中央大学

シラバスデータベース|2026年度版

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ホーム > 講義詳細:法交渉学

シラバス

授業科目名 年度 学期 開講曜日・時限 学部・研究科など 担当教員 教員カナ氏名 配当年次 単位数
法交渉学 2026 後期 火1 国際情報学部 隅田 浩司 スミダ コウジ 3・4年次配当 2

科目ナンバー

GI-OL3-IL34

履修条件・関連科目等

特になし

授業で使用する言語

日本語

授業で使用する言語(その他の言語)

授業の概要

本講義は、契約実務を中核に、法的問題解決としての「交渉」を体系的に理解することを目的とする。交渉学の一般理論を説明した上で、民法に基づく契約の成立・合意の認定、契約書の機能と条項設計、典型契約(売買、業務委託・請負)における論点整理と交渉上の留意点を、具体的な事例と契約条項の読解を通じて学ぶ。とりわけ、契約の成立時期・方式を早期に扱い、口頭・メール・ドラフト往復を含む合意形成過程において、何が「合意」と評価され得るかを判断する枠組みを習得する。

また、本講義は、ハーバード・ロー・スクールで1980年代から研究と教育が開始された交渉学の基礎概念をベースとして、実践的な交渉の方法論についても解説する。たとえば、立場(ポジション)ではなく利害・関心(インタレスト)に着目する方法、代替案(BATNA)を基準として提案の受容可能性を評価する視点など、「原則立脚型(principled)」の交渉アプローチについて分析し、契約条項の選択や譲歩設計、説明責任(なぜその条件が妥当か)の提示などにどのように応用するか、検討する。また、社会心理学、認知科学に基づく認知バイアスが交渉に与える影響も学ぶ。

さらに、事業提携、共同研究開発、データ提供を題材として、取引設計が競争秩序や表示・ブランド管理と交錯する局面を扱う。具体的には、共同研究開発や情報共有に関する独占禁止法上の基本的視点、公正取引委員会の指針の参照方法、景品表示法に基づく表示規制の要点、データ提供に関連し、AI、知的財産権に関する様々な議論や、ブランドマネジメント(商標制度の基礎など)を、ケース検討等を通じて学習する。

国際取引分野では、国際売買・貿易条件・準拠法といった基礎概念を踏まえ、CISG(国際物品売買契約)やIncoterms®を参照しつつ、国際契約交渉における条項設計とリスク配分の考え方を扱う。あわせて、WTOおよび貿易協定が実務に与える影響、関税の基本構造にも言及する。授業は講義を基軸としつつ、条文・条項の読解、事例検討、授業内レポート等を組み合わせて進める。学期末試験および学期末レポートは実施せず、授業内レポートおよび質疑応答等の内容により評価する。

科目目的

本講義は、契約実務を中心に、法的問題解決としての「交渉」を体系的に理解し、実務場面で再現可能な判断枠組みを修得することを目的とする。具体的には、契約の成立・方式、合意の認定といった民法上の基本構造を踏まえ、口頭・メール・ドラフト往復を含む合意形成過程において、どの時点で何が「合意」と評価され得るのかを、条文・条項の読解と事例検討を通じて説明できるようにする。

あわせて、交渉学の基礎概念を参照し、立場(ポジション)ではなく利害・関心(インタレスト)に着目する方法、代替案(BATNA)を基準に提案の受容可能性を評価する視点、客観的基準を用いて合意の合理性を支える考え方等を理解し、契約条項の選択、譲歩設計、説明責任(なぜその条件が妥当か)の提示に応用できるようにする。

さらに、社会心理学・認知科学の知見に基づき、認知バイアスが交渉判断に与える影響を理解し、誤った意思決定を抑制するための実務的な留意点を整理できるようにする。加えて、事業提携、共同研究開発、データ提供等の現代的取引を素材として、競争秩序(独占禁止法上の視点)や表示・ブランド管理(景品表示法・商標制度の基礎)と契約交渉が交錯する局面を扱い、論点の抽出とリスクの言語化ができる能力を育成する。

国際取引については、国際売買・貿易条件・準拠法等の基礎概念を踏まえ、国際契約交渉における条項設計とリスク配分を理解することを目的とする。あわせて、WTOおよび貿易協定が実務に与える影響、関税の基本構造についても、契約実務との接点に即して整理し、体系的な理解を獲得させることを目指す。

到達目標

学生は、本講義の受講により、次のような能力、知識、方法論の習得ができる。

1)学生は、与えられた事実関係(口頭・メール・ドラフト往復を含む)から、契約の成立時期・方式および合意の成否を整理し、条文・判例類型に即して理由を付して説明できる。
2)学生は、典型契約(売買、業務委託・請負等)につき、主要条項(目的・対価、検収、秘密保持、知的財産、保証、責任限定、解除、準拠法・紛争解決等)を読解し、リスク(誰が・何を・いつ・どこまで負うか)を言語化し、修正案または代替条項を提示できる。
3)学生は、交渉学の基礎概念を用い、当事者の立場ではなく利害・関心(インタレスト)を抽出し、代替案(BATNA)と客観的基準に基づいて、受容可能範囲、譲歩設計、提案の理由付け(説明責任)を構成できる。
4)学生は、認知バイアスが交渉判断に与える影響を具体例に即して指摘し、誤判断を抑制するための実務的手当(判断手順、チェック観点、情報収集の仕方等)を示すことができる。
5)学生は、事業提携・共同研究開発・データ提供等の場面で、競争秩序(独占禁止法上の視点)や表示・ブランド管理(景品表示法・商標制度の基礎)と契約交渉が交錯する論点を抽出し、契約条項または運用ルールの形に落とし込んで説明できる。
6)学生は、国際取引の基礎概念(国際売買・貿易条件・準拠法等)を踏まえ、国際契約交渉におけるリスク配分(費用負担、危険移転、履行・救済、紛争解決等)を整理し、必要条項の骨子を提示できる。
7)学生は、上記1)〜6)の検討結果を、授業内レポートおよび質疑応答において、根拠と結論が対応する形で簡潔に表現し、反論や追加事情を踏まえて自らの案を修正できる。
8)学生は、各回の課題に基づき、自身の理解不足(条文・条項・概念の未消化点)を特定し、次回までに補強する学修行動(資料の再読、要点整理、短い論点メモ作成等)を継続できる。

授業計画と内容

1 法的問題解決と交渉の関係

2 契約の基礎理論

3 合意の意義および合意の認定

4 契約書の意味および契約交渉との関係

5 売買契約と交渉

6 業務委託、請負と交渉

7 事業提携に関する交渉 基礎

8 事業提携に関する交渉 応用

9 データ提供、共同研究開発と交渉

10 国際取引入門

11 国際取引と交渉の基礎

12 国際取引交渉と契約実務の基礎

13 国際取引交渉と契約実務実践編

14 法的紛争解決、仲裁と交渉実務

授業時間外の学修の内容

指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出

授業時間外の学修の内容(その他の内容等)

授業時間外の学修に必要な時間数/週

毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。

成績評価の方法・基準

種別 割合(%) 評価基準
レポート 70 毎回の講義において行う授業内レポートの評価
平常点 30 対面講義における講師からの質問への回答および、学生からの積極的な質問および討議への積極的な参加姿勢

成績評価の方法・基準(備考)

授業内レポートは原則として授業時間内に作成・提出する。欠席等により提出できない場合の取扱い(代替課題の可否・期限等)は、正当な理由の有無を踏まえ、担当教員が個別に指示する。評価の公平性確保のため、レポートは受講者本人の思考に基づく作成を求め、他者の答案の転記、無断転載、生成AI等を含む第三者作成物の丸写しは認めない。外部資料や生成AIを参照した場合は、その旨を明示し、自身の検討(理由付け、当てはめ、条項案の改善点)を中心に記述すること。討議においては、相互の尊重を前提に、根拠に基づく意見表明と反論を行う。

課題や試験のフィードバック方法

授業時間内で講評・解説の時間を設ける

課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)

アクティブ・ラーニングの実施内容

実施しない

アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)

授業におけるICTの活用方法

その他

授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)

オンデマンド回(全14回中7回)は、大学LMS(講義配信システム)を用いて講義動画および資料を配信する。各回について、理解確認のための小テスト(確認クイズ)または授業内レポート課題をLMS上で提示し、提出をもって学修状況を確認する。加えて、質問受付(掲示板・フォーム等)をLMS上で設け、質疑への回答や補足資料の提示により双方向性を確保する。

実務経験のある教員による授業

いいえ

【実務経験有の場合】実務経験の内容

【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容

テキスト・参考文献等

教科書は使用しない、必要に応じてハンドアウトを配布する。なお参考文献は、各講義に際して、適宜言及する。

その他特記事項

授業内レポートは原則として授業時間内(オンデマンド回は指定期限内)に作成・提出すること。授業内レポートの未提出が一定回数を超える場合、成績評価に必要な学修成果が確認できないため、単位認定が困難となる。対面回では講師からの質問への回答、学生からの質問も評価の対象となる。

参考URL

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