シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 通信授業】商法(手形・小切手法) | 2024 | その他 | ー | 通信教育課程 | 小宮 靖毅 | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JD-SO3-204L
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
約束手形の一生を、その作成(振出)、流通(裏書)、支払の各段階に分け、それぞれの法律関係の特徴・法原則を理解する。
科目目的
手形と小切手の制度を明確に説明でき、特に約束手形を利用した場面での紛争の解決・処理が総合的にみて妥当と言える状態に導けるようになることを目的とする。
到達目標
手形・小切手を中心とする有価証券法分野における基本的な論点や重要判例の意義を理解し、課題等で設定する事例問題を法的に解決できるようにする。
授業計画と内容
1.有価証券の意義および種類
商法上の有価証券および手形小切手の特徴を概観し、その経済的機能を理解する(教科書 3–25 頁)。
2.手形小切手の意義・法的構造
約束手形・為替手形・小切手の法律関係を概観し、その異同を理解する(教科書 26–39 頁、291–300 頁、301–317 頁)。
3.手形行為
手形権利関係を生ぜしめる法律行為としての手形行為について、民法の法律行為に関する原則の適用の可否もしくはどのような修正が必要となるかを検討する(教科書 40–65 頁)。
4.他人による手形行為
他人名義による手形行為、代理・代行、名板貸しの法律関係を理解したうえで、無権代理・偽造による手形行為の問題点を検討する(教科書 65–89 頁)。
5.手形要件
手形要件(金額・満期・受取人・振出日)の意義とその記載に関わる解釈問題をとりあげる(教科書 97–112 頁)。
6.手形の流通・裏書
当然の指図証券性とその例外、裏書による手形譲渡の法的意義をふまえ、手形所持人の法的地位について学修する(教科書 135–167 頁)。
7.善意者保護制度(1)
手形所持人の形式的資格(手 16 条 1 項)と善意取得(手 16 条 2 項)の関係を理解し、所持人と手形署名者(振出人、裏書人)の争いについて検討する(教科書 167–184 頁)。
8.善意者保護制度(2)
手形所持人と人的抗弁制限則(手 17 条)の関係を理解し、悪意の抗弁の成立要件を理解する(教科書 183–214 頁)。
9.手形抗弁各論(1)
いわゆる融通手形の抗弁に関する事例をとりあげ、悪意の抗弁の成立に関する詳細な検討を行う(教科書 204–208 頁)。
10.手形抗弁各論(2)
いわゆる後者の抗弁および二重無権の抗弁に関する事例をとりあげ、手形抗弁に関する詳細な検討を行う(教科書 223–233 頁)。
11.手形保証・隠れた手形保証
手形債務者の信用力を強化する目的の手形保証と、同様の経済目的を有する隠れた保証の趣旨の裏書について、当事者間の利害関係を理解し、その解決方法を学修する(教科書 242–244 頁)。
12.支払・遡求
手形の支払に関する問題(善意免責など)および手形署名者の合同責任(手 47 条)をとりあげ、法的問題を検討する(教科書 245–270 頁)。
13.手形上の権利の消滅・利得償還請求
手形上の権利が消滅する場合を取り上げ、それぞれの法律関係を理解する。さらに、手形上の権利が消滅した後であっても、利得償還請求できることの意義を学修する(教科書 271–288 頁)。
14.銀行取引と手形法
銀行取引実務において手形小切手がどのように扱われるかを概観し、約款による解釈問題(偽造手形の支払、白地手形等)を検討する(教科書 6–9 頁、112–134 頁)。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
なるべく判例に則した事例問題に取り組み、当事者の主張を踏まえ、まずは一般的な民商法の規定で解決を試みた後、手形小切手の特徴・流通保護原則の適用と比較してみてほしい。
一般法である民商法の例外として手形法小切手法が位置づけられる背景を理解し、当事者間の紛争解決の可能性(一般法か特別法か)を推測し、そのための理論構成を検討してほしい。
判例や学説の結論「だけ」ではなく、どのような論証であれば、紛争当事者の納得が得られるかを、自分なりに試みることによって、取っつきにくい「概念」や「原則」(無因性・文言性、形式的資格、善意取得と即時取得、抗弁制限等々)も、紛争の場面で機能することを体得できる。
手形法小切手法の分野は、そのような紛争解決の理論的枠組みが明確に確立しているので、そこで得られる法的思考のスキルは、他の法分野にも応用できるはずである。迂遠なようでも、民法商法の基礎をじっくり積み上げてから手形法小切手法へ応用しつつ学習するのが、最短の道であることを強調しておく。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 試験(科目試験またはスクーリング試験)により最終評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
通信教育課程 在学生サイト 教科書一覧を参照
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/tsukyo-current/textbook?authuser=0
その他特記事項
【通信教育課程はなし】