シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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入門演習 | 2024 | 後期 | 火4 | 経済学部 | 丸山 佳久 | マルヤマ ヨシヒサ | 1年次のみ | 2 |
科目ナンバー
EC-AD1-01XS
履修条件・関連科目等
日本の森林問題に興味があること。授業の準備をして毎回出席できること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、協調性及び自己管理力(専門知識を活かせるだけでなく、チームワークの経験から学んで、他人と協調し、自己を管理することができる)の修得に関わる科目です。また、創造的思考力(総合的な学習体験に基づいて、ものごとを創造的に思考することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
日本の国土面積の66%は森林ですが、森林管理を担う林業は「顧客」を適切に認識できておらず、また、サプライチェーン・産業クラスターとして結びつく木材関連産業(木材加工業や建築業、木質系バイオマス事業等)との協力体制や情報共有ができておらず、低付加価値・高コスト構造になっています。林業は採算が取れないため、中山間地域は疲弊し、森林は管理が放棄されて荒廃しています。森林という"資源"を活かして、補助金に頼らずに林業および関連産業・地域の活性化を図るためには、企業や自治体等が連携して、新たなビジネスモデルを作っていかなければなりません。例えば、おが粉や未利用間伐材等、地域に眠っている"資源"を再評価して、それらをもとに、エネルギーの一部を自給することによって、地域の自立と安定化を図ることができるかもしれません。
入門演習では、原則としてチーム別に、受講生のみなさんが文献調査や(必要に応じて)フィールドワーク調査を行い、日本の森林が抱えている課題を認識し、課題解決を図るためのアプローチをビジネスプランとして具体化させます。チーム別に調査した事項をレジメにまとめ、輪番で発表していきます。これらの作業を通じて、テキスト文の要約の仕方、プレゼンテーションおよびディスカッションの仕方等を学ぶことができます。
科目目的
文献資料(本や論文、雑誌記事・新聞記事等)の探し方、テキスト文の要約の仕方、レジメ・レポートの作り方、プレゼンテーションおよびディスカッションの仕方等、大学での学修に必要となるスキルを習得することが科目の目的です。また、受講生のみなさんが、日本の国土面積の66%を占めるものの、日常生活においてあまり顧みられることのない森林に興味を持ち、森林の幅広い「価値」を適切に評価できるようになってもらうことも科目の目的とします。
到達目標
①文献資料(本や論文、雑誌記事・新聞記事等)を探せるか。
②テキスト文を読解し、要約できるか。
③文献資料やフィールドワーク調査に基づき、レジメ・レポートを作成できるか。
④レジメをもとにプレゼンテーションができるか。
⑤プレゼンテーション内容に基づき、ディスカッションができるか。
⑥日本の森林に興味を持ち、森林の「価値」を適切に評価できるか。
授業計画と内容
入門演習では、日本の森林がどのような状況にあるか、サプライチェーン・産業クラスターとして結びつく木材関連産業(木材加工業や建築業、木質系バイオマス事業等)との関係はどのようになっているかを文献調査して、森林の"強み"および"弱み"を明らかにし、地域にある"資源"としての森林の価値を見つけ出します。調査を深掘りするために、特定の地域や産業・事業を選択し、フィールドワーク調査を行い、文献調査を補足することを歓迎します。
文献調査・フィールドワーク調査を踏まえ、地域住民や投資家等、自分たちが関わる何らかの立ち位置を選び、その目線から日本の森林および対象地域・産業・事業の「こうなってほしい未来像」を思い描き、具体的なテーマや、それを実現するためのアプローチを選択します。そして、日本の森林の活性化に取り組む各地の先行事例と組みあわせ、ビジネスプランを作成します。具体的には、対象地域・産業・事業に関係する企業や自治体、住民等に対して協力を呼びかけるための企画書を作成したり、ビジネスプランを実施していくためのスケジュールを立てます。
文献調査やフィールドワーク調査等の発表にあたっては、事前に発表者を決めますから、発表者は調査事項を要約しまとめ、レジメを作成して受講生全員に配布しプレゼンテーションしてください。その内容を踏まえ、ディスカッションするという形でゼミを運営します。最終的に、毎回の発表内容を取りまとめる形で、日本の森林を元気にするビジネスプランを企画書として作成・発表してもらいます(企画書はレ学期末にポートとして提出します)。
なお、1回分の授業を図書館講習会に、3回分の授業をワード講習、パワーポイント講習およびエクセル講習に振り替えます。図書館利用の講習によって、レジメをまとめる際の資料を探すスキルを習得できます。ワード講習およびパワーポイント講習によって、ワープロソフトやプレゼンテーションソフト等でレジメを作成するスキルを習得できます。エクセル講習によって、政府機関等が公表する統計データをグラフにまとめるスキルが習得できます。これらの講習の日程は、シラバス作成時点では、まだ決まっていません。これらの講習を実施する授業回は前後することがあります。
1. ガイダンス
2. 図書館講習
3. 文献調査-日本の森林はどのような状況にあるのか-
4. ワード講習
5. 文献調査-日本の森林と木材関連産業の関係はどうか-
6. パワーポイント講習
7. 日本の森林の「こうなってほしい未来像」を思い描く
8. エクセル講習
9. ワークショップの実施-アプローチの選択とテーマの決定-
10. 先行事例の収集・整理
11. ワークショップの実施-日本の森林の未来像とビジネスプラン-
12. ビジネスプランの作成
13. 企画書のプレゼンテーション
14. まとめと確認
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
文献調査やフィールドワーク調査、レジメおよび企画書の作成等は、全て授業時間外に各自で行ってもらいます。授業時間は、レジメに基づくプレゼンテーションおよびディスカッションの場です。「各自で準備⇒授業時間に発表・教員や他のメンバーからのコメント⇒各自で修正」という一連の作業が重要になります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | ゼミへ積極的に参加しているか、レジメおよびレポート、プレゼンテーション・ディスカッションの内容等を総合的に評価します。 具体的には、以下の諸点を評価基準とします。 ①文献資料(本や論文、雑誌記事・新聞記事等)を探せるか。 ②テキスト文を読解し、要約できるか。 ③文献資料やフィールドワーク調査に基づき、レジメ・レポートを作成できるか。 ④レジメをもとにプレゼンテーションができるか。 ⑤プレゼンテーション内容に基づき、ディスカッションができるか。 ⑥日本の森林に興味を持ち、森林の「価値」を適切に評価できるか。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】は使用しません。
【参考文献】は以下の通りです。
・林野庁『森林・林業白書』(https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/)
・塩地博文・文月恵里 他(2022)『森林列島再生論』日経BP
・遠野みらい創りカレッジ(2019)『SDGsの主流化と実践による地域創生』水曜社。
・遠野みらい創りカレッジ(2017)『学びあいの場が育てる地域創生 産学官民の協働実践』水曜社。
・遠野みらい創りカレッジ(2015)『地域社会の未来をひらく-遠野・京都二都をつなぐ物語-』水曜社。
その他特記事項
プレゼンテーション担当の際に、準備をしてこなかった者、代理を準備せずに無断欠席した者の単位は認めません。やむを得ず欠席する場合は、事前に連絡してください。