シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本中世史特殊研究B | 2024 | 後期 | 金3 | 文学研究科博士課程後期課程 | 西川 広平 | ニシカワ コウヘイ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JH6-104L
履修条件・関連科目等
博士前期(修士)課程の日本史学専攻を修了する程度の研究レベルを有するとともに、中世史研究を専攻する受講生を対象とします。
関連する内容を行うため、日本中世史特殊研究Aを合わせて履修することをお勧めします。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
博士論文の作成に向けて必要となる史料の読解力を高めるため、史料研究を中心に授業を進めます。
特に中世前期の史料の考察を進めるため、鎌倉時代における山城国上桂庄の領有をめぐる相論関係文書を対象に、主に写真版を用いながら史料集の校訂及び史料の分析等を行うとともに、中世前期の庄園支配体制の変遷について研究します。
また、受講者の研究報告を行い、博士後期課程における各自の研究の進展を図ります。
科目目的
文献史学の研究の基礎を成す文献史料の読解を通して、史料から実証的に論点を抽出し研究成果を論文としてまとめる能力を修得するとともに、先行研究による定説にとらわれない、独自の見解をまとめ発表する姿勢を養います。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・古文書の写真を用いてテキストの活字の検証や形状の確認を行い、古文書の文字の判読および形状を踏まえた古文書の作成過程の分析ができるようになること。
・史料の読解を通して、実証的に論点を抽出し、研究成果を論文としてまとめる能力を修得できるようになること。
・史料の読解で得た成果と先行研究の分析を踏まえて、独自の見解をまとめる構成力と表現力を修得できるようになること。
授業計画と内容
第1回 授業内容の整理(日本中世史特殊研究Aの内容の振り返り)
第2回 研究報告の発表
第3回 研究報告の検証
第4回 荘園支配関係先行研究の検証
第5回 史料研究(東寺百合文書 ヒ函四五号「上桂庄相論文書案」前段)
第6回 史料研究(東寺百合文書 ヒ函四五号「上桂庄相論文書案」中段)
第7回 史料研究(東寺百合文書 ヒ函四五号「上桂庄相論文書案」後段)
第8回 史料研究(東寺百合文書 ア函三八四号「上桂庄相伝系図案」、
東寺文書 霊宝蔵中世文書「杲宝自筆上桂庄相伝系図案」、
高山寺所蔵東寺文書「上桂庄相伝系図案」、
東寺百合文書 遍函二三〇号「藤原氏女相伝系図案」)
第9回 史料研究(東寺百合文書 チ函一九号「東寺雑掌光信陳状案」、
ア函五九号「東寺雑掌光信陳状案」)
第10回 史料研究(東寺百合文書 チ函二五二号・ホ函八五号「足利直義施行状」、
マ函一三五号「東寺長者御教書」、ソ函四号「東寺雑掌光信陳状案」)
第11回 研究報告の再発表(修正)
第12回 史料研究(東寺百合文書 里函一六八号「散位藤原宗範挙状」、
東寺文書 射八「前関白近衛基嗣御教書」、
東寺百合文書 ヨ函九〇号「山城国梅津庄雑掌家綱重申状并具書」)
第13回 史料研究(東寺百合文書 セ函一四号「信誓書状」、東寺文書 数九「信誓置文」、
東寺文書 無号之部三〇号「信誓上桂庄相伝文書寄進」)
第14回 総括・まとめ(史料研究の論点整理)
※履修者の人数や状況により、予定を変更する場合があります。
※授業の内容に応じて、オンラインを使用する場合があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
テキストの活字と写真をもとに、古文書の文字および形状の確認や読解を進めておいてください。
史跡の巡見や博物館見学、史料の調査や実見をする機会を設けることを検討しています。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 10 | 史料読解の総括を理解し、自らの論点を示して、研究発表を行うレベルに達しているかを評価します。 |
平常点 | 90 | 報告の内容、授業への取り組み度、授業中の発言等により総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaのプロジェクト機能を用いた事前の情報共有によって、当該科目の知識を深めることができる。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
博物館の学芸員として、史料の取扱や展示等の業務に16年間携わる。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
モノ資料としての古文書の取扱と分析について指導する。
テキスト・参考文献等
テキスト
・上島有編『山城国上桂庄史料』上巻(東京堂出版、1998年)