シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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フランス文学演習(1) | 2024 | 通年 | 木3 | 文学部 | 小嶋 洋介 | コジマ ヨウスケ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-LT3-D604
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業は、フランス語で書かれた文学テクストを読み、翻訳し、その内容理解に努め、解釈するという一連の作業を行う「場」です。あえてその作業のキーワードを挙げれば、それは「変換」transformationです。まず、フランス語のテクストを読み、それを日本語に訳します。翻訳は、異なる言語間の意味・構造「変換」です。翻訳とは、同時に理解し解釈することです。理解し解釈することは、外国語の翻訳に限ったことではありません。そもそも読むとは、そのような行為です。それはまた、他者の認識を、自分の認識へと「変換」することでもあるのです。また、このような認識「変換」を正しく行うには、単に言語の内部に留まっていては理解の届かない部分が生じます。特に外国のような異文化に属するテクストに接する場合は、それが内属する社会や文化自体への知識や理解が必要です。それは自分が住む社会や文化との相対的「変換」をすることでもあるのです。このように多様・多層の「変換」を通じて、大事なことは、テクストという織物に、自分なりの新たな織物(テクスト)を編み込んでいくことです。既存のテクストを自分のテクストへと変貌させていく。テクスト「変換」です。それが、実は、考えるという行為です。考える行為を通じて、自分の思想や世界観を得ていくことです。いささか大袈裟な表現を使いすぎたかもしれません。実際の授業では、そこまで大層なことを行うわけではありません。しかしながら、テクストをしっかり味わって欲しいと思います。心や知性への滋養とする。魂への栄養とする。その意味では、それも「変換」です。そのように、じっくり味わうのに相応しいテクストを選びます。具体的には、前期:Roland Barthes の L'Empire des signes, 後期:Paul Valéry の Degas Danse Dessin を読む予定です。
科目目的
フランス語の力をさらに伸ばしつつ、文学テクストを「読む」実践的な経験を積むことを目的とします。同時に、読む行為を通じて「考え」、さらに「書く」という行為へと繋げることを、遠望しています。
到達目標
フランス語で書かれたテクストを、しっかり理解できるようにすること。その上で、その内容を検討し、解釈し、自分なりの批評眼を持てるようにすることが目標です。もっとも、そこに到達できるか否かはともかく、そのような行為を通じて、「読む」ことの快楽を得て欲しいです。
授業計画と内容
【前期】L'Empire des signes より、いくつかの章を選んで読む。
第1回 ガイダンス:ロラン・バルトについて
第2回 La langue inconu を読む(1)
第3回 La langue inconu を読む(2)
第4回 Centre-ville, centre vide を読む(1)
第5回 Centre-ville, centre vide を読む(2)
第6回 L'effraction du sens を読む(1)
第7回 L'effraction du sens を読む(2)
第8回 L'exemption du sens を読む(1)
第9回 L'exemption du sens を読む(2)
第10回 L'incident を読む(1)
第11回 L'incident を読む(2)
第12回 Tel を読む(1)
第13回 Tel を読む(2)
第14回 総括・まとめ
【後期】Degas Danse Dessin より、いくつかの章を選んで読む。
第1回 ガイダンス:ポール・ヴァレリーについて
第2回 Degas を読む(1)
第3回 Degas を読む(2)
第4回 Degas を読む(3)
第5回 De la danse を読む(1)
第6回 De la danse を読む(2)
第7回 De la danse を読む(3)
第8回 Cheval, danse et photo を読む(1)
第9回 Cheval, danse et photo を読む(2)
第10回 Cheval, danse et photo を読む(3)
第11回 Degas, fou de dessin を読む(1)
第12回 Degas, fou de dessin を読む(2)
第13回 Degas, fou de dessin を読む(3)
第14回 総括・まとめ
以上に記した予定は仮のものにすぎません。実際に授業を行う中で、テクストの選別も、進度も、適宜変更や調整をします。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 80 | 前期末試験40% 後期末試験40% |
平常点 | 20 | 授業への参加度、発表の内容など |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>前期:Roland Barthes : L'Empire des signes コピーを配布します。
後期:Paul Valéry : Degas Danse Dessin コピーを配布します。
<参考文献>
ロラン・バルトの翻訳は、みすず書房から多数出版されています。ただ、授業で扱うテクストの邦訳は読まないようにしましょう。それ以外で、日本語で読めるロラン・バルトの著作より、私の好みで掲載しておきます。
『零度のエクリチュール』石川美子訳、みすず書房
『明るい部屋』花輪光訳、みすず書房
『映像の修辞学』蓮見重彦、杉本紀子訳、ちくま学芸文庫
ポール・ヴァレリーの翻訳は、全集が筑摩書房から出ています。他の出版社からも、いろいろ出版されていますが、文庫本になっているものが、手軽に読めるので紹介しておきます。もちろん、授業で扱うテクストの邦訳は読まないようにしましょう。
『ムッシュー・テスト』鈴木徹訳、岩波文庫
『エウパリノス、魂の舞踏、樹についての対話』清水徹訳、岩波文庫
『レオナルド・ダ・ヴィンチ論』塚本昌則訳、ちくま学芸文庫
その他、授業のなかで随時紹介していきます。
その他特記事項
参考URL
この授業は、仏文専攻・語文コース系の教員が担当しています。
語文コースHP https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/futsubun-gobun/
語文コースブログ https://chuo-bun-futsubun-gobun.blogspot.com/