シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 夏期】情報処理2 | 2024 | その他 | 在学生サイトの各スクーリングのページをご確認ください。 | 通信教育課程 | 岩隈 道洋 | 1~4年次配当 |
科目ナンバー
JD-OI1-902P
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
情報処理2では、法令・判例・二次資料といった「法情報」の分類や定義を学び、これらをアナログ・デジタル双方の情報源から取出し、活用する「法情報調査」の方法を学びます。通教生の中でも、既に各種の実定法科目の授業で六法や判例百選を使っている人にとっては「今更調査の科目なんて興味ないよ」という人もいるかもしれません。しかし、六法や判例集が我々に提供しているメッセージを十分に活用している学生さんは、実は非常に少ないというのが私の実感です。この法情報調査の授業では、六法や判例集などの本格的な使い方から始まって、法情報専門のデータベースや全国の図書館の人的ネットワークの活用法など、法に関する情報の幅広い、効率的な収集方法を身に附けてもらおうと思っています。特に通信教育部スクーリングでは、上記の文献情報の調査結果を材料に、レポートを自力で纏め上げる方法も習得してもらいたいと考えています。方法論(スキルの伝達)の授業となりますので、参加(出席)していただけないと困るのですが、実際にデータベースを検索したり、図書館を歩いたりと、授業内でも手や足を動かすことが多く、今までの受講生も楽しんで参加していたようです。今年度も積極的な受講生を待っています。
科目目的
情報処理2では、コンピュータや情報ネットワークを単に操作して利用するだけでなく、それらを活用して情報を収集・分析して考え、独自の情報を新たに創作して発信する技能を「身につける」ことを目標とします。法学部における情報教育であることを考慮して、こうした目標を達成するに当たって使用する課題は、法学教育に資するもの(特に、論文やレポート、ゼミのレジュメ等の作成など、法律的な文章の起案にも役立つ技能・技法)を選択します。
[受講者への要望]
この科目は、「情報処理1」をすでに履修したか、既にPCの利用にある程度習熟している(最低限、キーボード入力に支障が無い、Wordなどのワープロソフトが使用できる、e-mailの送受信ができるといった程度。Excel等表計算のスキルは要求しない)、と自ら判断できる人を対象とします。その自信のない人はまず竹内先生の「情報処理1」スクーリングを受講してください。
到達目標
・法学部通教の学習を支える基本的な法源論を、資料と関連させて身につける。
・図書館、インターネットや専門データベースから、信頼性の高い法資料を、(法令と判例からなる法学一次資料と、法律書や論文・判例評釈等の二次資料を区別した上で)検索できるようになる。
・法律的な文書の読み書きの際に必要な文献引用が自力でできるようになる。
授業計画と内容
1.この授業で扱う法情報とは何か?(法源論とリーガル・リサーチ)
2.法令のリサーチ(1)日本の法令体系と六法のでき方・使い方
3.法令のリサーチ(2)Googleで法令検索してはいけない!(e-gov法令検索)
4.立法資料のリサーチ 官報・議会関係資料と法案所管官庁の資料
5.判例のリサーチ(1)判例とはなにか?(裁判制度と判例法)
6.判例のリサーチ(2)判例集・判例データベースを使う
7.判例のリサーチ(3)判決原文を読んでみる
8.二次資料のリサーチ(1)「判例百選」は「判例」じゃない!?(法学文献の種類)
9.二次資料のリサーチ(2) 書誌データベースや図書館サービスを使いこなす
10.レポートや法学論文の書き方と情報倫理
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
法学の学習研究には、依然として体系的な法学書(教科書、基本書などと呼びます)や判例百選などの雑誌教材がまず出発点となりますが、今日では、更にデジタル資料の活用が不可欠となりつつあります。通信教育部では、学外からも利用できるリーガル・リサーチ・サービスである「Westlaw Japan」(法令・判例・法学文献目録の統合データベース)を、通信教育部生には極めて安価に提供しています。この授業の岩隈担当部分では、実際にデータベースを使って法情報調査の基礎を学びますが、授業自体は、サービス利用申込みとは関係なく履修できますので、まずは体験してみたいという方も歓迎します。
[復習について]
インターネットやサーチエンジンを有効かつ安全に法情報の検索に用いる際には、注意が必要です。教科書や判例集・論文といったアナログ法情報と、法情報データベース上のデジタル法情報を目的に合わせて的確に活用する「よい習慣」を身につける必要があります。スクーリング中に何回か復習課題を出しますが、評価に反映しますがなによりも法情報・法資料の意味や有用性そして危険性に「慣れて」いただくことが重要と考えます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 最終日に提示する小レポート(スクーリング後1週間程度の期間を予定しています(応相談)) |
平常点 | 50 | 各時限ごとの習熟度チェック(課題提出・小テスト) |
成績評価の方法・基準(備考)
最終評価の小レポートにしりごみされる方もいらっしゃるのですが、この授業の性質上、法律に関するまとまった文章(通教レポートはもちろん、法律論文や法務関係の報告書、メモランダムに共通する)のフォーマットを身につけてもらう目的のものです。法学各分野の詳細な解釈論を要求する普段の法律科目ほど重い内容ではなく、(やや)気楽にスタイルを身につけてもらうという趣旨のものです。レポートの書き方に不安がある方や悩みのある方を中心に、怖がらずに受講してくださるとよろしいかと思います。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
情報処理教室において、PCを使用します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
授業担当者の岩隈道洋は、本学国際情報学部教授で、法情報学、情報と憲法、メディア政策論などの科目を担当。大学教員就任前にはLexisNexis JapanおよびWestlaw Japan において、法情報データベースの営業・講習業務や、搭載データ(判例・法令)に関する調査・キーワード抽出等の作業に従事した。また、法律事務所や大学(法学部・法科大学院)図書館への法情報データベース利用に関するニーズ調査なども行っていた。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
法情報調査のツール中、有料データベースの活用に係る部分につき、当該データベースのインターフェイスやデータ構造のみならず、データの生成過程や、サービスに対する法律家顧客ニーズに関する知見も活かしつつ、単なるデータベース検索実習だけでなく、法情報サービスのマーケットや、初歩利用者のつまずきやすいところも意識しつつ授業を総合的に展開できる。
テキスト・参考文献等
<テキスト>事前にレジュメの形式で配布する
<参考文献>
・特に本スクーリングの理解・実践に資するもの・
●ローライブラリアン研究会編『法情報の調べ方入門(第2版)』日本図書館協会(2022)
●いしかわ・村井・藤井『リーガル・リサーチ(第5版)』日本評論社(2016)
・その他、参考になるもの・
吉田利宏『法律を読む技術・学ぶ技術(改訂第4版)』ダイヤモンド社(2022)
いしかわ・吉田『法令読解心得帖』日本評論社(2009)
吉田利宏『ビジネスマンのための法令体質改善ブック』第一法規(2008)※
リーガルリサーチ研究会『実践判例検索』第一法規(2007)※
指宿信『法情報学の世界』第一法規(2010)※
ヴォロック(指宿訳)『リーガル・ライティング』日本評論社(2009)※
<参考DVD>
法律図書館連絡会編『わかりやすい法情報の調べ方』商事法務(2007)※
※絶版だが良書のため、図書館等で出来れば参照すること。
その他特記事項
【通信教育課程はなし】