シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国文学作家作品研究(1)A | 2024 | 前期 | 月4 | 文学部 | 吉野 瑞恵 | ヨシノ ミズエ | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL3-A401
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
『源氏物語』に描かれた執着の恋
この講義では、『源氏物語』に描かれた恋に身を滅ぼす二人の登場人物を取り上げ、この物語が人間の執着の問題をどのように扱おうとしていたのかについて考える。さらに、『源氏物語』以降の文学作品に、執着の問題がどう継承されていくのかについても見ていきたい。
具体的には、光源氏に対する執着のあまり、生霊となって正妻の葵の上を取り殺してしまう六条御息所をめぐる物語と、光源氏が四十歳になってから迎えた若く高貴な妻・女三の宮に恋をして身を滅ぼす柏木をめぐる物語を取り上げる。
さらに、鎌倉時代に書かれた宮廷女性の自伝『とはずがたり』において、柏木の恋がどのように継承されているのか考察する。
科目目的
この科目は、学位授与の方針である国文学専攻の学問分野において求められる専門的な知識を身につけることを目的とする。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・『源氏物語』や『とはずがたり』について、その表現の特徴を説明できるようになること。
・『源氏物語』を原文で読解し、深く理解できるようになること。
授業計画と内容
第1回 授業ガイダンス
第2回 『源氏物語』概説
第3回 光源氏、 六条御息所のもとに通う(「夕顔」巻)
第4回 六条御息所、生霊になる(「葵」巻)
第5回 六条御息所、伊勢に下る(「賢木」巻)
第6回 柏木、女三宮を垣間見する(「若菜上」巻)
第7回 柏木、女三宮と密通する(「若菜下」巻)
第8回 柏木、執着を残して死去する(「柏木」巻)
第9回 『源氏物語』は執着の問題をどのように扱っているのか
第10回『とはずがたり』概説
第11回 二条と有明の月の恋
第12回 有明の月の起請文
第13回 有明の月の死
第14回 総括・まとめ・到達度確認
なお、扱う場面についてはシラバスと異なる場合があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 『源氏物語』における執着の恋の描かれ方の特色と、そこから影響を受けた『とはずがたり』の表現の特色について説明できる。 授業中に取り上げた場面について正しく解釈できる。 |
平常点 | 40 | 毎回リアクションペーパーを提出してもらい、授業の参加度および理解度を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
以下のテキストをコピーして配布する。参考文献については授業中に適宜紹介する。
『源氏物語』1~6(阿部秋生・秋山虔・今井源衛・鈴木日出男 校注・訳) 小学館新編日本古典文学全集
『建礼門院右京大夫集 とはずがたり』(久保田淳 校注・訳)小学館新編日本古典文学全集