的意識を持って参加してください (私の専門からいうと,ゲーム理論,契約理論,組織の経済学,比較制度分析,社会科学の哲学等に関心のある方が望ましい).
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
博士論文の執筆に向けた参加者の問題意識に沿って専門論文を選択し,それを輪読してディスカッションしていきます.さらに後半にかけては,論文そのものの内容についてのアドバイスを行います.
科目目的
博士後期課程を修了するにあたっては、博士論文の執筆が必須となるので,それに向けたプロセスを本科目で具体化していく.
・ 十分に既存文献のサーベイを行ったうえで,自分の問題意識をそれとの関連において明確に述べることようになること.
・ 必要な関連文献を自ら探索し,それらを厳密な仕方で読むことができるようになること .
・ 自分自身のアイディアをモデル化し,分析して結論を得るというプロセスについて習熟すること.
・ 自分の研究内容の意義をわかりやすく述べられるようになること.
到達目標
学位授与の方針には,「博士後期課程を修了するにあたっては・・・以下の資質・能力を備えることを目標としています」とある.
〇自身の研究テーマに関連する国内外の先行研究を適切にサーベイできる基礎学力と確固たる専門知識の修得
〇先行研究を超えた新たな知見を加える「独創性」や、「探求心」、「洞察力」、「分析力」
〇自身の研究目的に鑑み多角的視点から研究を行い、著しい成果を上げることができる「研究遂行力」
〇その研究成果を継続的に国内外の学会等に発表し続ける「発信力」
〇周囲の研究者から受ける意見、助言を適切に取捨選択した上で受容し、より良い研究成果に繋げることのできる「受容性」
さらに理論分野においては「経済現象の抽象的理論化力、モデル構築力、数学を使った論証能力等」が必要であると述べられている.
本科目は,こうした能力を実践のなかで涵養していく.具体的には以下の通り.
・ 受講者は自分の問題意識を既存の研究文献との関連において明確に述べることができるようになる.
・ 受講者は必要な関連文献を探索し,それらを厳密な仕方で読むことができるようになる.
・ 受講者は自分自身の考えを,モデル化し,分析して結論を得るというプロセスについて習熟する.
・ 受講者は自分の研究の社会的意義をわかりやすく述べることができるようになる.
授業計画と内容
広範な行動経済学のテキストの目次に沿って,さまざまな文献を読んでいくことになる.
前期
第1回 イントロダクション
第2回 リスク,不確実性,曖昧性に関する行動経済学(1) :経験的証拠とそのモデリング
第3回 リスク,不確実性,曖昧性に関する行動経済学(2) :応用事例
第4回 他者を考慮する選好(1): 経験的証拠
第5回 他者を考慮する選好(2): さまざまなモデル化の試み
第6回 他者を考慮する選好(3): 道徳性の起源
第7回 他者を考慮する選好(4): インセンティブ理論との関連
第8回 行動的時間選好(1): 経験的証拠
第9回 行動的時間選好(2):さまざまな説明モデル
第10回 行動的時間選好(3): 応用事例
第11回 行動ゲーム理論(1): ゲーム理論実験のさまざまなアノマリー
第12回 行動ゲーム理論(2): さまざまなモデルによる説明- QRE
第13回 行動ゲーム理論(3): さまざまなモデルによる説明- レベルk理論
第14回 行動ゲーム理論(4): 心理学的ゲーム理論,その他
後期
第1回 学習の行動モデル(1): 進化ゲーム理論
第2回 学習の行動モデル(2): 強化学習,信念ベースの学習
第3回 学習の行動モデル(3): ルールベースの学習
第4回 学習の行動モデル(4): 合理的学習の限界
第5回 情動と認知のインタラクション
第6回 限定合理性(1): さまざまな判断ヒューリスティクス(i)
第7回 限定合理性(2): さまざまな判断ヒューリスティクス(ii)
第8回 限定合理性(3): ハーバート・サイモンの限定合理性概念
第9回 心理会計
第10回 金融市場と限定合理性
第11回 行動厚生経済学(1):パターナリズム的考え方
第12回 行動厚生経済学(2):グル=ピーゼンドーファーの行動経済学批判
第13回 神経経済学
第14回 まとめ: 標準的経済学と神経経済学との関連
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
発表の準備を十分にしてきてください.
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 70 | ショートペーパーを提出してもらい,その完成度で評価する. |
平常点 | 30 | 毎回の授業の準備を平常点として評価する. |
成績評価の方法・基準(備考)
平常点(30パーセント)と自分の研究課題について発表してもらう課題の内容(これはレポートにしてもらい、70パーセント)で評価します.
出席率が70パーセントに満たない者,課題を提出しない者はE判定とします.
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
使用テキスト
Dhami, S. (2016), The Foundations of Behavioral Economic Analysis, Oxford: UK, Oxford University Press.